第12話・レザリムスの天地創造神話について教えて
拓馬「レザリムスにも、天地創造の神話なんてあるんですか?」
ググレ「あるコトはあるぞ、単なる神話で真実ではないから……そのつもりで聴くように」
〔はじめの大地について教えて〕
ググレ「まず、この世界は混沌で何もなかった」
拓馬「何もなかったんですか」
ググレ「そこに、トゲが生えたカタツムリの巻き貝が、ポンッといきなり現れた」
拓馬「いきなり?」
ググレ「そうだ、長い間……カタツムリの巻き貝に変化は無かったが。ある日、カタツムリが殻の中から頭を出して触角の目を伸ばした【目の上には目ヤニが……それがレザリムスの片方の大地】だ、カタツムリの濡れた粘液が海になった」
拓馬「片方?」
ググレ「その片方の大地には【天使と幻獣がいた】……もう片方の目の上には【悪魔と魔獣がいる大地】が乗っていた……カタツムリは、二つの大陸をよく見ようと目を寄せたら、触角目が絡まって【レザリムスの大地が一つの大地になった】……新大陸とか、第二新大陸は後から、カタツムリの目に付着したゴミだ!」
拓馬「大陸をゴミ扱いはヒドイ」
〔人間の誕生について教えて〕
ググレ「やがて、天使の大陸と悪魔の大陸で争いが起こった【天魔大戦】だな……長い間、天使と悪魔は争い続けていた」
カナ「故事にあるいわゆる『蝸牛角上の争い』ですね」
ググレ「そして、争い続けていた天使のヘッドと悪魔のヘッドが『もう争うのはよそう』と和解した」
拓馬「それでどうなったんですか?」
ググレ「天使と悪魔は、和平の証として新たな生物……【人間】を作るコトにしたんだよ」
拓馬「どうやって?」
ググレ「一つのタン壺に、天使と悪魔がそれぞれ人間の素となる材料を入れた……タンとか鼻水とか、フケとか握りっ屁を……唾とか耳垢とか歯石も入ったそうだ」
拓馬「うげぇぇ」
ググレ「それらを、細い棒で掻き回していると……やがて、タン壺の中で蠢く白い虫みたいなモノがポツポツと……それが、レザリムスの人間だぁぁ!」
拓馬「ひいぃぃ、聞かなきゃよかった!」




