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なんで、そうなるんだっ!?  作者: 利川沙夜子
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1.呪いだとっ?!(父ドレイク視点)

『なんで、こうなるのさっ!』の別視点です。

クリスティーナ:お父様、出番ですわよ?

 わたしの名は、ドレイク。アボット侯爵家の当主を努めている。

 わたしは国王管轄の執務官長を拝命され、国王アッサム様と一緒に、政務に追われている。その為、領地は、前当主の父が管理してくれている。


 わたしの妻は、この国の元王女だったイリサであるため、義兄になるアッサム様とは、プライベートも共に過ごすことがある。

 わたしとイリサの間に授かったのは、3人の息子たち。すくすくと丈夫に育ち、立派な青年へと成長してくれ、嬉しい限りだ。

 まぁ、できれば娘も欲しかった…。


 長男ウィリアムは、顔立ちはわたしに似ている。ただ、性格はイリサだろう。明るく、弟たちの面倒みのいい子だ。

 嫡男だからか、己に厳しいが責任感も強い。今は、アーレン第一王子殿下の政務官長を拝命し、王宮で働き、部下たちに慕われているようだった。


 次男アドルフは、少し無口だが、自分の意見をしっかり持っている。顔立ちや性格は、わたしの父に似て、心配症。いつも三男を気にかけている。

 月に1週間ほど、魔法学園へ、学生に呪術の講義をしている。解りやすい講義や学生からの質問へ丁寧に応えてくれると、評判が良いと聞く。


 三男クリストファーは、顔立ちと性格はイリサに似たため、小さい頃は、女の子に間違えられるほどの可愛いらしさだった。よく女の子扱いされたので、本人は嫌がっていたが…。

 だが、クリストファーを良く観察すると、ちょっとした仕草が女の子のようだったので、イリサも心配していた。

 そして、14歳の時に行うロッドの魔力登録に、可愛いらしい女性モノのロッドが出現した時は、どうなることかと思ったが…。

 クリストファーは、学園で笑われない為に、人一倍努力し、文武両道を極め、少し筋肉がつきにくいが、長身の好青年に成長した。

 ただ、同じ歳になるアーサー第二王子殿下曰く、『初めて会った時、イリサに似た顔立ちだったからか、活発な女の子だと思った』と。

 また、『話をしたら、人懐っこい犬のようで弄り甲斐がある』と思ったらしい。息子ながら、哀れだ…。



 あの日も、国王の執務室にて、アッサム様とわたし、執務官長代理のザッツ ブレーセ侯爵(クリストファーの学友エリザベス嬢の父親でもある)の3人は、政務に追われていた。ちなみに、幼馴染みでもある。

 アッサム様が少し気の抜けた声音で話しかけてきた。

 「ドレイク、そろそろ小休憩をしようじゃないか。」

 「切りが良いのなら、構いませんが…。わたしはまだ続けますので、アッサム様、わたしたちに話しかけず、静かに休憩してください?」

 「何を言う?誰とも話さずに、休憩といえるのか?ドレイクもザッツも茶くらい、付き合え。」

 「仕方がないね、ドレイク。観念して、付き合おう?」

 ザッツが、両手を上げながら言った後、ベルを鳴らし、隣の応接室のローテーブルへ、茶の用意をするよう、侍女に頼んだ。

 「まったく…。さぁ、さっさと休憩を終わらせて、仕事に戻りますよ?」

 と、わたしたち3人は、応接室へ移動しようと席を立ったとき、ドアがノックされた。

 「国王陛下、執務中、失礼いたします!アボット執務官長へ、至急の連絡が入りましたので、届けに参りましたっ!」

 と、部下の声が聞こえたので、わたしは執務室への入室を促す言葉を言った。

 「入室を許可する。ちょうど、応接室へ休憩しようと移動するところだったのだ。」

 「はっ。失礼いたします!アボット執務官長、こちらが、電報になります。」

 部下は入室するなり、わたしへ電報を差し出し、さっさと出ていった。きっと、執務が溜まっているんだろう…。


 電報は、珍しい事に、次男アドルフからだった。

 今週は講義の為、学園にいるはずだ。学園の印が入っているということは、次男か三男に関することか…?

 「ドレイク?何の知らせだ?」

 アッサム様に話しかけられるまで、電報を開けていなかった事に気がつき、慌てて読んだ。

 「なっ?!クリストファーが、『学園の実技試験の最中、呪いにかかって倒れた』だとっ!?」

 「それは…?どういうことだ?学園の実技試験は、特に何もないダンジョンで行われるはずだし…あぁ…。確か、エリザベスからは、『いつものメンバーに、あのロザリーナ バーモント伯爵令嬢の面倒をみることになった』と、文句の手紙がきていたよ?きっと、ソレが原因かもね?」

 電報を読み上げたわたしは驚いて、固まってしまったが、ザッツは冷静に判断していた。

 「まだ、続きがあるぞ?!『学園から屋敷への迎えの連絡はしてあり、俺はダンジョンで呪いの解読をしてから、戻ります。』だそうだ。ドレイク、何をぼさっとしているのだ!さっさと、屋敷へ戻れっ!」

 アッサム様は、いつの間にか、わたしから電報を奪い、読んでいた。状況を理解するまで時間がかかったわたしを叱咤し、屋敷へ転移する札を押し付けてこられた。

 「…っ?!はっ!ご配慮恐れ入ります。状況がわかり次第、連絡しますので。それでは、御前を失礼いたします。」




読んでいただけて、ありがとうございます。

もう少し長くなるので、一旦切ります。

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