第14話・もう少し詳しく教えてググレ・グレゴール先生
〔コチの世界に来ている東方地域の、アチの世界の人たちについての、拓実の素朴な疑問〕
拓馬「レザリムスの東方地域って、アチの世界からの人間もたくさん来ているんですよね」
〔魔王真緒くん裏地球に回される・第一話参照〕
拓馬「その人たちはアチの世界に帰るコトはできないんですか?」
ググレ「チッ……また、気づかなくてもいい余計なコトに、気づいてしまったね拓馬くん。あまり細かい部分に気づきすぎると、シチリア島のマフィアが牛耳る世界では長生きできないぞ」
拓馬「今、最初にチッって舌打ちした……舌打ちしましたよね」
ググレ「コホンッ、拓馬くんは江戸時代に漂流して。異国の船に助けられた日本人が、全員帰国できたと思うかね?」
拓馬「ムリでしょうね、日本に帰ってこれた日本人は少数でしょうし、異国で生涯を終えた日本人もいたでしょうね」
ググレ「それと同じだ……以上」
拓馬「もう少し、しっかり教えてください……確か東方地域の【デジーマ島】の洞窟みたいな場所から、アチの世界の人間が迷い込んでくるんじゃなかったんですか……召喚じゃなかったら、その洞窟を通れば元の世界に」
ググレ「チッ、拓実くんは本当に極道の世界にいたら。半年と生きていられないタイプだぞ……余計なコトを覚えてい過ぎる。しかたがない、知らなければ良かったコトを教えてあげよう【噂では、レザリムス側の出口は巨人の口になっているらしい】アチの世界に、洞窟みたいなのを通って迷い込んできた 漂流者は……レザリムスから、巨人の口を通って元の世界にもどろうとしても──消化されて巨人のウ●コになっちゃうんだよ!」
拓馬「ひぇぇぇぇぇぇぇっ!」
〔どうして、アチの世界の『メニューがない無愛想な創作料理店』の、レザリムス語で書かれたメニューが、アチの女子社員に読めたのか?教えて〕
カナ「弟の拓馬が、人間が巨人のウ●コになっちゃう話しを聞いて、放心状態なので代わりにあたしが質問します……【どうして、科学的な召喚者や幽体転生者でなさそうな。普通の女子社員がレザリムス語のメニューが読めたんですか?】」
ググレ「よい質問だ、ピクトグラム〔万国共通の表示イラスト・トイレとかにある男女のアレ〕で、その国の文字がわからなくても、なんとなく意味がわかるコトがあるね……
あれと同じだ、最初にメニューを見て店員に聞きながらなんとか注文したアチの世界の者のところに【夜眠っていると『ちっちゃなオッサン』の集団が現れて、眠っている者の片目のマブタを押し開けて、レザリムスの文字を見せて耳元でオッサンたちが意味を囁いて連夜覚えさせる】……すると、あら不思議。
数週間後には、レザリムス文字が普通に読めるようになる」
カナ「それって、強制的な睡眠学習じゃ? 片方の目を強引に押し開けられて、目が覚めるコトはないんですか?」
ググレ「強力な眠り粉を、最初に嗅がせるから大丈夫だ」
拓馬「あぱぱぱっ」




