魔剣姫は誘拐?される
こいつら…なにもんだよ。
私、さらってもいいことないよ。
「波留日のひばる姫ですね。」
下宿に帰るために
城から出て人出が無いところで
声をかけられた。
紫の頭巾をかぶった上品そうな女性だ。
誰だろう?
実はまだ女装?中だ。
「何か御用ですか?」
私は猫かぶって聞いた。
お嬢様に見えるかな?
「実は、ご実家からお迎えで…お母様がご病気でひばる姫に一目会いたいと…。」
女性はハンカチで目をぬぐった。
…おかしい、ひばる姫本人は波留日で引きこもっているはずで…。
私を呼ぶはずが無い。
「あなた?誰ですか?」
私は間合いをとった。
魔法剣の召喚もすぐ出来るようにしておく。
「…聡いのですね。」
女性が言った。
なにか懐から取り出した。
「おとなしくついてきていだだければ、痛い目にあわずにすんだのに…。」
女性は精霊術で使う符をかかげた。
「光の精霊よ、光を奪え!」
げ、目つぶしかい。
魔法剣召喚っと…。
やめとこうかな…敵にあたらない。
「はい、お姫様いきましょうか?」
?何もみえないんですが?
あの、なにするんですかー。
抱きかかえないでください。
「調子でもお悪いの?」
老婦人の声がする。
ばあちゃん助けて...ってわけに
いかないよね。
被害者が増えちゃう。
えーと…その、光魔法どこまで続くんですか?
「ええ、お姫様が気分が悪いらしくて。」
男の声だよね。
痛くないようにだけど明らかに動けないように抱き上げられてる。
「お姫様、おとなしいですね。」
明らかに車に乗せられた時点でやっと
精霊魔法がとかれたらしくやっと誘拐犯が見えた。
…しばられてないけど…。
抱き上げた男がいる。
隙がないな。
「どういう、つもりですか?」
私は聞いた。
「さるお方がお姫様を見染めたのよ。」
女性が言った。
…は?見染めた?
「私には関係ありません。」
私は言った。
冗談じゃない。
魔法剣召喚したろうかい。
「関係なくても、任務を遂行するだけよ。」
女性が言った。
「さるお方…。」
誰だよ、ひろ以上の物好きがいるんかよ。
「いいじゃない、玉の輿よ。」
おい、それ本気でいってるんかい。
「帰らせていただきます。」
私は魔法剣を召喚して言った。
魔法剣をかまえた。
わー、車のなかやりづらいー。
「やはり、波留日のひばる姫じゃないな。」
だまって聞いてた男が言った。
やばい、観察されてた?
「ええ、事前の現地調査では運動神経切れてる引きこもりって言う話だったもの。」
女性が言った。
「……だからなんです。」
私は魔法剣をかまえたまま言った。
「ま、いいんです、あなたが何処の誰か聞きだすのは旦那様の楽しみでしょう。」
女性があやしい事を言った。
「ちゃんと、玉の輿だから安心しろ。」
男がにやりとした。
私、一応ラーガラースの王女だから玉の輿にならないと思うよ。
「はい、物騒なもんはしまって?いくよ。」
女性が言った。
なんかかるいよな…。
とりあえず、しまっとくか。
りっぱな建物をみながらおもった。
『本当にうかつねぇ』
って母ちゃんに高笑いされるよなって。
とりあえず、こいつらの主をみきわめて…。
なんとか口止めするしかないな。




