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魔剣姫は下宿に帰る。

ああ、帰ってきたよ。

奥宮、つらい、帰りたくない。

でも、帰って来なかったら仰々しく

迎えの輿を遣わせるとひろのやつがな...。


「おい、けん大丈夫か?」

越郎さんが言った。

フラフラするんです。

何か疲れた。

「全く、城で何してるんだい?」

花乃お婆ちゃんが言った。

「お掃除ですよ。」

あと、ひろのお世話係?

「前宮のか?」

越郎さんが聞いた。

「ええ、まあ。」

本当は奥宮だけどね。

「けん、疲れきってないか?」

越郎さんが心配そうに言った。


ハア、そうだね。

だって、ひろは呼ぶし。

セクハラしまくるし。

廊下あるいてたら

いきなり後ろから抱きつくし。

見てる人いなかったからいいけどさ。

お姉さま方はいじめるし。

ヤカンのお湯かけられそうになった時は

回避したけどね。

行儀見習い仲間は

面白がってるか。

お姉さま方と同じ反応だし。


「もう、帰ってきたいよー。」

花乃お婆ちゃんが準備してくれた昼御飯を食べながら言った。

そう言えば、越郎さん、道路工事の現場は?

「帰ってこい、あんなけったくそわるいところから。」

越郎さんが言った。


私も帰りたいけどさ。

母ちゃんに

『まあ、目的もはたさずに帰ってきたの?』

って言われて高笑いされちゃうよ。


「そう言えば、波留日の分家の姫が廣宗様のご寵愛賜ってるそうだね。」

花乃お婆ちゃんが言った。

味噌汁飲んでてむせ混んだ。

「大丈夫か?」

越郎さんが背中をさすってくれた。


「波留日のひばる様なんて見たことも会った事もないよ。」

と言う事にしておこう。

「そうだね、けん君には関係ないね。」

花乃お婆ちゃんが言った。

「廣宗様が嫁にとるって言うんで城は少し騒がしいね。」

続けて花乃お婆ちゃんが言った。

「廣宗様は女嫌いと明言して久しいからな。」

越郎さんが言った。

「そうなんだ。」

シモジモまで知られてるんだそれ。

「まあ、大多御前が許さないだろうけどね。」

花乃お婆ちゃんが言った。

「ひろ、廣宗様が女性と結婚できると辰昭様がどっかに婿にいかされるからかな?」

私は言った。

「大多御前は辰昭様をお世継ぎにと再三再四上様にいってるらしいな。」

越郎さんが言った。

「まあ、上様は相手にしてないらしいけどね。」

花乃お婆ちゃんが言った。

何気にここの二人はお城の事情知ってるよね。

「まあ、巻き込まれないように気を付けろ。」

越郎さんが言った。


うーん、巻き込まれてる気がするよ。

ひろのせいで、どうしようかね。

目立たないようにしたいのにさ。

許嫁にはあえないしなぁ。

困ったよ。

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