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勇者くんと女戦士さん+α  作者: えむえむ
第1章〜世界の平和のために〜
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第2話〜洞窟での出来事〜

洞窟に着く前に道中ではアリシアが敵をなぎ倒していた


女性とは思えないほどの速さで重たそうな剣を振る姿には迫力があった


一方ギルは──


「えい! やっ!」


アリシアが倒し損ねた魔物にとどめを刺していた


「そんな瀕死の奴らばかりじゃなくて、活き活きしてる奴も狙ったらどうだ?」


ギルの行動にアリシアは高飛車な態度で聞いてくる


「いえ、僕は攻撃力が低いので前線には立てないですよ」


「まったく少しぐらい勇者としての自覚ぐらい出したらどうだ?


やはり煽る、それは戦いのしてきた先輩だからそんな物言いになるだけだろう


確かに僕は勇者だ、でもただの悪戯好きな子供でもある


この瞬間でも、アリシアさんのお尻に不意打ちのカンチョーをお見舞いしたいところだ。

しかし僕には必ず成功させるというポリシーがある、今は我慢しよう


と、思うギルなのである。


「そ、そうですね⋯⋯」


「ん? どうした? 何か考え事か?」


口数が減ったギルに少しばかり気を配るアリシア


「いえ! 大丈夫です! なんでもありません!」


心配かけないよう少し食い気味に反応するギル


「そうか、もうすぐ洞窟に着くから怖気抱いて逃げ出すんじゃねぇぞ?」


「はい!」


二人は話し合っているうちに洞窟に着いた


「アリシアさん、ここって元々は魔物って居たんですか?」


「元々は鉱山だったらしいが、魔王のおかげで魔物が暴れ出し鉱夫達が逃げ出して、この通り魔物が住み着いてしまったという訳だ」


「ここって鉱山だったんですか?」


「あぁ、そこら中に穴が空いてるだろう?これは鉱夫達が掘り進めていたものだ。気をつけろ?物陰や隙間に身を潜め攻撃してくる魔物もいるからな」


確かにそこら中に穴が空いている

しかも洞窟内は少しだけ薄暗い、いつ襲われてもおかしくない状況だ


「まぁ、この辺の魔物はスライムとかドクドクサみたいな比較的弱い魔物しか出ないから安心だけどな」


と、魔物の話をしていると噂をすればなんとやら。アリシアが説明した通りのスライムやらドクドクサが湧いて出てきた、道中で戦った数より多い


「チッ! こんなにいっぺんに来るとはな!」


そう言いながらアリシアは剣を抜く。

ギルも役立とうと小さな剣を抜く


「おめぇは、スライムを倒してろ! ドクドクサは俺がやる!


「わ、分かりました!」


ギルは道中の時とは打って変わって、緊張が抜けたのか、次々とスライムを倒していく


「やるじゃねぇか! なら俺も負けられねぇな!」


ギルとは比較にならないほどの剣筋であっという間にドクドクサを全滅させる


「ふぅ、一丁上がり!ギル!そっちはどうだ?」


アリシアがギルの方を見るとギルは少し疲れた感じで


「大丈夫です〜」


と、返事を返す


「体力ねぇなぁ、お前は。仕方ない、少し休憩するか!」


そういうと、焚き火用に持ってきた木を床にばら撒き松明の火を近づける


「とりあえず座って休め、少ししたら奥に進むぞ」


ギルは言われるがままに、座りやすそうな石の上に座った


「まだ、親玉みたいなやつは居なかったがこの辺の魔物は全滅だ」


「親玉ってどんな見た目の魔物なんです?」


「依頼主によると、でかいスライムらしい。

なんでも小さな穴から入ってきて奥に居座ってるとか」


確かにスライムならば狭い穴の中も形を変えれば入って来られる、しかしなぜこんな場所にスライムが居座っているかだ


「スライムはなんでこの洞窟に?」


「奴らはジメジメした場所が好きだからな、陽の光も通らないこの洞窟は絶好の住処なんだろう」


魔物についてたくさん知っているアリシアに素直にすごいと思うギル


「へぇ〜、物知りですね!アリシアさんは」


「へっ!おめぇが知らなすぎるだけだ」


ギルとアリシアは適当に暇を持て余した



30分後



「さてと!そろそろいくかお前も充分休憩しただろう?」


「はい!大丈夫です!」


ギルは未だにアリシアにカンチョーが出来ない事にウズウズしていた、もし今ここでカンチョーをしてしまえば魔物に隙を突かれて全滅する可能性もあるからだ


タイミングを見計らいながらアリシアの尻を見ていると


「お?行き止まりだな」


でかいスライムが居そうな場所どころか他に通ずる道もなかった


が、よく見ると少し下に人が這っていけば通れる穴が空いている


「もしかして、この先に例のスライムが⋯⋯」


スライムなら骨がないため、無理やり体をねじ込まされば意外とこんな穴でも難なく入っていける


「だろうな、そうと決まれば!」ゴソゴソ


アリシアは先導するかのように穴に入っていく


「あ!ちょっと待ってくださいよ!」ノロノロ


急いでアリシアのお尻を追いかける


「くっ!流石に狭いな、この穴は」ガリガリガリ


アリシアの愚痴が聞こえてくる

アリシアの装備している剣や肩当てなどが穴の中を削る


アリシアは大人だから狭いという理由もあるが最大の理由は、大きな尻だ


目の前にある大きな尻を見つめるギルは


「でっけぇ〜」


と小さく言った


そして、少し進んでいると


ガッ


「ん?くっ!なんで進まねえんだ!?」ギュムギュム


突如アリシアの動きが止まる、よく見ると周りの壁から少しだけ伸びてる石に尻がつっかえたようだ


「抜けねぇ!この!動けぇ!」ギュムギュム


そう言うなり尻を横に振ったり縦に振ったり後ろに下がろうとしたり前に進もうとしたりしたがビクともしない


その様子をギルは見つめていた

尻がつっかえて動けなくなっている無防備のアリシアにカンチョーできるのはこの瞬間だ


そう思うや否や、掌を合わせ人差し指を突き出した状態にする、そしてアリシアの尻に指先を向ける。


──勿論、狙うのはアリシアの尻の穴だ


「はぁ〜!」


小さく気を貯める、全神経を指の先端に集中する

今にも抜け出そうとしてもがいている、尻を見つめる

そして動きが止まった瞬間、渾身のカンチョーをアリシアの尻の穴目掛けて放つ!


「カンチョー!!」


ズン!


アリシアの表情は一瞬真顔になる


アリシアの頭の中がフル回転する


今の音は?この衝撃は一体?この尻から来る痛みは?


小さい時に味わったこの痛み、覚えている確か名前は⋯⋯


『カンチョー』だ


その間わずか0.5秒!


そして


「──うぎゃあああああああ!?」ドドドドッ


アリシアの絶叫と共にアリシアが人間では出せない速さで進んでいった


ギルは分からないがアリシアの顔は痛みに満ちていた

ブワッ!と汗が吹き出し、あの女戦士アリシアですら目や鼻から液体を流すほどの一撃だったのだ


ギルが放ったカンチョーの一撃はアリシアの尻に伸びていた石をアリシアを通して衝撃が伝わり粉々になっていた


「よっしゃー!」


ようやくカンチョーができた喜びでガッツポーズを小さく取ったギルだがアリシアが見えなくなって焦って後を追う


ギルは思う

この狭い穴の中だ、またどこかでつっかえてるかも!


と、思っていたら、ギルからしたら幸運、アリシアからしたら不幸な事にまた尻がつっかえているようだ


「うぐぅ、尻が痛ぇ。あのクソチビ! あとで覚えてろよ!」ギュムギュム


今度は単純に穴が狭くなっているためつっかえてしまったようだ


ギルがアリシアの尻の前に来るとまたアリシアの尻がもがきだす、横に振ったり縦に振ったり後ろに下がったり前に行ったり──


その光景を見てギルは嬉しそうに先ほどの構えをする

そしてアリシアの尻の動きが止まった時

思い切り突き刺す! しかもそれに回転を加えながら!


「ドリルカンチョー!!」


ズブ! グリュ!


アリシアの動きが一瞬止まる


そして


「──あぎゃあああああああああ!?」ドドドッ


回転が加わり、さらに深い一撃を喰らうアリシア


アリシアがドリルカンチョーの衝撃で進むとアリシアが下に落ちた


「出口か⋯⋯」


カンチョーはもう出来ないのか、肩を落とす


狭い穴の出口は少し上にあった、下には頭から落っこちてピクピクしているアリシアがいる、尻にはカンチョーの跡がくっきりと残っていた


「よっ!」スタッ


アリシアを尻目に周りを見渡すとスライムは居ないが宝箱のようなものが見える


「なんだ?あの宝箱」


ギルが宝箱に近づこうすると後ろにいたアリシアがむくりと起き上がる


「てめぇ! ギルこのやろう! さっきはよくもやってくれたな!」


尻を抑えながら怒鳴るアリシアに軽く謝ると、意外にも許してくれたが、


ゴスッ!


頭を殴られた


「んで、あそこにある宝箱はなんだ?」


「開けてみます?」イテテ


頭にたんこぶを作りながら返事を返すギルに、アリシアが聞く


「例のスライムは居ないみたいだが?」キョロキョロ


アリシアも周りを見渡すがでかいスライムは見当たらない


そんな中ギルが宝箱に近づく

それを追うようにアリシアも宝箱に近づく


「何か貴重なものでもあるんですかね?」


「さぁな、開けたら分かる!」ガチャ!


アリシアは勢いよく開ける


中には赤く光るガントレットが入っている


「なんだこりゃ? 見た感じガントレットのようだが」


「装備しますか? アリシアさん」


「そうさせてもらうぜ!」


アリシアはガントレットを装備するため持とうとすると何故かガントレットは燃え出した


「アチャー!? なんだこのガントレット! 急に燃えだしたぞ!」


「なら僕が」


ギルが持とうとすると声が聞こえる


「お前が勇者か、お前が本当の勇者ならばその炎のガントレットを装備出来るであろう──」


声の主が誰だか分からないが忠告を無視してギルがガントレットを装備すると


「──お前が誠の勇者だ、ギルよ。魔王を倒すべくあと3つの装備を集めるのだ!」


そう言うと声の主の声がパタリと止んだ


「ギル?なんだったんだ今の声」


「さぁ、僕にもさっぱり」


アリシアは先程のガントレットを持った時のことを思い出し、キレる


「てか、なんで俺が持とうとするときに言ってくれねぇんだよ!」


「そ、そんなの僕に言われても困りますよ」


と、今起きたことを話していると後ろからドロドロの液体が飛んできた


液体はアリシアとギルの尻に当たる


「冷てぇ!だ、誰だ!そこにいるのは!」


そこに居たのはでかいスライムだ

攻撃の正体はでかいスライムだったのだ


「チッ!こいつが親玉か!」


「卑怯だぞ! でかいスライム! 不意打ちで攻撃してくるなんて!」


「お前が言えることか! 不意打ちで俺にカンチョーしたクセに!」


ギルのセリフにツッコミを入れてしまうアリシア


ギルが怒鳴られるとアリシアの尻を見る

それを見たアリシアはすかさずお尻を隠す


「そ、そんな事より目の前の敵に集中しましょうよ!」


「そ、そうだな!」


アリシアは剣を抜き、でかいスライムを斬りつけるが、


「こいつ!効いてねぇぞ!」


でかいスライムの身体はスライムよりブヨブヨな為攻撃を吸収してしまう


「一体どうすれば⋯⋯ん?」


ふと、装備したガントレットを見ると赤く光っている

先程の会話で確か『炎』のガントレットと言っていた


まさか──


試しに右手に少し力を入れるとちょっとだけ火が出た


「これをアイツに当てれば!」


ギルはガントレットをでかいスライムに向ける


「アリシアさん、隠れて!」


「分かった!」


アリシアはギルの命令通り物陰に隠れる


でかいスライムはこちらを標的にしたのかジリジリと近づいてくる


ギルはガントレットに力を込める


「はぁ!」


ガントレットから火の玉が発射される


でかいスライムは避けられずにぶち当たる


シュー


でかいスライムだったものから湯気が出ている

溶けてしまったようだ


「やったな!ギル!」


「こんな凄いものがあったなんて」


「あぁ、俺も知らなかったから、多分最近見つかったものだろう。

おそらく魔王が勇者の資格を持つものが装備を取りに来た時に殺すためにあのスライムをここに呼んだんだろう」


ギルが殺すと言うワードに冷や汗を垂らす


「まぁこっちとしちゃ、お前は勇者の装備を手に入れたし。

俺は報酬を手に入れられるし、一石二鳥だな!」


と、ここでギルは


「か、帰りはどうするんです?」


「あそこはもう通りたくないからな、これを使うか」


ギルを睨みながら、アイテムを取り出す


アリシアが袋から取り出したのが『抜け道の鏡』と言うものだ


「これを使えばダンジョンから抜け出せる事ができる、ここもいわゆる『ダンジョン』だから行けるだろ」


「使い方は?」


「そんな事も知らねぇのか?まったく、これの使い方は簡単だ。

俺たちが映るように鏡を見る。するとそこは洞窟の外って訳だ」


何故鏡を見ただけで外に出れるのか疑問だがそんなことはどうでもいい早く外に出よう


「じゃあ早く出ましょう!」


「出るから、もう少し顔近づけろ!」


鏡にはギルとアリシアの顔が映る


ギルたちの周りが光に包まれる


そして、目をパチクリさせるとそこは、洞窟の外だった

長く書きすぎたかな?

あと壁尻タグは這っている最中に尻がつっかえる時の描写なんだけどもっと具体的なタグは無いのかな?

多分結構長続きしそう、カンチョーもまだ出るよ!


最後の抜け道の鏡は、ポケモンとかにある『あなぬけのひも』を参考にしました

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