第13話・レザリムスとアチの世界の往来について、もう少し詳しく教えて
拓馬「前に、アチの世界から召喚された者は、自分がいたアチの世界にしか、もどれないって聞きましたけれど」
ググレ「よく覚えていたね、復習は大事だ」
拓馬「もう少し詳しく教えてください」
ググレ「拓馬くんは旅行とかして、別の町にも見慣れたチェーン店とかコンビニを見ると、どんな気持ちになるかな?」
拓馬「ホッとした気持ちになります」
ググレ「他には」
拓馬「自分の町にいるような、不思議な感覚にもなります」
ググレ「そうだろうね……でも、拓馬くんがいるのは見慣れた店があっても。別の町なんだアチの世界もそれと同じなんだよ、別のアチの世界でなんの準備もないまま、昨日と同じ生活はできない」
カナ「わかりやすい例え」
〔レザリムスの住人が、アチの世界に行けるのを教えて〕
拓馬「レザリムスの住人がアチの世界に行く場合はどうなるんですか?」
ググレ「基本的には、海外からの観光客がパスポートやピザで旅行や入国するのと同じだね」
拓馬「どのアチの世界にも自由に行けるんですか?」
ググレ「行けるコトは行けるが、危険なアチの世界には、よっぽどでない限りは行かない……あと、仕事の関係で往復している者もいるな」
拓馬「間違って別のアチの世界に、レザリムスの住人が行っちゃうなんてコトは?」
ググレ「おっちょこちょいな会社員が旅客機を乗り間違えて、自社の工場がない支社もない国に行ってしまったら、その国に滞在していても意味が無いから工場や支社がある国へ行くだろう……それと同じだね、一応間違いを防ぐために特定のアチの世界にしか行けないパスポートみたいなのも発行されている」
拓馬「ボクだったら、工場とか支社が無い国でも来たついでに、会社の経費で観光したり、お土産買ったりします」
カナ「社会人になって、それやったら一気に信用なくすから」




