魔剣姫は塔王様と謁見?する。
へー、マルティウス塔王って意外と若いんだね。
ところで、隣の疲れてるピンクの髪の美女は誰さ?
「取り込んでまして失礼しました。」
マルティウス様は言った。
「…まったく、無限体力なの?」
隣の女性がぶつぶつ言ってる。
「お忙しかったようですね。」
越郎さんが言った。
「ええ、実は、結婚する事になりまして、この松本ルナと。」
塔王マルティウス様が満面の笑みをうかべて言った。
「そうですか、おめでとうございます。」
越郎さんが言った。
「おめでとうございます。」
私は言った。
「…かっこい…、私の王子様はあなたかもしれません。」
女性がウルウルした目で言った。
婚約者の前で言うことじゃないよ。
「私はニーシェル王女の婚約者ですので。」
越郎さんが言った。
「私は越郎…孝政様の婚約者です。」
私は言った。
「リアルボーイスラブ?ボーイズラブなの?」
違う感じに女性は目を輝かせた。
リアルボーイズラブってなにさ?
「ルナ、後でお仕置きだよ。」
マルティウス様が妖しく微笑んだ。
わー、怖い。
「失礼しました、異世界より来たばかりで常識を知らないんです。」
マルティウス様が言った。
「いいえ、それよりも、新婚旅行はどちらのご予定ですか?」
越郎さんが言った。
「クレシア芸術国がいいわ、普通に旅行したいわ。」
ルナさんが言った。
「クレシア?シグルトに会いたいの?」
マルティウス様が言った。
「ええ、もちろんよ、私の王子様ですもの。」
ルナさんが言った。
この人マルティウス様の婚約者なんでしょう?
なんでこんなに気が多いのさ。
「シグルトは君の同僚の王子様だよ。」
マルティウス様が言った。
「私の同僚?誰よそれ?」
ルナさんが言った。
「おや、気がついてなかったんだね、シグルトの話によると、ちかさんって言うらしいよ、シグルトは彼女の王子様になりたいそうだ。」
マルティウス様が言った
「ええ?ちか?誰よ?私の同僚?」
ルナさんが言った。
「ちか・アイカワって言ってたかな?」
マルティウス様が言った。
「ええ?あの地味な機能訓練師の相川さん?なんで、シグルト様がそんな人の王子様になりたいのよ!」
ルナさんが言った。
おいおい、客はほっとくんかい。
「新婚旅行方々確かめにいこうか?」
マルティウス様が人の悪い笑みを浮かべた。
「そうね。」
ルナって人、まわりが見えてないのかな?
「その新婚旅行に古代カータシキ魔法塔国の遺跡なんていかがですか?」
越郎さんが言った。
「古代カータシキ魔法塔国の遺跡?あれは入りづらいんだよね。」
マルティウス様が言った。
「ええ、船ですね、現状は。」
越郎さんが言った。
「ラーガラース烈王国の方から行ければ楽なんだよね。」
マルティウス様が言った。
「ええ、ぜひ、一緒に観光でもうけませんか?」
越郎さんが言った。
なんか商人みたいだよ。
「カータシキ魔法塔国発祥の地をいきやすくしませんか?」
つづけて越郎さんが言った。
「......うーん、あの企画さ、僕はいいと思うんだよね、もう、一度議会にかけてみたいんだけど、孝政様も出てくれないですか?」
マルティウス様が言った。
わー、すごいや、越郎さん。
私は越郎さんの手を握った。
「リアルボーイズラブよね、萌えるわ。」
ルナさん呟いた。
だから、リアルボーイズラブってなにさ。
「ニーシェル様は切れやすいらしいから、参加しないでくださいね。」
マルティウス様が言った。
悪かったね。
『感情も押さえられないの?』
って母ちゃんに高笑いされちゃうよ。
「け、ニーシェル、観光しててくれ。」
越郎さんが言った。
わーん、信用ないよー。
やっぱり、戦場じゃないと、
私役にたたないのかな?
そんなの嫌だよ。
平和バンザーイなのにさ。
越郎さん頑張ってください。




