イオンとイオン化エネルギーと電子親和力
そうだな、必要な物はまだいくらかあるんだが…例えば、イオンとイオン化エネルギーと電子親和力についてだな。
よく間違えるから、このあたりは要注意な。
まず、イオンについて。
でかいショッピングモールじゃないからな。
イオンというのは、陽イオンと陰イオンの2種類がある。
陽イオンは、原子全体でプラスになるようなイオンだな。これは、原子の最外殻電子が外れて、全体でプラスの電荷をもつようになるんだ。逆に陰イオンは、最外殻電子が増えて全体でマイナスの電荷をもつようになった原子のことを言うんだ。
ついでに、ここで話しておこうか。電子が入るところは、K殻を最も内側として、L、M、N……と続いていくんだ。これは、最初に発見した人がもっと内側にも入るだろうと考えたからなんだ。もっとも、K殻より内側の電子軌道は発見されなかったけどな。
そして、それぞれの殻には、内側のK殻を1、L殻を2、M殻を3って感じにある殻をn番という数字を振った時、その殻に入る電子の数は2×n^2個入ることができるんだ。そして、その殻の一番外側の電子のことを価電子と言って、化学的な性質を司っているんだ。価電子が存在する電子殻の電子を最外殻電子というんだ。
[作者注:最外殻電子は、最外殻にある電子という意味であり、価電子とほぼ同義語に扱われることが多いです。なお、最外殻より内側にある電子のことを内殻電子といいます。
電子殻に入る電子の数は、K殻が2、L殻は8……となります]
さて、ここまできて、イオン化エネルギーと電子親和力についてだな。
イオン化エネルギーというのは、陽イオンのなりやすさを示しているんだ。逆に電子親和力は陰イオンのなりやすさだな。
イオン化エネルギーは電子が離れやすいことを示しているんだ。1つ離れるために必要なエネルギーを第1イオン化エネルギー、2つ離れるのなら第2イオン化エネルギー、3つなら第3イオン化エネルギーになるんだ。これらのエネルギーは、小さいほど陽イオンになりやすいということになるんだ。
もう片方の電子親和力は、電子がひっつきやすいかどうかを示しているんだ。親しい力って言うぐらいだからな、そういうことになるんだ。こちらは第1電子親和力といういい方はしないんだ。全部電子親和力な。こっちは大きいほど陰イオンになりやすいということになるんだ。
[作者注:イオン化エネルギーは、電子一つをその原子から取り除く際に必要になるエネルギーであり、それが低いほど、容易に取り除けるということになります。そのため、エネルギーが低いほど陽イオンになりやすいことになります。一方の電子親和力は、原子に電子一つを付け加える際に放出されるエネルギーのことを言い、エネルギーが放出されるということは、安定度が増したということになるため、陰イオンの状態で安定します。そのため、陰イオンになりたがろうとすることになります]