第19話〜打倒!ホブゴブリン!〜
〜アルエ山から出た少し先の平原にて〜
「クソ〜!偉い目にあったぜ。」
「しょうがないじゃん、あんな所に大きなお尻があったら、ゴブリンだってやりたくなるよ」
ギルは指をカンチョーのポーズにしながら反論する
アリシアはなんでこうも被害に遭うのが尻ばかりなのかつくづく疑問に思っている
「それで、次はどっちに行くんだ?」
ギルは地図を見て水辺のあたりを指差す
「ホフゴブリンがいると思われる水辺の辺りを目指そう」
「この場所は確か俺たちが最初に行った洞窟の近くだな」
アリシアは懐かしいなと思い出を漁るがギルにカンチョーされた事しか思い出せなかった
なぜカンチョーされた事だけ覚えているんだと後悔してしまった
思い出してしまったせいで心なしか尻の穴が痛んだ
道中ではルビスがアリシアが回復係をルビスに頼っているため
『戦士なら守るだけではなく癒すことも大事だ』
と、せめて回復魔法だけでも覚えさせようとしたがなかなか上手くいかなかった
それでもヒールだけは覚えることが出来た
ヒール:回復系魔法で僧侶が最初から覚えている魔法
切り傷や擦り傷などのちょっとした怪我を治す
際に使われる
「よし、物は試しだ!ギル、その辺でこけて怪我しろ」
「なんて無茶苦茶な要望なんだ! 断る!」
揉めている内に取っ組み合いとなり、アリシアの隙をつき尻に一発決めるギル
ズニュ
「あふっ!」
返り討ちにあってしまったがルビスに早速怪我を癒してみろと急かされる
アリシアはヒールと唱えると僅かながら尻の痛みが薄れていく
「たしかに痛みは引いたが、あんまり効果は無いな」ジンジン
『まぁ、薬草一個分の回復力程度だからな』
そんなやり取りをする内に水辺までやってきた
水辺というより大きな池な感じもする
アルエ山から流れ出た地下水がここで溢れて溜まった水は透き通っておりここで育てているのか魚なども泳いでいた
水辺の周りを歩いていると集落があった
あまり大きな集落では無いがゴブリンらしき魔物が生活していた
「ねぇ!そこの『ゴブリン』さん!ちょっと話がしたいんだけど」
急な訪問者に驚く『ゴブリン』らしき魔物は桑を持ち麦わら帽子を被り白い下着を身につけ、いかにも農家の様な格好をしていた
『ナンダベ!?アンタら?オラたちの集落に来て。それとオラたちはゴブリンじゃなくて『ホフゴブリン』ダッペ』
そんな細かいところなど正直なところどうでもいいのだが、刺激させない様に謝っておく
『それで話って?』
カクカクシカジカ
『ナニィ?オラたちがアルエ城に悪さしてるダァ?』
「情報だとゴブリン種なのはわかってはいるのだがどの種なのか分からなくてな聞いて回っていたところだが」
ゴブリンとホフゴブリンは危害を加えた事が無いと言った、となると残るはホブゴブリンだけだ
「ありがとう、失礼──『チョット待つダ!』
呼び止められるアリシア達
『おめぇさん方、ホブゴブリンの居場所分かるんだか?』
「すぐ近くの森じゃないの?」
『確かにスグそこだが、正面からじゃムリだ。ワシらなら元々アソコにいたから裏から入れる場所を知っている、どうじゃ情報をやる代わりに一つ頼みを聞いてくれンカ?』
ルビスによるとホフゴブリンが言ってるアソコに居たとは元々同種族として生活していたがホブゴブリンが悪さをするため嫌気がさして抜け出した種がホフゴブリンと名乗る様になったという、濁点は汚い物と言われることがあるため『ブ』から『フ』に変えたらしい
「なんで『ゴ』ともう一個の『ブ』の濁点も取らなかったんだ」ボソッ
「知るかそんなこと」ボソッ
変なところに疑問を持つが腹それだとゴブリンじゃなくなるんじゃないかなどと思ってしまった
『で、頼みとはなんだ申してみろ』
農家らしきホフゴブリンはアリシアを見ながらモジモジする、明らかにスケベジジイの目つきだ
「なんだ? 俺を見て? 早くしてくれ」
『オラの頼みってのはアリシアちゃんのそのお、お尻を触らしてくれってことなんだケド』
アリシアの目が丸くなる、顔が次第に真っ赤になっていくまるでりんごの様に
「こ、この!スケベジジイ!頼み事ならそれらしいものを言え!ただの欲求不満じゃねぇか!」
「アリシア!頼まれてよ!バーテンダーの依頼を破棄するわけにいかないでしょ!?」
「だ、だからって〜」ウルウル
珍しくアリシアが泣き目になっている
大人しかもお爺さんの魔物ときた、2人になったら襲われる可能性もある
もっともアリシアなら余裕で勝ちそうだが──
「分かったよ、僕たちが外で待ってるから。何かあった時は悲鳴あげねよ、その時は全力で助けるから」
もう、アリシアの目には光などなかったホフゴブリンのお爺さんに連れられるままに家に入っていった
20分後
『えがった〜、やっぱり20代のぷりっぷりなお尻はええなぁ』
何があったのか聞くとアリシアのお尻に顔を近づけられ、揉みしだかれただけで済んだのだという
だけって言えるのか?
『頼みは果たしたぞ。裏からの侵入はどうすればいいのだ』
『それならオラに付いてくるだ!予想を遥かに超える尻だったモンだから、特別に一番安全な侵入場所に連れてってやるダヨ』
森に入ってから数十分後
『ここから侵入できるダヨ』
「見たところ何もないぞ?」
ホフゴブリンのお爺さんは立てかけてある木の板をどかす、木が腐っているのか人が1人通れる穴が開いていた
「こんな場所から侵入できるのか、案外警備は薄そうだね」
『気をつけるダヨ、奴らはオラ達の魔物や人間達にも危害を加えるとんでもないゴブリン族ダッペ。あの魔王様でも手を焼いて困ったらしいダヨ』
目の前に魔王がいるのに気がつかないとは、見たこと無いのでは?と思ってしまった。ルビスも気にも止めていない様だ
1人ずつ通っていく中やはりアリシアはつっかえてしまった
「なんで俺だけ!ふぬぬ!」
その後ろでは興奮してるホフゴブリンのお爺さんの声が微かに聞こえる
『やはり、最高の尻ダッペ〜!大きな尻は期待を裏切らないダヨ〜』
「もうちょいで、抜ける。おわっ!」ドテッ
勢いよく抜け地面に顔から落ちる
抜けた穴からは興奮して汗をかいているホフゴブリンが見える、おぞましい
「ほら、何ボーッとしてんだ行くぞ」
『オラはここで待ってるからさっさと済ませてくるだヨー』
〜ホブゴブリンの集落内〜
「おらぁ! 食らいやがれ!」ザシュ、ジャキーン!
「えい!このぉ!」ブン、スカッ
『フン! ハッ!』ドゴ!バキ!
アリシアは素早い動きで剣を振るう、ホブゴブリンの体はたちまち真っ二つになっていく
ギルは剣を振るうも空振りばかりであまり当たっていない
ルビスは目にも留まらぬ正拳突きで体を貫通させる
ホブゴブリン達と話し合いをしようとしたら、殺意に満ち溢れた顔で武器で切りかかってきて、戦いになってしまった。それに応えるように戦ったが数だけ多いくせにあまり強くなかった
「ふぅー、これでクエストクリアだな」
「レベルが上がったような気がします」
『空振りしていただけのようだが?』
グサッとくる物言い、否定はできなかった
『あれまぁ! まさか本当に倒してくるタァ、やるなアンタら! しかもこんな短い時間で』
お爺さんは嬉しそうに話してきた
これで安心して農業を専念できるそうだ
「ありがとね、道案内までさせてもらって」
『良いだよ、お礼なんて。またお尻を見せさえすれば⋯⋯』
そんな返しにアリシアは
「──丁重にお断りするぜ」
すかさず冷めたように返す
お爺さんは涙を流しながら畑を耕し始めた
「それじゃ行くか⋯⋯じゃあな爺さん」
アリシアは聞こえないない声で言った──
長くなっちゃったかな?
セリフシーンが多い気もしてきたので出来るだけ少なくしていきたいと思います




