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魔剣姫の従兄弟は思う

ニーシェルが妙に女性らしくなって

帰ってきやがった。

ムリュフで何があったんだ?


「ニーシェル、戦後処理が終わったらいったん、ラーガラースに帰るんだろう?」

オレは言った。

「帰るよ...そのあとムリュフにいくけどね。」

ニーシェルが柔らかく微笑んだ。

あんな笑い浮かべる奴じゃなかった。

いつも、男よりかっこよくてキリッとして。

男女ともに魅了する。

ラースじいちゃんそっくりな

カリスマ色男風女だったはずだ。

「調子が悪いのか?」

オレは気もち悪くて聞いた。

「調子はいいよ。」

ニーシェルが言った。

「なんか気持ち悪いぞ。」

オレは言った。

「気持ち悪い?恋する乙女に言うような言葉じゃないよ。」

ニーシェルがオレにチョップした。

避けたけどあぶねぇーなぁ。

ん?コイスルオトメ?

なに?それ?新しい戦闘の技?

(現実逃避)

...(コイ)する男女(オトメ)じゃないよな。


「おい、なんだよ、その気持ち悪い言葉はよ。」

オレは言った。

本物の恋する乙女に申し訳ないだろう。

「ねぇ、シリス、魔法と魔剣と戦技どれがいい?」

ニーシェルがかっこよく笑った。

それでこそ自慢の従兄弟!

で、どこで戦闘するんだ?

「で、どこに敵がいるんだ?」

オレは言った。

「目の前に。」

ニーシェルが言った。

目の前はオレだけだぞ。


二人でラーガラース陣営の一室にいるんだからな。


オ、オレを殺す気か?

この戦闘バカ!


「悪かったな、男女で!私だって恋しい人くらいいるよー。」

ニーシェルが魔剣を鞘にいれた状態で召喚した。

スゲー器用だな~。

ってあれで殴られたらオレ死ぬぞ!


「悪かった!恋する乙女!ニーシェル、で相手は誰なんだ!?」

オレは慌てていった。

「越郎さんだよー、ふられるんだーわーん。」

ニーシェルが言った。


越郎さん?

許嫁は三の若君孝政様だろう?

ニーシェルを落とすなんてどこのどいつだ?

しかも、フラレる?


自分がけなしてもムカつかないが

他人が大事な従兄弟をおとしめるとムカつくパターンだな。


ニーシェルはいい男いや美形は美形だぞ。


「おい、その越郎って言う男はなにもんだ?」

オレは聞いた。

「道路工事の現場監督で髭面のおじさん。」

ニーシェルが言った。


おい、髭面オヤジのどこがいいんだニーシェル。


「優しくて働き者で道路工事に情熱を持ってるんだ。」

ニーシェルがうっとりと言った。

「...お前、許嫁はどうした?」

オレは聞いた。

「だから、許嫁だったんだよ、でも、フラレるんだよね。」

ニーシェルが訳のわからない事を言った。

「まあいい、お前の方はお前が何とかしろ。」

変な男ならオレが潰しにいくが、

聞く限り働き者らしいし

ニーシェルはフラレるらしいから問題ない。


「五十嵐軍師にアピールしておいてくれたか?」

オレは言った。

あの人はオレの心のオアシスだ。

あの人ともっとお近づきになりたい。

「あー、ごめん、あのあと会えなくてさ、あったら言っておくよ。」

ニーシェルが魔剣を戻しながら言った。


おい、ニーシェル自分の事ばかりじゃ困るぞ。

オレも幸せになりたいんだからな。

絶対に五十嵐軍師...優黎さんにアピールしてくれよ。

ライバル多いんだからな。

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