第5話〜魔王の刺客〜
「おろー?何かありますよー?」
洞窟の長い道のりを歩いていると宝箱がある
「もしかして、あれが風のブーツか!」
アリシアが開けると中には少し黄緑がかったブーツがあった
「ギル、持ってみろ。」
「よ、よぉーし!」
恐る恐るギルが触れると声があの時と同じ声が聞こえてくる
「お主が本当の勇者ならば⋯⋯」
「大丈夫だよ、装備出来るから」
謎の声を遮りギルは風のブーツを装備する
「ね?」
「無事に装備出来たようだな、勇者よ。次は水の盾を探しだすのだ!」
謎の声が次の目的を言うと聞こえなくなった
「なんですかー?今の声はー?」
「知らんが、多分神か何かだろうな」
「本当に神なんているわけないでしょ!」
「僧侶が何言ってんだ⋯⋯」
ギル達が引き返そうとするのひとりの女の人が立っていた
「ん?お前誰だ?」
「フフッ、私の名前はゲリビアン!魔王様から勇者一行を始末しろとの命令があったから来てみれば、たかが人間の子供と女じゃないか!」
ゲリビアンは余裕の表情のようだ
しかし──
便秘でイライラしてたからちょうど良いわ!
と、ゲリビアンは思っている
彼女は便秘であったそのためか少しお腹が出ているような気がした
「チッ! 魔王の刺客か! なら返り討ちにしてやるぜ!」
アリシアが斬りかかろうとするが避けられる
「ふぁいやー、ふぁいやー」
ターリットもおっとりした声で魔法を放つがさらりと避けられてしまう
「が、頑張れー!」
アルナは攻撃手段がないため、応援するしかなかった
「フフッ、何よそんな攻撃ー、当たるはずないじゃなーい」
ゲリビアンが挑発する
「もう、飽きてきたしそろそろ終わりにするか」
ゲリビアンの両手に魔力が集まる
「せいやー!」
大きな魔力の塊を投げ、アリシア、アルナ、ターリットに当たる
「ぐあああああ!」「きゃあああああ」「うへぇー」
アリシアとアルナはともかく、ターリットの悲鳴だけおかしい
「さてと!あとは勇者だけ⋯⋯アレ?」
ゲリビアンが周りを見渡しても勇者が見当たらない
「ちょっと! 勇者をどこに隠したの!」
ゲリビアンの問いにアリシアが返す
「隠したも、何も、お前の背後に、いるぜ?」
「あんた、何言って──」
ゲリビアンが文句を言おうとした時
「アリシアさん達を苛めるなぁ!」
ズン!
「はぐぅぅ!」
風のブーツで足が速くなったギルのカンチョーをモロに食らったゲリビアン
「ナイスタイミングだ、ギル」
「背後を無防備にしたのが命取りでしたね」
「おぉ、すごいのだー、でも体が痛いのだー」
アルナがアリシアの手当てを終えるとターリットに急かされる
「分かったから、とりあえず動かないで!治りが遅くなっちゃうから」
「はっ!そういえばゲリビアンは?」
アリシアがゲリビアンを見ると何やら腹を抑えている
「あいつ何やってんだ?」
アリシアが疑問を持っていると
ギュルルルルルル!
突然、腹を下すような音が聞こえてきた
「はぐぅぅ!」
ゲリビアンが手でお腹をさする
「お、覚えてろ! いつか必ず殺してやるからな!」
「たく、うっせぇな! ギル、もっかいやっちまいな」
「了解〜」
ギルは風の速さでゲリビアンのお尻の下に移動すると下から思い切り突き上げる
「秘技!千年殺し!」
ズギャーン
「☆%2♪$¥〒〆!!?」
よく分からない言葉で叫び尻を抑えて飛んでいった
「ト、トト、トイレーーー!!」
「二度と戻って来るなよー!」
アリシアは一応忠告しといた
「ほら、ターリットさん治りましたよ」
「おー、本当に治っとる!ありがとうなのだー」
「治ったら早くこんな所出ましょうよ!」
「なら、私にくっついてくださーい」
ターリットに言われた通りにみんなくっつく
「じゃあ、行きますよー!『ワープ!』」
「んお?なんだ?」
「まぶしい!」
ストン
「皆さん到着ですー」
目を開くと、そこは小屋の前だった
「いやぁ、助かったよ。ターリット」
「当然ですよー、だってこれから旅する『仲間』なんですもんねー」
「えっ!もしかしてついてくるのか?」
「ダメですかー?」
ターリットは杖に魔力を溜め始める
「わ、分かった分かった! ターリット! お前は仲間だ!
だから魔力を溜めるのはやめろ!」
ターリットは仲間と認められ、ニコニコする
「分かればいいんですよー、分かればー」
ターリットは細い目でアリシアを見た
「うっ、急に寒気が」
アリシアは背筋をゾワゾワさせる
「ではー、ドルテス城に行くんでしたよねー。出口はこちらですよー」
ギル達は無事森を抜ける
〜1時間後〜
「や、やっと着いた⋯⋯」
「つ、疲れました⋯⋯」
アルナとギルはヘトヘトになっていた
「なんだなんだー? もう疲れたのかー? だらしねぇなー」
「そうですよー、だらしないですよー」
アリシアはともかく、意外にもターリットは全く疲れてなどいなかった
「なんで、ターリットはなんともないんですか?」
「長年の経験ってヤツですかなー」
「⋯⋯ターリットって歳幾つなの?」
アルナが聞いた途端、声を低くして
「⋯⋯打たれたい?」
と、今までで聞いたことないような声で言う
「い、いえ! なんでもないです! ごめんなさい! ほら宿屋にいって休むわよ! みんな!」
アルナはそそくさと宿屋に入っていった
「なんか焦ってたな」
「みたいですねー」
ターリットさんを怒らせるとヤバイ!
アリシアはアルナの急な態度にキョトンとし、ギルはターリットの急な態度にびっくりしていた
〜その頃、ゲリビアンは〜
ギュルルルルルル
「あ、あのガキィ、ただでは済まさんぞ! ムッ! またキタ! 出るぅ!」
トイレで今まで腹の中に溜まっていたブツと格闘していた
とりあえず順調に進んでると思われます
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