魔剣姫は議会に出る
わー、あの人もこの人も知り合いだよ。
どうして今さら求婚なんてするのさ。
女性もまじってるしさ。
「ニーシェル様、よくおいでくださいました。」
議会に出ました。
普段あんまり出ないんです。
母ちゃんがいるからね。
「なぜ、ムリュフ精霊国の若君まで一緒なのですか?」
議長が言った。
部外者は入るんじゃねぇって感じに。
「あら、孝政様はニーシェルの婚約者だものいておかしくないわよ。」
母ちゃんが言った。
「そのけんですが、議会と致しまして、ムリュフ精霊国と婚姻する事は有益でないと判断いたしました。」
議長が言った。
あー、議長のデナエレさん、強いんだわ。
戦闘能力じゃ無くて気がね。
「え、孝政様~。」
あー、越郎さんってよびかけたよ。
えーと、イチャイチャなんだから抱きつけば良いのかな?
「けん?」
越郎さんが戸惑ったように言った。
けんじゃなくてニーシェルでお願いします。
「ニーちゃん、技かけちゃ駄目だよ、いくらいやだからって。」
聞き慣れた声がした。
一応、越郎さんの服の裾握ってから振り向いた。
「ラナタさん、私、イチャイチャしてるんですけど。」
私は言った。
「ええ?技かけてるとしかみえないよ。」
ラナタさんは言った。
おーい、どこどうしたら技なんやー。
「技かけてるやん、ニーシェルはん、そないにやなら、うちの嫁になりぃ。」
ギアムシュ竜連邦から、じいちゃにさそわれて移住したマルセナさん(男性、竜人)が言った。
「抜け駆け禁止よ、ニーシェル!私も立候補したからね、私、あんたの花嫁になるから。」
幼馴染のキーハが言いやがった。
良い女なんだから男性にアピールしてよ。
こいつも強いんです、戦場でひろの次に背中をあずけられる女です。
「僕の方がいいよね。」
ラナタさん、あなたもですか?
この人は文官で学校の課題をよく見て貰ってました。
やさしいお兄ちゃんだと思ってたのに…。
「ニーの夫は私がなりますので、安心して退場して結構です。」
わー、でた…この人は予想の範囲内だよ。
うちの大魔法使いです。
今回のムリュフ行き前から恐ろしい事に
「ニーは私と結婚することになってますから、行く必要はありません。」
って邪魔されそうになったんだよね。
魔法の師匠です。
ちび幼児時代に
『師匠のお嫁さんになる~。』
って言ったらしいです。
『魔法使いにそれは不味いわよ、でもなんとかしなさいね。』
って母ちゃんに高笑いされずに言われた時は本当にどうしようかと思ったよ。
「越郎さん…。」
つい、越郎さんって言っちゃうよ。
「私がニーシェルの婚約者ですのでお引き取りを…。」
越郎さんが言ってくれたよ。
「おや、私がニーの婚約者だと思いましたが…。」
大魔法使いダナエルが笑った。
私は少し寒気がした。
わーん、どうしたらいいのさ。
師匠を説得が一番厳しい気がするよ。
でも、なんとかしないとね。
越郎さんがどういうわけだって目で聞いてるよー。
説明難しいよー。




