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003 いざ!王都。

それから2週間余り、俺は悠々自適な生活を送った。


毎日毎日遊び惚けたが、まだ、お金は700万セルくらい残っている。


いや、いざ使おうとすると何に使ったらいいのかわからない。


パっと使える何かがあればいいんだが意外とそんなものが無かったんだ。


そして今日はいよいよ、ブレイズさんに教えてもらった魔導師さんのおたくで、魔法を教えてもらう日だ。


期待に胸が高まる。


当たり前だが魔法なんて使ったことないからな。


それにしても2週間は長かった。


じゃあ、他の人に聞けばいいと思うかもしれないが、この世界にはそもそも魔法が使える人が少ない上に、使える人も感覚で使っているため、教えてもらうのは困難だそうだ。


しかし今から会いに行く人は、魔術について研究しているため、論理的に魔術について教えてくれるらしい。


それにしても、ブレイズさんは何者なんだろうか?


ただのギルマスにしては顔が広すぎる気もする。



まあ俺には知る由もないが。



そんな風に、考えていると俺を送ってくれる馬車がやって来た。


因みにこれも、ブレイズさんの手配してくれたものだ。


やはり優しすぎる。



馬車に揺られておおよそ半日。


おい待て、長い。長すぎる。


まあそれもそのはず、今から向かうのは、この国で一番栄えている国、すなわち王都。最初にいた町から二つも離れた街へ向かっているのだから当然時間も掛かる。


てか、これでも一番いい馬だから、めちゃめちゃ早くこれてるらしい。


流石はブレイズさん。


ぬかりない。


そんなことを考えていると、目の前には大きな城が見えてきた。


とても綺麗な、西洋風の、お城だ。


まあ、これで和風だったら困るけどな。



そんなこんなで王都の中を馬車で散策する。


家を目指してるだけだが。


そうして、しばらくして、馬車が一件の家の前で止まった。


どうやらついたようだ。


その家を見て俺は絶句した。


なぜならその家はあまりにも大きかったのだ。


辺りの家もそこそこでかいが、これはそれの4倍はある。


一体どんな大金持ちなんだろうか?


てかこれ、家を間違えてませんか?


しかし、運転手さんは、その家の門を叩く。


ああ、やっぱりここなんですね。


わかります。


そんな音に気がついたのか、中から13、4歳の少女が出てきた。


娘さんだろうか?


その子が俺を手招きする。


そんな子に連れられて、俺は家の中へと入って行った。



「始めまして、カワサキさん、私の名前は、アリス、アリス=レイダースです。この家の主です!」


家に入って客間を通らされると、少女が挨拶をしてくれた。


俺も、挨拶をって、え!?


今この子なんつった?


この家の主とかなんとか。

この家の主って、主だよな?


てことは、この子に魔術を教えてもらうのか?


そんな俺の考えが、顔に出ていたのか、説明を始める少女。


「ふふふ、驚かれてるみたいですね?でも、この私が巷で、可愛すぎる魔術研究家と呼ばれる、アリスちゃんですよ?」


「ま、マジですか。ところで年齢は?」


「会ったばっかりの女の子に年を聞くなんて、失礼ですよ?でも特別に答えてあげます。私はピッチピチの70歳です!」


「ん?今なんて?」


「もう!耳悪いんですか?ダーカーラー、私はピッチピチの70歳ですって!あ、もしかして、カワサキさんってエルフに会うのは初めてですか?実はエルフって普通の人間の5倍くらい生きるんですよ、だから、小さいからって子供扱いされるんですよ?」


なるほど、要するに、ロリババアであって、合法ロリってことか。


こんな情報を地球のネトモに教えたら、きっとこっちに来たいってゆう奴多いんだろうな。


そんなことを考えながら、俺はひとつ疑問に思ったことを聞く。


「寿命が5倍ってことは、その分成長速度も5分の1?」


「いえいえ、そんなことはありません!私たちは、魔法で年をとるのを遅らせてるだけなんで、子供の頃は、普通に成長して、有る程度のとこまで来たら、成長を遅らせるんです!つまりは、若い時間が長いんですよ!でも、子供じゃないからって襲っちゃダメですよ?」


そう言って彼女は、体を隠す。


でも、安心しろ。俺にはそんな趣味はない。


てかこの説明だと、どこぞの戦闘民族と勘違いしそうになるな。


「まあ、それはともかく、早速私に魔法を見せてください!」


そう言うと、アリスさんは、机の上に例の水晶を置いた。


本当これどこにでもありますね?流行ってるんですかね?


まあ、それはともかく、と俺は水晶に手を載せる。


すると、もはやおなじみの光景が起こる。


その魔法を見てアリスさんは、うんうん頷いている。


何か分かったのだろうか?


流石は自称、巷で噂の可愛すぎる魔術研究家なだけはある。


そんなアリスが顔を上げる。


もう読み解けたのか。


やっぱり自称じゃなかったのかもしれない。


「すみません。私も見たことありませんね?ご期待に添えなくてすいません。」


読み解けてへんのかい!


あのウンウンはなんやったや!


思わず俺の関西魂が突っ込んでしもうたわ!


いや、まあ俺のは関西の血なんて一滴も入ってないけど。


今のはエセ関西弁だ。


関西の皆様すいません。


「えっとじゃあどうすれば?」


「まあ、わからないのは私だけです。おそらく、カワサキさんには心当たりがあると思いますよ?」


「へ?俺に?」


「はい、!そもそも魔法と言うのはその人が強く思い描いていることが魔法として昇華するらしいんです。なので、幼い頃から、継続して好きだった何かが今の魔法に関係にしてると思うんですよ!」


「俺がずっと、好きなことか。」


「何かありますか?」


俺がずっと、好きだったこと、それは・・・


そういえば、小さい頃は天才指揮者なんて言われてたな。


あまりいい思い出じゃないけど・・


「ひとつ、思い当たることがある。」


「なんですか?多分、それに当たるアクションや、言葉に魔力を載せて放つことで効果が発揮すると思いますよ?」


「はぁ魔力を載せて、ですか。まあ俺の場合は多分音楽なんで、やりやすいのかもな。」


「ん?オンガク?音楽ってなんですか?」


「なんですか?って言っても音楽は音楽だよ?ほらリズムに合わせて歌ったり踊ったり?」


音楽知らないとか、アリスってもしかして魔法バカ?


「リズムってなんですか?ウタが詩なのはわかりるけど?これでも結構、知識を持ってるはずだけど?」


あれ?もしかして、音楽って本当に無いの?


それじゃあ誰もスキル見てもわからないよな。


ていうか、職業に思いっきり音楽って入ってた。


俺は馬鹿か。


とにかく、まずは、アリスに音楽を教えるところからか・・・














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