第6話・レザリムスの言語について教えて
〔登場人物〕
ググレ・グレゴール先生
カナ姉ちゃん
拓馬くん
ググレ「やあ、こんにちはググレ・グレゴール先生だよ──五大厄災の一人、西方地域の厄災だよ、普段は教団の大司教さまだよ♬」
カナ「拓馬から聞きましたが、本当に悪い人なんですか?」
グ「良い人か、悪い人かと訪ねられたら──どちらかと言うと、悪い人だね」
拓馬「お姉ちゃん、いろいろと教えてくれる先生に失礼だよ」
ググレ「西方地域では、多少の悪者だが、今は君たちに教える先生だ。それじゃあはじめるよ……ちなみに、作中の設定が違っていても、大人はウソつきじゃない。設定した内容を勘違いしていたり忘れているだけだ」
〔言語について〕
拓馬「前々から気にはなっていましたが、異世界ファンタジーモノで。こちらの世界から召喚とかされた者は、どうして異世界の人たちと【普通に言葉が通じて会話ができるんですか?】これって変じゃありませんか……日本人がいきなり、異国にほっぽり出されて。その国の人たちと最初から会話できているようなもんですよ?」
ググレ「拓実くん、気づかなくてもいいことに気づいてしまったね、海外からのインバウンド観光客がスマホの翻訳で普通に旅行を楽しんでいる時代に……拓馬くんは、外国の映画やドラマを観ていて登場する人物たちが普通に日本語で会話しているのを観たコトがないかな?」
拓馬「吹き替えられた映画とかドラマですね、観たコトあります」
ググレ「あれと同じなんだ、レザリムス語を日本語に転換したり、日本語をレザリムス語に吹き替えられて喋っているから、相方の会話が成り立つているんだよ」
カナ「どうやってですか?」
ググレ「携帯電話の中継基地を連想してもらえれば、わかりやすいかな……レザリムスには、あちらこちらに『言語と文字を自動通訳してくれる塔』が造られているんだ……そこでは、さまざまな言語や文字が変換されている。塔は【バベル】と名付けられ、少年や少女が一人づついて管理している……以前は、視界の隅に翻訳された字幕が流れていたが、現在は声優が瞬時に翻訳吹き替えしてくれる」
拓馬「文字はどうなっているんですか? 異世界モノでは召喚された者は、言葉は通じるのに文字が読めなかったりする矛盾が生じていますよ?」
ググレ「拓実くんは、本当に気づかなくてもいい余計なコトに気づいてしまうね、そんなんじゃ長生きできないぞ……外国語の教材で高速で流れている内容を聞き取る学習教材を知っているかな?」
拓馬「あの、聞くだけで脳が外国語脳になって、リスニングで意味が理解できて喋れるようになるってやつですね……作者が挫折した」
ググレ「あれと同じなんだ、文字の上に重ねられて、召喚された者の母国語が表示されていてレザリムス語を、普通に読むコトができる」
カナ「本人が意識していない間に、異世界の言語を学習させられているようなモノですね……あたしも元の世界に帰った時、レザリムス語が喋れたり書けたりして家族からビックリされました」
カナ「お姉ちゃん、いきなり知らない言葉、夕食前にペラペラ喋り出したから驚いたよ」
ググレ「ちなみに、これがレザリムス文字だ」
拓馬「うわっ!? なんですかこのマンガみたいなの? これ文字なんですか?」
グ「中国の【トンパ文字】と、よく似た文字らしい…エジプトの【ヒエログリフ(聖刻文字、神聖文字)】や古代【マヤ文字】みたいなのも混じっているぞ」
※各種文字については各自で検索