魔剣姫は戦場で考えた
越郎さんに早く会いたい…。
でも、目の前の仕事をかたずけないとだよね。
ヘチファデ平原の南側にファモウラ軍が陣を構えている。
「数で力押しでもするつもりですかね。」
グーレラーシャの戦竜リツデイナ王女が言った。
「そうだね、まあ、この作戦ならなんとかなるよ。」
私は五十嵐軍師が居る司令室の方をみた。
世の中にあんな発想豊かな人が居るんだな。
ヘチファデ平原の草を風と人が揺らす。
今までない戦略にファモウラ軍は踊らされる。
なんてあっけない。
「終わりです。」
私は魔法剣を突きつけていった。
この老人が雫老将軍らしい。
「ブラッド様....私が死んでもファモウラは滅びない。」
雫老将軍があやしい目で言った。
どうだろう?
各国はファモウラ軍国を
解体する気満々だけど。
「お祖父様!お祖父様を離しなさい!」
軍人らしい女性が突っ込んできた。
「冷静って言葉はないんかい。」
私は女にたいじした。
まあ、勢いのわりに大したことなくて
すぐ捕まえられたけど。
「雫老将軍の孫娘で大佐のヴィクトリアです。」
ラーガラース軍の少佐が言った。
「そう?あとは頼むね。」
私は言った。
なにはともあれ戦争は終わった。
今回一番の功労者は五十嵐軍師だよね。
お菓子教室再開してくれるといいな。
「え?五十嵐軍師を拘束し損ねた?」
何で、五十嵐軍師を拘束するんだろう?
「グーレラーシャ陣営の横やりが入らなければ、ケイル軍王陛下の手にゆだねられたのに。」
アキュア聖王国の軍人、たしかビレキスさんが言った。
「優黎さんが軍王様の元にくだれば…各国は優黎さんにたいして危害は加えられませんしね!」
たしかアキュア聖王国の叫ぶ人フオストさんが言った。
今、指令室に集まっています。
戦後の事もあるし…。
でも、なんで優黎さんを拘束したがるんだろう?
「ファモウラ軍国の総統との婚約が、優黎さんを裏切りものと言われてるみたいだ。」
シリスが苦々しくささやいた。
ええ?優黎さんがいたから勝てたんじゃない。
それにお菓子教室開いてもらわないと困るよ。
アキュア聖王国なんて通えないし。
「全力で擁護するよ!」
私は言った。
「そうだな、ついでにオレもアピールしといてくれ。」
シリスが言った。
シリスも優黎さんねらいなんだ…。
優黎さんは…ファモウラ軍国の総統が好きなんだよね。
「ファモウラ軍国は解体する方向せいですな。」
ヤデギさんとか言う人がひろに言った。
「そうだな…総統は裁判にかけて…最悪…。」
ひろが言った。
駄目だよ、優黎さんが可哀そうだよ。
「既存の指導者を残した方が混乱はないと思います。」
私は言った。
そうだよね、お祖父ちゃん。
私、ラースお祖父ちゃんに無駄な殺生はするなって教えてもらったよ。
「しかし、それではまた戦争が…。」
ビレキスさんが言いかけた。
「五十嵐軍師をファモウラ軍国の管理にまわせば良いんじゃないですか?」
あんだけ頭がいいんだし出来るよね。
「五十嵐軍師は裏切りものですぞ。」
ヤデギさんがいった。
「でも、五十嵐軍師の作戦で勝った。」
晴喜が言った。
そうだよね、裏切りものなら負けさせた方がいいはずだもんね。
「ファモウラ軍国の総統と五十嵐軍師を結婚させて治めさせたほうが、いいと思います。」
好きな人と幸せになるのが一番だよ。
「私は五十嵐軍師はケイル様と結婚してもらいたいです!」
フオストさんが言った。
「私もそのつもりだが…。」
軍王さんが言った。
でもさ、優黎さんはファモウラ軍国の総統が好きなんでしょう?
人の気持ちはどうにもならないよ…。
ふられそうなのに…越郎さんの事がすきな私みたいに…。
ひげ面嫌いなのに…。
「ともかく、五十嵐軍師は本当なら褒賞対象なのにとらえるなんて反対です、褒賞としてファモウラ軍国の総統をあげたっていいじゃないですか…彼女なら一国の管理なんか出来ますよ。」
私は主張した。
なんか、みんな気がついた顔をした。
五十嵐優黎軍師のおかげで戦争に勝って
そして、戦争が終ったという事を…。
『そんな事も忘れてたの?』
って母ちゃんに高笑いされちゃいますよ。
「考えてみよう。」
ケイル軍王が言った。
…優黎さんには幸せになってもらいたい。
私は多分越郎さんに振られるんだけどさ。
でも、早くあいたいな…。
五十嵐軍師編を必読→戦場での資格活用法(言い過ぎ。)平成25年4月10日の本日投稿ぶんで書いてあります。
よろしければごらんください。




