至高の匠スキル発動2
天文8年((1539年元旦)8歳
次はクロスボウを試してみよう。
クロスボウは前世で興味があったので、構造はバッチリ頭に入っている。
しかし材質はというとアルミやチタンやグラスファイバーだ。この時代には存在しないものだがどうなのかな?
とにかくやってみるか。
もう1つ確認したいことは、作る個数が指定できるかということだ。
作る個数も指定してみることにする。
クロスボウの構造を頭の中で整理し『創造 クロスボウ 10個』と念じる。
無事にクロスボウが10個出現する。
「これは弩だ。日の本でも昔は使われていたそうだが今は使われていない。理由は良く分からない」
「この弓は弦の両側に滑車がついて変わった形状をしていますね。弦を引くのにあまり力が要らないようですな? しかし矢を飛ばす力は強そうですね!」
「強力な弓だぞ。矢は遠くまで飛ぶし威力もある。近い距離なら鎧など貫通するほどの威力だ。また普通の弓は何年も訓練しなければうまく扱えないが、この弓は短い訓練で素人でもうまく的に命中させる事ができるぞ」
道順は弓を持ち上げてじっと見ている。
「複雑な形をしている割には軽いですな。この滑車が強い力を出せる仕掛けのようですね。しかしこれを作れる職人は日の本にはいないでしょう。当然修理できる職人もおりませんな」
「弓兵をたくさん揃えて集団戦を行うにはこの方式の弓が最適だと思うのだ。このような弩を作れる職人がいないことが理由で、他の大名が弩を活用しないなら、このような弩を活用できることは伊賀にとってすごく有利となるぞ」
「目の前に弓を持って来てくれ」
材質を確認してみた。至高の匠スキルは、この時代にない材質のものでも作れるみたいだ。チタン製でもいけるのかな。まあクロスボウは本命ではないからどうでもいいか。
続いて『創造 矢 200本』と念じて、アルミ製の矢を200本作ってみるが、これも成功だ。便利だな。このスキル!
「道順。山に入って狩をしている者たちに、この弓を使わせてみてくれ。威力や飛距離を知りたい」
「私も1丁いただいてもよろしいでしょうか?」
「山本勘助、工藤兄弟、森可行、藤堂虎高、島清国にも渡してくれ。戦で使用する場合の長所と短所を見極めよと伝えて欲しい」
「弓と矢を納める箱が必要だな。至急作らせてくれ。それと武器を納める蔵もいるぞ。弓以外も作る予定だからな。それとは別に大きな蔵を2つ作らせておいてくれ」
蔵ができたらもっと大量に製造しよう。
ところで、昨年から焼酎造りを試行錯誤させている。
ここらで、至高の匠スキルを使って小型と中型の蒸留装置を創造しておくか!
当面は前世で飲んでいたような美味しい焼酎を作るのは難しそうだが、酒精の強いものを好む大酒呑兵衛には好まれるかもしれないな。
ここまで、お読みいただきありがとうございます。
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