魔剣姫は現場監督と話す
越郎さんと結婚できるうれしいな。
でも、本当に納得してきてくれたのかな?
「越郎さん。」
私は国土計画課で資料を見てる越郎さんに声をかけた。
「なんだ?けん、あ、ニーシェルか?」
越郎さんが言った。
「けんでも、ニーシェルでも何とでも呼んでください。」
ああ、ニヤケが止まらない。
越郎さん、髭面の下にこんな格好いい顔を
隠してたんだね。
「じゃあ、けん、この道路はなんでここで止まってるんだ?」
越郎さんが言った。
「そこは、カータシキ魔法塔国との国境があるからです。」
私は言った。
「普通、検問所作ってつなげとかないか?」
越郎さんが言った。
う~ん、普通はね...。
でも、この国とカータシキ魔法塔国は
本来、建国の理由からなかが悪いんだよね。
だから、なるべくつなげないようにお互いしてるし...。
「なかが悪いんですよ、カータシキ魔法塔国とは、じいちゃんをはじめ建国創成期の人たちは特に嫌ってます。」
私は言った。
じいちゃんが胸くそ悪い国って荒れてたの
見たことあるし...。
カータシキ魔法塔国と交渉したときだよね。
「けんはどう思ってるんだ?」
越郎さんが言った。
どうか...和平会議の時に
カータシキ魔法塔国の外交官が
賛成に回ってくれたよね。
「私はあんまりこだわりないかも。」
私は言った。
うん、別にカータシキ魔法塔国に悪印象はないな。
「じゃあ、もったいない、なんとか道をつなげられないか?」
越郎さんが言った。
う~ん、会議かけたらなんか言われそうだな。
「ここがつながると、ここの特産品が回り道せずにムリュフ精霊国にいく。」
越郎さんが言った。
「いいですね、ここは?」
私は他のところを指差した。
「温泉地があるから、観光誘致できる。」
越郎さんが言った。
わー、面白い。
そう言う考え方も有るんだね。
楽しくなってここは?って
越郎さんに聞きまくって...。
「おい、あんまり性急やり過ぎると反感をかうぞ、そうじゃなくったってお前の結婚で大荒れと聞いてるのに。」
越郎さんが言った。
は?なんで私が結婚すると大荒れなのさ?
「そうなのよ、ニーシェル、あんたの人気を甘く見てたわ。」
母ちゃんが来た。
私の人気?なにそれ?
「私、越郎さんと結婚したいんだけど。」
私は言った。
「だから、あんたをムリュフ精霊国の若君にやりたくないって、議会の連中がごねてんのよ、戦争終わったから有益じゃないって。」
母ちゃんが言った。
「ええ?今さらだよ。」
私は言った。
「そうだけど、あんたを狙ってた男女取り混ぜて4人...まあ、主にで他にも出てくるかもだけど、婚約者に立候補してるわ。」
母ちゃんが言った。
「ええ?私、越郎さんと結婚するよ、越郎さんいいよね。」
私は言った。
「オレも今さら困るが、国に帰れないしな。」
越郎さんが言った。
「ええ、私もニーシェルの婿は孝政様だと思ってるわ。」
母ちゃんが言った。
「うん、そうだよ。」
私も言った。
「だから、議会でイチャイチャして見せつけてらっしゃい。」
母ちゃんが言った。
「...けんとイチャイチャするんですか?...」
わ、越郎さん呆然としてるよ。
「ええ、これで解決よね。」
母ちゃんはそういって高笑いした。
今日もなまで聞いちまったよ。
越郎さんとイチャイチャする?
いきなり、高レベルの要求だよ。
嬉しいけどどうすれば良いのかな?




