電池とメッキ
電気分解の応用例としては、電池やメッキっていうのがよく分かるだろうな。
まずは電池からの説明だな。
電池というのは、ボルタ電池ってのが、最初期の電池として有名だな。イタリアの物理学者Il Conte Alessandro Giuseppe Antonio Anastasio Volta という人が作った電池なんだ。これは、-側を亜鉛Znに、+側を銅Cuにして、間に希硫酸H₂SO₄aqを入れた者をつなぎ合わせるんだ。そうすると、電気が流れる。
この時に、-側のことを負極、+側のことを正極、希硫酸のような物質のことを電解質というんだ。ちなみに、普通の市販されているような電池であれば、電解質は固体であることの方が圧倒的に多い。この時には固体電解質と呼ぶんだ。
ついでだから、ここで反応の様子を見ておこう。負極側ではZn→Zn²⁺+2e⁻となって、亜鉛イオンが希硫酸の中にとけだしていく。電子は導線を通って、正極側えと移動する。そして、正極では、2H⁺+2e⁻→H₂という反応になって、水素が発生するんだ。ただし、中尉をしないといけないのが、この反応がずっと続くと、銅の表面についた水素の気泡によって反応が妨げられるんだ。この時に、酸化剤を入れると、また反応が再開するんだ。このように反応を促進させたりするような酸化剤のことを、減極剤とか活物質とか呼んだりするんだ。
ちなみに、このような一回きりの使い捨てのような電池を一次電池と言って、繰り返し使えるような電池のことを二次電池と呼ぶんだ。
次にメッキだね。
メッキというのは、例えば、銅版にニッケルメッキをする場合を考えよう。陽極にニッケルNiと陰極に銅Cuを硫酸ニッケルNiSO₄を電解質として電気を通すんだ。そうしたら、ニッケルがイオン化してNi²⁺がNiSO⁴に融け込むんだ。ここで、流れ出た電子は導線を通って、陽極から陰極へと向かう。ちなみに逆向きには電流が流れるよ。そうして、イオンは電子を求めて電解質中をさまよって、銅のところへと近寄ると、流れ出た電子を受け取ってNiへと戻るんだ。そうなると、Cuの表面でNiが析出することになって、メッキが完成するということになる。
まあ、こんなかんじだな。式で書けば、陽極はNi→Ni²⁺+2e⁻で、陰極はNi²⁺+2e⁻→Niということだね。