第9話〜脱糞女神現る〜
「そういえばギル、あと何個で勇者の装備が揃うんだ?」
「あの声が言うには、残り2つみたいですね」
「集めたら何が起こるのかしら?」
「なんの話アルか?」
「えっとー、ギルくんは勇者の専用装備を身に付けることが出来るんだけど、その度に声が聞こえてくるみたいですー」
ターリットは謎の声をリンに説明する
「不思議なことも起こるアルねー」
「ねぇギル、あなたもそろそろ魔法かなんか使えないの?」
「そういえばボクはガントレットに頼りっぱなしでしたね」
この時また、あの声が聞こえてくる
『やぁ!みんな久しぶりだね!おやおや?新しい仲間もいるみたいね!』
「また、声だけ聞こえるが姿が見えねえ」
「あなたは誰ですか?姿を見せてください」
『えー?私一応神さまみたいなもんだし、今まであんな感じで話しかけてたのは、私の威厳無くなっちゃうかも知れなかったし』
「この時点でその威厳も吹き飛んだわ!」
アリシアは姿の見えない神の軽いノリにキレ気味にツッコむ
『まあまあ怒らないでよー、姿を見せてあげるから!』
そういうと目の前には金髪の薄い布で体を包んだ羽の生えた女神が現れた
『これが私の姿よ、どう?雰囲気出てる?』
「で?女神さんが何かようなの?」
女神はフワフワしながら質問に答える
『ちょっとねー、これから私が時々出てきてナビゲートするから、よろしくね』
「なんのナビゲートなんです?」
『なんのって決まってるじゃな〜い、貴方の装備よ!』
ギルを指差す女神
『貴方達がなかなか進むのが遅いから焦れったくなって出てきちゃった』
「じゃあ、次の装備の在り処を教えろ女神」
『えー?その態度はなくなーい?私一応女神だよ?』
「教えたいのか教えたくないのかどっちよ!」
アルナに気を取られている女神はアリシア達はコソコソと話をする
「おいギル、あの女神にアレ頼めるか?」コソコソ
「分かった、後ろに回り込んでおくよ」コソコソ
コソコソとバレないように近づき、定位置にスタンバイするギル
『分かったわよ、あなた達が目指してるアルバドの街に行くと良いわよ』
「よし、分かった。それと、ギルからお礼があるそうだ」
『え! お礼? 一体何かしら?』
女神は少しだけ宙に浮き、辺りを見渡すがギルの姿が見えない
『あの子どこ行っちゃったのかしら』
女神は腰に手を当て肩幅程度に足を開く
ギルはこの瞬間を狙っていた!
「ジャンピングカンチョー!」
ジャンプしながら勢いに任せカンチョーを繰り出すギル
と、その時ギルは何かの魔法を意図せず唱えていた
ズン!
『アーーーーーーー!?』
女神は叫び声を上げ尻を抑えながら地面に倒れる
しかし、それで終わりではなかった
グギュルルルルル
『はうぅ!』
突如女神の腸内が活性化し始める
『な、なんなのよー! これー! ひっ!』
ブボボッ!
女神が放屁する
「えぇ、マジかよ」
「神さまを信仰する身だけど幻滅するわね」
女神を見る目が冷たくなる
「面白い神様ですねー、多分あの魔法ですねー」
「一体どんな魔法アルか?」
ターリットが説明する
「多分、ギルくんは『デポイズン』をいつのまにか習得していたんですよー」
「『デポイズン』?」
「えっとー、毒を抜く魔法ですねー。だから、ギルくんはお尻に魔法をかけたから女神様の腸内の便を毒と勘違いしたんじゃないんですかねー」
「そんな適当アルか?」
『ま、まだ出るー!』
ブゥーーー
「おりゃー、もう一回!」
ズンッ!
『おほおおおおおお!!』
ブリッ!
「「「「『あっ』」」」」
ブリュリュリュ!!
「なんか可哀想に思ってきました」
「俺も悪かったと思ってる」
ギルに提案させたアリシアは少し自分にも非があると反省していた
「こんな女神はどうでしょうかー、『脱糞女神』」
「笑えないアルよ!ターリットさん!」
『もうやだ、こんな奴ら』グルルル
ブリュ⋯⋯ブリュ
最悪なあだ名を付けられた女神は関わりを断とうか迷っていた
「じゃあ俺らは先行くからな、ケツ拭いとけよ!『脱糞女神』」
『私はちゃんとした名前があるのー!クロリスって名前がー!』
「じゃあねー『脱糞女神さーん!』」
『だーかーらー違ーうー!』
5人は脱糞女神を置いてアルバドの街を目指す
そのあとものすごい勢いで追いかける脱糞女神であった──
脱糞女神って良い響きだね!
他のキャラはツッコミだけど、とりあえず女戦士と女神はこの路線で決まりや!
ニガテと思ったらごめんね?