計算
そうそう、元素とかの勉強をするんだったら、知っておくべきいくつかの数学的要素もあるんだ。
簡単なことだから、そんな嫌な顔せずに聞いておいてくれよ。
分かりやすくすつため、水素原子を例としてみよう。
日本では、水素は法令によって赤いボンベで保存されることになっているんだけど、蛇足だね。ま、見ても触らないのが一番だけど。
[作者注:容器保安規則(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S41/S41F03801000050.html)第10条より]
さて、水素の原子量は1.00794(7) g·mol^-1だ。ここでまず見てほしいのは、数字の末尾の(7)というところ。これは、大体これぐらいという意味だ。正式には有効桁数とか有効数字とかって聞いていると思うね。
水素の原子量については、1.0079までは、測定によって確定されている数字なんだけど、最後の4だけは、誤差が生じている影響で、確定はされていないっていうことなんだ。こういうのを測定誤差っていうんだ。今回の例で別の書き方をするとすると、1.00794±0.00007となるな。
[作者注:なおg·mol^-1をモル質量と言います。]
次に、wikipediaの水素のページからの引用ではあるが、2008年度、日本国内での水素生産量は534,810×10^3m^3になるそうだ。今度見てもらいたいのは、×10^3というところ。ここでは、数字の桁が大きいから、不必要なところは省いているんだ。実数で書こうとすると、534,810,000立方メートルって言うことになるんだ。一応コンマ打って見やすくはしてるけど、普通にダーっとかかれていたら見にくくて仕方ないだろ。だから、こうやって不必要な桁はまとめておくんだ。こういうのを累乗とか冪乗といったりするんだ。
別の例でいえば、有効数字3桁で宇宙の年齢を表すとする。137億年ということになるんだけどね。
[作者注:最近の観測結果によれば、137.2±1.2億年と推定されています。]
この場合では、1.37×10^10年と書くことになるんだ。
まあ、必須なのはこれぐらいかな。
あとは、必要な時に教えることにするけど、あまり出てこないと思うよ。