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化学反応式と熱化学方程式

次はそうだな…

化学反応式と熱化学方程式についてか。この二つは、名前は似ているが、中身は全くの別物だからな。そのあたり注意な。


(作者注:以下、水2H(2)Oのように書いた場合は、()内の数字は右下付きの意味、分子式の前のように()無しの数字はH(2)Oが2つあるということを意味します。また(2↑)のように書いた場合は、右上につくという意味になります)

まずは化学反応式から。

化学反応式っていうのは、2H(2)+O(2)→2H(2)Oと言った感じで書かれている式のことだね。左辺が反応物で、右辺を生成物というんだ。つまり、矢印の左側にある物質が化学反応を起こして右側の物質になったという感じだね。

複雑な化学反応式になると、左右の整合性を計算で求めることも必要になるんだ。例えば、アルミニウムと塩化水素から作られる塩化アルミニウムと水素についてみてみよう。文章で書くと、アルミニウム+塩化水素→塩化アルミニウム+水素となるんだ。この状態では、水素は気体として生成するからH(2)、その他も同じように考えていくと、Al+HCl→AlCl(3)+H(2)という式になるんだ。

さて、この式を完成させていくことを考えていこう。それぞれ、係数を左からa、b、c、dとする。一番種類と原子の子数が多いのはAlCl(3)だから、これを1にしてみよう。つまりC=1。となれば、a=1、b=3、C=1、d=3/2となるんだ。この状態で当てはめてみると、Al+3HCl→AlCl(3)+3/2H(2)となるんだ。ただし、化学反応式の係数は整数でなければならないという規則があるから、それぞれ2倍して、2Al+6HCl→2AlCl(3)+3H(2)となる。これで終わりだな。

ここで化学反応式が出てきたから、酸化還元についての半反応式というのもついでに見てみよう。半反応式というのは、酸化還元反応で用いられる式のことで、電子e(-↑)という記号を用いて作られるんだ。還元剤から酸化剤への電子の受け渡しを考えて組み立てる式になるんだ。電子の位置でそれが酸化剤なのか還元剤なのかということも分かるんだ。例えば、酸化剤として用いられる二酸化マンガンMnO(2)について考えてみたら、MnO(2)+4H(+↑)+2e(-↑)→Mn(2+↑)+2H(2)Oという式になるんだ。このように、電子の位置が左辺に来るものが酸化剤、右辺に来るものが還元剤と覚えたら、見た目でどっちか判断できるだろうね。


さて、次は熱化学方程式についてだな。

熱化学方程式というのは、少し特徴的な記述を行うことになるから、気をつけるようにな。基本となるようなものには、例えば発熱反応というものがある。弁当とかに紐で引っ張ると暖かくなるっていうものがあるだろ。アレに使われているような物で、生石灰CaOに水を加えることによる化学反応だな。これを式で書くと、CaO+H(2)O=Ca(OH)(2)+65.2kJとなるんだ。ここで見てほしいのは右辺と左辺は=で結ばれているという点と、kJ(キロジュール)という単位を用いてエネルギーが書かれていること。これが熱化学方程式の特徴の一つなんだ。

次に発熱の逆、吸熱反応を見てみよう。たとえば冷却材によく使われている硝酸アンモニウムを多量の水に溶かす反応の場合。NH(4)NO(3)+aq=NH(4)NO(3)aq-25.4kJとなるんだ。ここで出てきたaqというのはアクアと呼んで、多量の水のことを指すんだ。溶けるほどの多い水だと考えればいいや。

その他、生成物1molが構成している元素単体から生成する時の反応熱として生成熱、物質1molが燃え尽きるために必要な燃焼熱、酸と塩基が中和し1molの水ができる時に必要な中和熱、溶質1molを溶媒に溶かす際に必要な溶解熱などがあるな。

あ、そうそう。重要な例をあげておこう。氷が水になる、水が気化するような場合では、左辺と右辺の物質が全く同じになるだろ。今回の場合はH(2)Oだな。このような時には、(液)とか、(気)とか書く事になるんだ。例えば融解熱の場合は、H(2)O(固)=H(2)O(液)-6.01kJとなるんだ。このように、同じ方程式の中で状態が異なるものがでてきた場合では、その物質の分子式のすぐ後ろに()で注釈として固、液、気と書く事になるんだ。

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