魔剣姫救出される
ああ、対ファモウラ戦の戦場だって
こんなに心細くなったことないよ。
「では、大型通信機をもってまいれ。」
辰昭様が命じた。
「私がですか?」
精霊使いの女が言った。
「隆に言え。」
辰昭様が言った。
二人の注意は他の方へ向いている。
うーん、これでなんとかできればな...。
「停電か?」
辰昭様が言った。
でんきが消えた。
何も見えない。
もう、夜?
『こっち。』
耳元で囁かれて手をひかれた。
なに?でも騒いじゃいけない気がする。
導かれるままに救い主?のほうに行った。
「光よ、照らせ!」
精霊使いの女の声がした。
不味い!
「面倒な。」
救い主?は何かを投げた。
わー、なに?もっと強い光?
「逃げるよ、お姫様。」
誰かに抱えられて...。
どっか上がった?
ここどこ?
くもの巣?
太い梁に無数の何かの線が配線されてる。
私を抱えてる人をみた。
「騒がなくてよかったよ。」
その人は言った。
目立たないような格好をした男性だ。
「...誰ですか?」
私は言った。
「通晴・瀬羽だけど。」
男性が言った。
知らないや、本当に助け?
「ありがとうございます、歩けます。」
私は言った。
赤ちゃんダッコきつい。
「うーん、そこセンサーがあって、そっちが精霊がくるボタンかな?おとなしくしてもらってた方がいい。」
瀬羽さんが言った。
いいけど、大丈夫かな?
私、重いと思うけど。
「助けに来てくれたんですか?」
私は警備の配線にアクセスしてる
瀬羽さんにきいた。
「どう見てもそうだよね、お姫様。」
瀬羽さんが言った。
「どうして、ここにいるってわかったんですか?」
私は聞いた。
「詳しくは、下宿屋で花乃のオババと孝政様に聞いてよ。」
瀬羽さんが言った。
「え?孝政様ってお城ですよね。」
私は言った。
「ああ、越郎さんが孝政様だからね。」
瀬羽さんがさらっと言った。
......越郎さんが孝政様?
ええ?ええ!ええええ!?
えーと、落ち着くんだ私。
今騒いだら
ばれまくりだよー、敵にー!
「ん、確認、行こうか。」
瀬羽さんがそういって私を
赤ちゃんダッコしたままあるきだした。
「お姫様はおいてってくれないか?」
私たちの前に私を拐った男があらわれた。
わざわざ天井裏にはいったんかい。
「断りますよ。」
瀬羽さんが何か投げた。
男は避けた。
梁に小刀みたいなの刺さる。
「あっぶねーな。」
男が言ってるすきに瀬羽さんが行動した。
つまり逃げた。
「待ちなさい!」
精霊使いの女まできたよ。
「下ろしてください。」
私は言った。
「大丈夫?」
瀬羽さんがそういって下ろした。
うん、魔法剣よべた。
反撃するよー。
「魔剣姫の名は伊達じゃないか。」
男が言った。
倒しました~。
ちゃんと手加減しましたよ。
生きてる程度には。
瀬羽さんも
なんかとばして協力してくれたし。
「じゃあ、行こうか?」
瀬羽さんにまた抱えられました。
何でさー。
「役得、役得。」
瀬羽さんが呟いてる。
役得ってなに?
瀬羽さん、貧乏クジ引いてると思うけど。
ねえ、越郎さん、孝政様なの?
私、髭面ちょっと嫌だな?
越郎さんじたいはお兄ちゃんみたい
って思ってるし。
でも、国主の息子3人のなかで
一番まともかも。
私、どうしたらいいのかな?




