表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/242

戦の準備2

天文9年(1540年春)9歳


勘助が俺から指示された注意点を、集まった諸将に順番に説明してくれている。


1.雨でも鉄砲や爆弾は使えるはずだが、雨での戦闘はなるべく避ける。装備品の管理と手入れは念入りに行うこと。いくさの前後で装備の盗難、紛失を厳重に管理すること。

2.北畠家の一族は官位持ちが多い。下手に生き残られると朝廷や幕府からの横槍が想定される。全滅させること。

3.相手を総崩れさせた後は、電撃作戦で伊勢を占領すること。

4.関家と長野家は六角家が面倒となるので占領はしない。しかし多額の賠償金を請求し、2度といくさができないようにしておくこと。


侍大将たちの表情が固い。


本当に一番注意しないといけない点は、ほとんどの兵が初陣であることと、率いる将も大人数の兵を指揮するのが初めてだということだ! 軍師も同様だ。


皆は、それを解っているから表情が固いのだ。


こんな時に「大丈夫なのだろうな。負けたら終わりだからな。絶対失敗するなよ」というような言葉がダメなのは俺でも分かる。


なんて言って励まそうかな? 


「俺は神様と『この世からいくさをなくし民を幸せにする』ことを約束し、それを実現するために行動してきた。だからこのいくさの責任はすべて俺にある。諸将はこのいくさに力のすべてを出し切って欲しい。神の加護がある伊賀軍は絶対に負けないのだ」と、こんなところでいいかな!


ダメでも、もう言っちゃったし! 伊賀の当主をやるのなら前世で、起業して社長でもやっておけば良かった。もう少し気の利いたことが言えたのにね。


神童といえども、幼子である殿が我らを励まして下さっている。我らはいったい何をしておるのだ。我らに期待し伊賀に呼んで下さった殿に、不安な表情を見せるなど言語道断だ。気合を入れねば。兵の士気を高めねば。家臣一同が闘志を燃やし始める!


その後は、具体的にどう行動するかという話になる。

阿波口から伊賀街道(国道163)を長野峠に至るルートを進んで来る長野家と関家を合わせた約1000人の兵を、長野峠で待ち伏せて迎撃する。


伊勢地口から青山峠に至るルートを進んで来る北畠家の約3000人の兵を、青山峠で待ち伏せて迎撃する。


特殊部隊以外の忍びは長野家や関家、北畠家に貼り付き、敵の動きを漏らさず報告する。


特殊部隊は、防備が薄くなる霧山城を強襲する。

北畠家の一族郎党は、少ない兵とともに霧山城に篭っていると推定されるからだ。


このいくさは、オヤジたちが一番張り切っている。北畠家に対して思うところがあるのだろう。特殊部隊にはアメリカの特殊部隊仕様の迷彩服やブーツとヘルメット、迷彩ペイント、ナイフ、登山に使うロープや装備なども渡している。すべて至高の匠スキルで作り出したものだ。


迷彩服と迷彩ペイントには食い付きが最高だったな。ミリタリー仕様のナイフは見本を作って、村正一族に作らせておいた。これも喜んでいたな。伊賀組み打ち術にナイフ術が付加されたそうだ。


どう見てもこれは忍者隊ではなく、前世の米海軍特殊部隊みたいだ。


お金に余裕ができたら、常備兵なんかも全部こういうスタイルにするのもありか! 近代装備を忍者は喜んで取り入れたが、武将たちはどうかな?


装備を身につけての訓練はすごかったらしい。


「よく死人が出なかったものだよ」と、道順が漏らしていた。

この装備を身につけた特殊部隊は無敵だと思う。

やっぱり、忍者は面白い。





ここまで、お読みいただきありがとうございます。

初めての作品ですので

あたたかくご支援いただければありがたいです。


励みになりますので

ぜひブックマークや評価などをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ