第34話〜秘めたる力の目覚め〜
〜リンネ神殿〜
「たしかに神殿にしちゃ、人も結構いるな」
「職業を変えてその人の潜在能力を引き出してくれるんだ、だから職業を選んだり、変えに来る人もいるってわけさ」
中央の開けたところに神官が玉座に座っている
他の人たちがチラホラと神官に近づき、話をしたかと思うと神官が何かを唱える
すると光の柱がその人を包み込む
「おぉ!これが武闘家か!力が溢れてくる様だ!心なしか体も軽くなったぞ!」
「神官様!私は僧侶を!」
「俺は戦士!」
「ワシは魔法使いが良いぞい!」
あまり外見には変化が見当たらないが、たしかに職業と内なる力には変化がある様だ
「へぇー、結構職業を変えたりする人も居るもんなんだな、じゃあミリア行ってこい!」
「分かりましたよ〜」
神官の前に立つミリア
どこか緊張している様だ
「して、何の職業をお望みかね?お主がなれる職業はこの中からのどれかじゃ⋯⋯んん!?」
神官の目が変わる
巻物に書かれた職業には不思議な力が備わっており、
職業になれるかなれないかを自動で判別出来るようになっていた
しかしミリアの場合、上級職である【賢者】になれると記されていた
「まさか、お主!遊び人を極めたのではあるまいな!?」
「えぇ、ずっとカジノで働いてたから遊び人歴は長いわよ」
遊び人は職業の中でも最弱だ
特に力が上がったり、速さも上がったりもしない
かといって魔法も得意ではない
しかし、ミリアは違った!
遊び人だが上級魔法を使えたのだ
賢者の素質を持ち、遊び人を極めたならば簡単に賢者になれるのだ
「おぉ、今時遊び人とは珍しい方も居るもんじゃ、ほとんどの人は賢者になるには僧侶と魔法使いを極めてからなるものと思い込んでおるからな、この場合かなり長い時間をかけなければいかん」
「じゃあ賢者になれるのね!」
「さよう、では目を閉じ、心を安らかに」
神官は何かを唱える
するとミリアの体を光の柱が包み込む
光がミリアに吸い込まれる様な形で消えていく
「う、ん?終わったの?特に変化はないけど」
「うむ、たしかにお主は賢者になった。特徴的な変化はないのは素質があったからじゃ」
「まぁ良いわ、ありがとう!神官のオジさん!」
アリシア達のところに戻ってくるミリア
あまりにも何も変わってないので疑ってしまう
「本当に賢者になれたのか?どうもそんな風には見えねぇけどよ」
「ねぇ、あなた達は良いの?職業変えなくても」
「俺はパス、戦士ってのが性格と合うもんでな」
「私は盗んだりしてるから盗賊だな」
「ギルくんは勇者だもんね」
ミリアを賢者に出来たのでリンネ神殿を後にする
ギル一行
しかし、その様子を遠くで監視する他の1つ目ゴブリン
「ギャギャ〜、とうとう賢者まで味方につけやがっギャ、あんまり近づき過ぎたらやられるっギャ!」
小さい羽で跡をつける様に空を飛ぶ1つ目ゴブリン
ギル一行はつけられている事も知らないで次の街へ向かうことにする
「そういや、賢者って色んな魔法使えんだろ?1つ俺にかけてくれよ」
「うーんとじゃあ、キュア!」
アリシアにいつ出来たか分からない擦り傷が治っていく
「おぉ!じゃあさ、外に向かって攻撃魔法とか撃ってみてくれ!」
「じゃあ、ファイア!」
ボッ!
「スゲーな!賢者ってのは、色んな魔法が使えて便利じゃんか」
「あ、さっきの火の玉が」
「ん?」
ミリアが飛ばした火の玉が1つ目ゴブリンの方に飛んでいく
「──ん、なんか馬車の方から火の玉がって、ギャギャギャアアアアァァァァ!!」
たまたま飛ばした火の玉に当たり黒く焼け焦げてしまった1つ目ゴブリン
そのまま地上に落下する
「なんかに当たっちゃいました!」
「鳥だろう、多分」
ギル一行はそのまま馬車を移動させていった
〜一方その頃、破壊神ベルモールは〜
「破壊神様〜大変ですギャー!」
「えぇい!騒ぐな馬鹿者!」
『一体どうしたのさ、1つ目ゴブリン』
「申し上げますギャ!偵察に出ていた1つ目ゴブリンがやられました!』
『して、やった奴は』
「はい!犯人は現在賢者に転職したミリアという女ですギャ!」
「なんと!賢者を味方にしたのか!これは本格的に破壊神を倒そうとしてますね」
『うむ、報告ご苦労。では、私は部屋に篭るとしよう』
ガチャ!
ベルモールは部屋に戻ってしまった、鍵をかけて──
「どうしたのギャ?」
「何もしたくないから、最近は寝る事多いんだ」
「ギャギャ〜」




