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第2話B 騎士の蹂躙、市民の悲鳴

数字表記が見辛いかもしれません、御免なさい。時刻の後ろに()がない場合は基本的にドイツ皇国の時刻を標準時間として扱ってます。時間のずれはドイツ‐ポーランド、フランス‐ドイツ間で一時間としております。

 四月一四日 午前八時三六分(ドイツ皇国標準時)


 ポーランド王国ルビエシン西部国境付近ポーランド王国最西部の街<ルビシエン>に続く国道。

 そこは銃声が響き渡り、道路脇の木々が燃え、紅い軍服を来た兵士達――ポーランド王国兵士達――の死体の束が何ヶ所にもできていた。

「うぅ~! 俺たちはここで死ぬのかよぉ!」

 即席の塹壕のような鉄の塊の陰に隠れながら、一人の兵士が涙を流した。

「くそぅ! 俺はまだ死にたくねーよ……」

 隣の兵士はアサルトライフル<AK‐47>を胸に抱えながら嘆いた。

 けたたましい銃撃音がかれこれ三時間は続いている。長時間の死と隣合せの戦場に、仲間たちを蹂躙する者の存在に、彼らの精神は既に限界を超えていた。

 ポーランド王国の国境防衛部隊は黒い兵士達――ドイツ皇国騎士――に劣勢を強いられていた。

 銃火器の性能、それを扱う兵士達一人ひとりの質の高さは決してドイツ皇国軍に劣っているわけではない。では何故こんなにも大きな敗北を、彼らは迎えようとしているのか? ……その原因は、戦場における貴族の存在の有無にある。

 国境防衛部隊には現在一人も貴族がいない。

 ただそれだけの理由だ。それだけの理由なのだが……貴族の強さは圧倒的で、強い一人の貴族がいるだけで戦局がひっくり返ることなど当たり前に起きる。

 防御魔法は銃弾を弾き、攻撃魔法は防護服を意に介さないかの様に簡単に体を貫く。

 この戦場にはドイツ皇国軍側に一二人の貴族がいる。

 一方のポーランド王国側は零人だ。

 ポーランド王国軍の庶民兵にとっては恐怖の象徴、ドイツ皇国軍にとっては勝利の象徴。

 特に、ドイツ皇国軍のブルーメ騎士団副団長次席へルマン・バーナーそして副団長五席カーラ・ブルーメ――この二人の織り成す魔法が国境防衛部隊の彼らを守る鋼鉄の塹壕を次々に破壊していったのだ。

「おいっ! 爆撃機の援護はまだか!?」

 AK‐47を脇において無線に怒鳴る兵士。

『あと少しで到着する! もう少し耐えてくれ!』

 無線からの返事にその兵士は苛立った。

「あと少しって……どのくらいだよ!」

 兵士が喚いたその時……航空機の放つ独特の音が戦場に響いた。

「ぁ……来てくれたか!!」

「これならきっと!」

 爆撃機の登場に兵士達が色めき立った。

 爆撃機は前方に展開している敵軍の上空まで飛行していき、爆撃するために機体の腹側のハッチを開いた瞬間――爆撃機は空中で大きく爆発して四散した。

「おい! メチャツンデレスキーが爆発したぞ!! どうなってる!?」

 先程と同様無線に怒鳴る兵士。

 メチャツンデレスキーとは爆散した無人爆撃機の名前だ。この場の兵士達にとっては敵軍を火の海に沈める、希望の救世主だったのだ。

 しかし、その救世主は無残な死を遂げてしまった。

『映像が途絶える前に一瞬、金髪の女がメチャツンデレスキーに向かって手を翳すのが見えた。魔法だ! 騎士にやられたんだ!』

 操縦主の兵士が急に大声を上げた。

「黄金の悪魔……」

 無線が手から滑り落ち、兵士は身震いをした。

「誰が黄金の悪魔だ」

 いきなり聞こえた、囁く様な女性のハスキー声に、兵士は驚いてそちら側に顔を向けた。

 だが、声の主と思われる金髪の女性とは何百mも離れた位置にいる。通常なら囁く様なあんな声は聞こえないはずだった。

「ひっ! ひぎゃああ!!」

 あまりの恐怖で遂に精神異常を起こした兵士。

 彼は奇声をあげると昏倒した。

『おい! おいどうした!?』

 無線からは兵士のただならぬ奇声を聞いた操縦主が張り裂けんばかりの声を上げて、昏倒した兵士に呼びかけていた。

『おい! 返事をしろ! おい――』

 五月蝿いほどの声を響かせていた無線は急にノイズ混じりのものとなり、遂には無線機自体が小さな爆発を起こして壊れた。

「まったく! 失礼な奴だ!」

 カーラは苛立った様子で耳に掛けていた身体強化魔法を解除した。

「聞け! ここにいる貴様らの敗北は既に決まっている、投降しろ!」

 拡声器を使っていないにも関わらず、彼女の声はポーランド兵士達の耳に届いた。

 動揺した王国兵たちの姿が彼女の瞳に映る。

 彼女は歩いて、徐々に兵士達との距離を詰めていった。しかし次の瞬間、彼女に向かって大量の銃弾が至る所から発射された。

 硝煙のにおいが辺りにたちこめる。

「ひっ!」

 兵士は皆恐怖した。

 貴族とは――騎士とはこれほどまでに圧倒的であっただろうか。

「貴様ら……次はないぞ」

 菫色の眼を煌かせる彼女は無傷だった。

「う、うわああー!」

「撤退! 撤退だ!」

 兵士達が意味を成さないとわかっていても、銃弾を彼女にばら撒きながら逃げ出した。

「ちっ!」

 彼女は舌打ちすると魔法を使おうとした。

 だが――

「っ!」

 それを使うことを躊躇した。

(塹壕を破壊したり、無人の兵器を破壊したりする事くらいだったらできる! でも……怖い)

 彼女は人を殺めた事はない。今日の初めての戦でも殺めてはいない。

 敵の防御壁である塹壕、攻撃手段の無人爆撃機を破壊しただけだ。

 彼女はアルフォンスと対峙した時に人を殺める覚悟をしたはずだった。――したはずだったのだが、実際はできていなかった。

『なにをしているブルーメ少佐・・! 出過ぎだ!!』

「!」

 無線から上司の――ヘルマンからの叱責が飛んだ。

「申し訳ありません、バーナー大佐」

 無線の声の主に謝罪すると、彼女は逃げていく紅い背中たちとは逆方向に歩み出した。



 国境防衛部隊が撤退して約一時間後……

 アルフォンスたちが滞在しているホテルの一室――防衛作戦本部では、カサンドラが無線で国境防衛を行っていた兵士から連絡を受けていた。

「そう……騎士が一二人、そのうち二人が副団長。写真の二人で間違いないわね?」

『はっ! わ、我々は現在ドウイェまで撤退完了していますが……現地待機でよろしいでしょうか?』

 彼女の耳には疲弊しきった兵士の声が届いた。

「いいえ……貴方達兵士はシュチェンへ撤退なさい。ドイツ軍と会戦すると思われるドウイェには、シュチェチン滞在中の部隊を向かわせるわ」

 一人の男性と大人びた少女が写る二つの写真を見ながら、彼女は険しい顔つきをした。

『了解しました……』

 兵士は疲れきっている。このまま無駄・・な話を長引かせる必要はない。そう判断した彼女は――ご苦労様――と言うと無線を切った。

「……という訳よ。」

 彼女は正面にいる新米騎士五人に顔を向けた。

「はっ! では我々はドウイェへ向かいます」

 新米騎士の一人――残りの四人の騎士を率いる騎士である、アルフォンスが敬礼をした。

 それに他の四人も続く。

「任務内容は撤退した兵士達のいるドウイェの防衛、そして敵騎士の討伐よ」

 彼女の言葉に五人が顔を引き締めた。

「だけど一つだけ警告」

 彼女は右手人差し指で一の形を作った。

「この二人とは戦わないこと。出会ったらまず撤退・・しなさい、戦うにしても必ず五人で戦うこと」

 トントンと二つの写真を叩く。アルフォンスたちはその写真を見つめた。

「うぇ!!」

 一つの写真を見たアルフォンスが奇声を上げた。

「まあ、驚くのも無理ないわね」

 彼女はキョトンとした後、真っ赤になっているアルフォンスに言った。

「……申し訳ありません」

 クラウスと二人からジト目で、セバスチャンからは嘲笑の混じった目で見られたアルフォンスは萎縮した。

「知っての通りこの二人は危険・・よ。強さ的には……そうねぇ、男のほうはアーレント少佐とほぼ同等。女のほうはベルンシュタイン中将と同格かそれ以上といった感じかしらね」

――あくまで私の見立てよ――彼女は最後にそう付け加えた。

『!』

 カサンドラの言葉にその場にいた五人に緊張が走った。

 騎士団の団長、副団長は基本的に実績・戦闘能力・家系等で選ばれる。各騎士団の団長の戦闘能力に関しては、その国家の軍事力の象徴といってよい。

 彼らは自分たちの騎士団の団長――アルフォンスの父の実力を知っている。学生時代に一度、模擬戦を彼が披露してくれたのだ。

 彼の強さは圧倒的だった。どんな物理攻撃も跳ね返し、魔法は全て当たることはなく軽く避けられ、研かれた剣技は相手を封殺する。相対した相手は何もできずに地を噛み締める結果となる。

 そんな強さを持つ団長とほぼ同格かそれ以上・・

――自分はそんなとんでもない化け物と戦ったのか――そう思ったアルフォンスの肌が粟立った。

 イリーネに関しても、あの若さで副団長に就いているのだ。少なくとも今の五人では厳しいと言わざるを得ないほどに強い。

「皇国もとんでもない娘を送ってきてくれたものね」

 カサンドラはため息をつくと写真を見るのを止めた。

「いいかしら。この二人以外の騎士を相手取ること、そして全員生きて還ってくること。いいわね?」

『はっ!』

 五人が敬礼をして返事を返した。

「誇り高き騎士達よ、出撃なさい!」

 こうしてアルフォンスたちは迫り来る皇国軍を迎え撃つためにドウイェへと向かった。



同日 午後二時一五分 ポーランド王国ルビエシン町内


 周りを緑に囲まれた長閑な町――ルビエシン。

 ドイツ皇国軍は騎士達の活躍と兵士数の優位性により国境を越えた後、わずか二時間という早さで一つの町を制圧していた。

 カーラは先の戦いでの疲れを癒すべく、制圧したこの町の宿の一室のソファーの上で寝転んでいた。

「ダメだったな……やはり私はまだ弱い」

 兵士の恐怖に怯えた表情を見たとき、彼女は殺すことを躊躇した。

 魔法がなければ彼女はとっくに死んでいる立場なのに、だ。死の悲しさを良く知っているからこそ、彼女は人に死を与えるという事を拒んでいたのだ。

『この町から出て行けー! 悪い奴らめー!』

 彼女はソファーから飛び起きた。

 部屋の窓から声の聞こえてきた外を眺めると、そこには一人の小さな男の子と数人の兵士と一人の騎士がいた。

『何だ、このガキ?』

 騎士が苛立った声色で男の子に威嚇した。

『お前たちのせいで……お前たちのせいで! 父ちゃん死んじゃったじゃないかぁ!』

 兵士達と騎士に向かって泣き叫ぶ子供。

(父親が? そうか、この子は……)

 子供の姿があまりにも痛々しくて、カーラは泣きたい気分だった。その姿を見ていられなかった。

『こら! 勝手に外に出ちゃダメでしょ! ごめんなさいごめんなさい!』

 子供の母親と思われる女性の声が聞こえた。必死に兵士達に子供の愚行を許してくれるように頼み込む女性。

『……』

 少しの間沈黙が続いた。

 カーラは耐え切れなくなって、思わず窓から外へと飛び出した。

「きゃああ!」

 女性の近くに着地したためか、女性は悲鳴を上げて驚いた。

「すまない……許してもらおうなどとは思わない! だけど、せめて! 貴女とその子供へ謝罪させて欲しい!」

 カーラは地に膝を着いて俯きながら言った。

「え、あ、あの……貴女は……?」

「誰だ、この姉ちゃん?」

 カーラのいきなりの行動に女性と子供は戸惑った。

「ブ、ブルーメ少佐……何をいきなり……」

 騎士も彼女の貴族、大貴族らしからぬその行動に動揺した。

 更に言えば、指揮官の一人とも思えない行動だ。彼女の行動は、彼ら侵略軍の行動そのものを否定しかねない。

「私はこの軍の指揮官の一人だ……」

 彼女がそう言うと、女性は戸惑い顔から一転して怒りの表情を露にした。

「……私は……息子はあなた達を絶対に許しません。ただ……ただ早くこの争いが終わることを祈ります」

 女性は涙ながらに言うと、子供の手を引いて足早にその場から去った。

 カーラは涙を流しながら顔を悔しそうに歪める子供の姿を、その目に焼き付けた。

「ぅ……くっ……」

 額を地面につけ、すすり泣くカーラ。

「ブルーメ少佐……」

 兵士の一人がそんなカーラを心配して声を掛けた。

「すまない……一人にしてくれ……」

 彼女の意思を汲み取ったのか、兵士達と騎士は早足でその場から立ち去った。


約半刻の間、彼女はその場でそのままの体勢で動かなかった。

「はあ~……見てらんねーな」

 蹲っていた彼女に、唐突に声がかけられた。

「ヘルマンさん……私、私嫌だよ……戦争なんて」

「今から三〇分何も聞かなかったことにしておく。言いたいだけ言って、泣きたいだけ泣きなさい」

 彼のその言葉を皮切りに、彼女は彼の胸にしがみ付くと子供の様に目一杯泣き叫んだ。



シュチェチンを出発して一五分、アルフォンスたちは防衛対象の街ドウイェに到着していた。

 この街でも住民ではなく、行き交う人々は兵士達だ。中には住民も混じっているが、早く非難させないと拙いだろう。

 アルフォンスはクラウス達に、ルビエシンから撤退して来た兵士から敵騎士情報を聞くために詰所へと向かわせ、自らは街の様子の視察と偵察兵に無線でリアルタイムでの敵情報の様子を聞き出していた。

「偵察班、敵の現在地とその様子は?」

 辺りの様子を伺いながら、無線に声を掛けた。

『はっ! SRオージェル11からの映像によりますと皇国軍は現在、ルビエシン町に駐留中で目立った動きはまだありません』

「そうか、了解した。引き続き偵察を頼む」

『はっ!』

SRオージェル11とはポーランド王国最新の無人偵察機の名前だ。従来よりも飛行可能時間が長く、長時間の監視にはうってつけだ。

(敵軍に動きがないのなら、今のうちに傷ついた兵士達をシュチェチンへと搬送できるな)

 彼はそう考えると、国境防衛を指揮していた指揮官の下へと向かった。

 ドウイェにおける防衛部隊詰所。

 ここは今衛生兵達の戦場と化していた。

「鎮痛トローチが切れた! 予備はもうないのか!?」

「消毒しますので少しジッとしていてください!」

「いてー! いてーよー! 母ちゃ~ん!」

 衛生兵たちが慌しく駆け回り、傷ついた哀れな兵士達が苦痛に呻く。負傷兵の中には身体の一部を失った者、内臓が飛び出ている者目立った。

 後者はもう助かる見込みは薄いだろう。回復魔法を扱える希少遺伝子持ちの騎士がいない限りは……

「酷いな……これは」

 あまりの惨状に口を覆うアルフォンス。顔色は心なしか少し青くなっていた。

「ベルンシュタイン曹長」

 惨状の現場の奥、ベンチのような椅子に腰掛けている中年の男性がアルフォンスを呼んだ。

「ベノフ中尉でございますか?」

 アルフォンスは男性に問うた。

「ええ、申し訳ありません。我々が不甲斐無いばかりにルビエシンを制圧されてしまいました」

 被っていた軍帽を取り、頭を下げる。

「とんでもない! 緒戦での騎士の投入を予測していなかったのが原因です」

 アルフォンスは暗に王族の愚痴を言った。王族・大貴族たちは早期に貴重な貴族を、しかもドイツ一、二を争う騎士団の副団長を2人も投入してくるなど予想すらしていなかったのだ。

 貴族の数は国民に比べて非常に少なく騎士団員の数となると更にグッと下がる。ポーランド王国にいたっては国民約四二〇〇万人のうち貴族は約四万人、騎士団においては一五騎士団総人数約三八万人のうち約七〇〇〇人しかいない。

 ドイツ皇国はポーランド王国の倍以上の国民数と貴族数を誇るがこの比率は大して変わらない。絶対数の少ない騎士を投入してきたということは短期決戦に持ち込むつもりなのか……

「……だとしたら拙いな」

 きっと直ぐにでもドイツ軍は侵攻を開始するだろう。

「如何なされましたか?」

「中尉殿、負傷兵の搬送完了はどのくらいで完了しますか?」

「搬送ですか? それならおそらく明日には終わるかと」

(本格的に拙い! もし俺の予想が正しければ夕方に騎士の奇襲が来るはずだ)

 アルフォンスは内心の焦りを隠すように――何でもありません――と言うとその場を後にし、急いでカサンドラへと連絡を入れた。


『……そうね、その可能性は否めないわ。でも、あなたの言うその作戦の成功率はどれくらいなの?』

 無線を通してこちらを心配する声が聞こえる。

「おそらくは運が良くて五〇%だと思います」

『却下よ……と言いたい所だけど、それしかなさそうね』

「許可頂けますか?」

『隊員からの意見は?』

「反論はありません」

 嘘だ。

 隊員にはこの作戦内容すら伝えていない。しかし、彼らには後でいい。今は彼女から許可を取るほうが先だった。

『そう、なら許可するわ。でも決して無茶はしないこと、いいわね。――御武運を』

 無線が切れた。

 アルフォンスは無線を握り締めると、クラウス達に連絡を入れた。


「ふざけんなよ! お前!」

 鈍い音と共に、アルフォンスがセバスチャンに殴り飛ばされた。

「……勝手に決めたことは謝る。だが、時間がない」

 アルフォンスは殴られた頬を触り、顔を顰めた。

 彼が他の三人を見ると、皆セバスチャンと似たり寄ったりであった。

「くっ! んな事はわかってる!」

 彼が小隊の四人を集めたそのとき、偵察班がドイツ皇国騎士の動きを捉えたのだ。

 早くて、後一〇分で奴らはここへ到着する。

 幸いに副団長二人は同行していなかった。それはアルフォンスの想像通りで、彼らは作戦通りにドウイェ近郊の草原で敵騎士一〇人を迎え撃つこととなった。

「セバスチャン! 何時まで拗ねてんだ? 早く行くぞ」

 移動し始めたアルフォンスの背中を指してセバスチャンに言うクラウス。

 既に彼は愛銃を手に持っていた。

「わかってる! 気の早い奴だ……」

 吐き捨てるように呟くと、セバスチャンはアルフォンスたちの背を追った。

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