1-5 ほんと今日は厄日だと思う
どうも俺氏穴に落ちました。
落ちた先にクッションが敷き詰められてたお陰で何とか無事ですはい。
正直死ぬかと思った。
俺、人生で何回死にそうな目に合えばいいんだろうか・・・・・・・・。
一先ず此処から出たいのだが、戻ろうにも結構深くまで落ちたみたいで戻れなさそうだ。
さてどうするかと見渡してみると・・・・・・
出口はこっち→
と看板があった。
その看板の矢印のほうを見るとちゃんと道がありましたよ。
とりあえず俺はそっちに進んでみようと思う。
結構歩いたんだがまだ道が続いている。
どれだけ続いているんだと思いつつ歩いているとポチッっと音がした。
どうやら足元に何かしらのスイッチが合って踏んでしまったようだ。
何のスイッチだと思っていたら後ろからゴロゴロと大きな音が近づいてきた。
まさかお決まりのあれなんて無いだろうと思いつつ、後ろを振り返ると・・・・・・・・。
えぇありましたよ。大岩がこちらに転がってきたのだ。
いやいやこれは確実に死ぬって!俺はとりあえず全力疾走で駆けるのだった。
一生懸命走っていると目の前にまたもや看板が見えてきたその看板にはこう書いてある。
←安全地帯はこっち
それを信じて俺は矢印の方向に飛び込んだ。
その数秒後岩が横を転がっていった。まじギリギリだった。
とりあえず息を整えて周りを見渡すとまた看板がありその横にははしごもあり看板にはこう書かれていた。
生徒会のおうちはこの上
いや、うんそのままの意味なんだろうけど、生徒会に家あるのかこの学園。
もうなんでもいいやと思いながらそのはしごを上るのだった。
兎も角はしごを上るとそこに広がっていた光景は・・・・・・・・。
普通の家の廊下だった。
周りを見渡してみても完全に家だ。
普通に玄関もあって、2階に続く階段もある。
恐らくリビングがあるであろう部屋は明かりがついているので人はいるのだろう。
とりあえずそこに入ってみる事にする。
扉を開けてみたら極々普通のリビングがあった。
ソファーがあり、テーブルもあり、テレビもある。
キッチンには1人の女の人が料理をしていた。
「だれ?ふうちゃん?」
扉の開く音で気付いたのだろう、そう言いながらこちらに振り向く。
振り向いた彼女と目が合う。
「キャー、侵入者!!!!」
と叫び持っていた包丁をこちらに投げてきた。
俺は咄嗟の出来事に反応できなかったが、幸い包丁は横の壁に刺さった。
死ぬかとおもったよ。
「まてまて、俺は怪しいものじゃないって!生徒会室から穴に」
弁明をしている最中、彼女の叫び声を聞いてか2階からこちらへ足音が近づいてきて・・・・・・・・。
「必殺のぉ〜ふうちゃんキック!!」
と言動も子供っぽい声が聞こえたと同時に俺は背中を思いっきり蹴られて前に倒れた。
「侵入者はふうがやっつけたのだ〜!」
「ありがとうふうちゃん!」
倒れているとそんな会話が聞こえてきた。
俺侵入者じゃな・・・・・・・侵入者なのか?
俺が自問自答していると。
「何?朝から騒々しい。私まだ眠いんだけど。何やってるの?」
っと欠伸交じりに別の人物の声が聞こえてきた。
痛む背中を摩りながら起き上がってみる。
そこには先ほど料理していた人に加わり。中学生くらいの女の子(恐らく蹴ったのはこいつだろう)パジャマ姿の普段は凛々しそうな女の人がいた。
「あ、侵入者まだ襲ってくるのだ!」
「襲わねぇよ!生徒会室から落ちてここにたどり着いただけだ!!」
「侵入者じゃないのですか?」
「だからちげぇ!」
とパジャマ姿の人以外と問答をしていると。
「ふぁ~。今日は入学式じゃなかったかしら・・・・・・・!?」
パジャマの子が欠伸交じりにそういうと、途中で目が覚めたのだろう、ぽけーっとした顔からキリっとした顔つきになってダッシュで2階に戻っていった。
急のことで3人とも唖然となっていると、制服姿になって戻ってきて開口一番。
「先ほどの事は忘れなさい。いいですね?」
っと物凄い笑顔で言ってきた。
俺は、はいと頷くしかできなかった。
「ふう、なお、この人は侵入者じゃなくて新入生よ。」
着替えてきた子は残りの二人に説明をすると二人は、「あぁなるほど」「紛らわしいのだ」等言って納得した。
「とりあえず自己紹介をしましょう。私はこの学園の生徒会長を勤めている、夢園愛学年は3年よ」
生徒会長だったのか。
身長は170くらい、髪はセミロングで綺麗に手入れされている。
先ほどの寝起きと違って、凛々しくまさに生徒会長って感じだ。
出会いが最初からこの姿なら俺もあこがれていたのかもしれない。
「次はふうがやる〜!えっと〜名前は伊吹風会計をやってるの〜これでも高2なんだからね!」
中学生くらいと思っていたが高2だったのか。
というかこんなのが会計って任せれるのだろうか。凄く不安だこの生徒会。
身長は恐らく150くらい、髪はツインテールであどけなさが残る顔には良く似合っている。
見た目もさながら言動もあれなので、手のかかる妹って感じの印象だ。
「先ほどは気が動転してしまいすみませんでした。私の名前は水神奈緒書記を務めてます。学年は風ちゃんと同じ高2です。」
包丁を投げてきた時は焦ったが、悪い人ではなさそうだ。
身長は165くらいだろうか、髪型はロングで後ろに1本で束ねている。
優しい感じがするいかにもお姉さんって感じの印象がある。
包丁を投げたくらいだから少し抜けているのかもしれない。
「俺の名前は白影勇一、わけのわからないまま入部届けを白紙で書いたら生徒会に入ることになって、生徒会室に行くと穴に落ち、たどり着いたのが此処だったんだが、色々説明も求む。」
俺がそう言うと3人は少し驚いた表情になったが、説明をしてくれた。
生徒会に入る事になったのはやはり先生の言うとおり、白紙で出したことが原因らしい。
何とも迷惑な話だ。そして此処は、生徒会室兼生徒会の家みたいだ。
生徒会メンバーは寮ではなくここに住んでいるらしい。
元々生徒会メンバーがここに代々住んでたのだが、過去の生徒会で生徒会室からここに移動が面倒と言う事で、あのギミックをつくり、どうせなら家で生徒会の仕事やればいいじゃないと言う事で。あのように何もなかったらしい。
それからは生徒会室から落ちてここに来るのは新人への悪戯に変わっていったのだと言う。
その悪戯で死に掛けたんだが・・・・・・。
因みにこの家にはもう1人住んでいるらしいが今は外出中との事。
恐らくその人が副会長なのだろうと思う。
そんな話を先ほど水神先輩が作っていた料理を皆で食べつつ話を聞いていた。
昼御飯を食べ終わりみな一息ついたところで会長が口を開く。
「とりあえず、貴方には少しだけ書類整理を手伝ってもらいます。いいですね?」
あれ?聞き間違いじゃなかったら今「いいですか?」じゃなくて「いいですね?」だったような・・・・・・。
「これはあれですか拒否権無しですか?」
「勿論です。資料を取ってくるのでテレビでも見て待ってなさい。風と奈緒は手伝いなさい。」
水神先輩は二つ返事で伊吹先輩は「えー」と言いながらしぶしぶついていった。
取り残された俺は言われたとおりテレビでも見て待つことにしよう。
テレビでは丁度お昼のニュースをやっていた。
ニュースの内容はこの頃多発している誘拐事件と最近ネットで騒がれている人影についてだった。
まず誘拐事件の内容はこうだ。
被害者は総じて若い女性で、誘拐されたと思われる現場には、被害女性の衣類と持ち物が乱雑に置かれていて血痕もあることから、警察では殺人の可能性も考え調査しているらしい。
ほんと物騒な事件でしかも最近の被害者はこの街の近くで起きているようだ。
これ以上被害が出ないために警察には頑張ってもらいたい話だ。
もうひとつのネットで騒がれてる人影っていうのはこうだ。
なんでも夜に家の屋根から屋根へ走り去っていく人影が目撃され撮影もされているらしい。
屋根から屋根に飛び移るとかどこの怪盗だよと言いたくなる。
そんな事が人に可能なのだろうか?
撮影された人影は獣の耳と尻尾をつけていた。
複数の人物が目撃していることからネットでは、身体能力が凄まじいコスプレの変態だという意見と狼人間が出現したという意見が出ているようだ。
まぁ恐らく前者だろうと番組では結論づけてた。
正直誘拐事件の後にこのニュースは正解だとおもう。すごく和んだわ。どうせ集団でのやらせだろ?
そうこうしていると結構な量の資料を持って3人が現れた。
「待たせたわね。少々量があるけど4人なら5時には終わるでしょう。」
っと言いながら会長は持ってきた資料を4等分していく。
机に置かれた資料の高さは座った時の目線と同じ高さなんですが・・・・・・・・・。
これまじで5時におわるのか?因みに現在1時30分である。
「古いのを下になるように日付順に並び替えてくれたらいいから。はい、はじめ!」
その言葉と同時に過酷な資料整理が始まった・・・・・・・・・。
結論を言えば終わったよなんとかね。
途中伊吹先輩が「飽きた!!!」と言って逃走したのを捕まえたりと一悶着があったが、無事5時には終わった。
我ながら良く出来たと思うよ。
「ご苦労様。私達これから用事があるから貴方は帰っていいわよ。あ、明日朝8時にここに来なさい。」
そう言うと会長は部屋を出て行った。
それに続いて「それでは、また明日に」と水神先輩が「じゃあねー」と伊吹先輩が言い部屋から出て行った。
唐突な出来事に少し呆気に取られてしまったが、もう疲れたから言われた通り帰る事にする。
帰るといっても、来た時は穴に落ちて来た訳でどうしたら良いのだろうと思っていると。
「普通に玄関からかえりなさい。靴は靴箱に入ってるサンダルでも使いなさい。誰も使ってないのがいっぱいあるから適当に使えば良いわ。」
っとタイミングよく2階から会長の声が聞こえてきた。
俺の行動が読まれてる!?いや想像付くだけか。
そう言う事みたいなのでどうやら帰れそうだ。
とりあえずありがとうございますと礼を言い、俺は玄関を出た。
玄関を出たのはいいが、此処どこだよ・・・・・・・・・・・。
家の周りは木だらけで辛うじて校舎が見えるので、そっちに向って歩けば戻れるだろうと思い歩いていくのだった。
ほんと今日は厄日だわ・・・・・・・・・。
ここまで読んで下さりありがとうございます。
感想や誤字脱字、意見なんかもありましたらバシバシお願いします。