スカウト結果
天文7年(1538年秋) 7歳
伊賀の危機に加えて自分達が楽をしたい一心で、気合のリクルートをしてきたオヤジたちは「疲れた! 疲れた!」とか言いながら、俺の前で酒を楽しそうに飲んでいる。
気分良さそうなところで、優秀な人材が確保できて、晴れて自由の身になれたら何がしたいのか聞いてみた。
3人とも伊賀流忍術を極めたいのだそうだ。
「俺たちの夢だ」と、カッコつけて言われた。
まあ良いか。剣聖ならぬ忍聖を目指して下さい。
スカウト結果だが、森可行を無事ゲットだ!
仕えている土岐家が『仕事はできない』、『家柄自慢しかしない』でいい加減うんざりしていたそうだ。
リクルート話は渡りに船、感謝感激でさっさと一族郎党でやって来るらしい。
支度金として100貫渡す話に大喜びだったそうだ。
本多忠高はダメだったそうだ。三河を離れたくないそうだ。まあ三河武士は特殊だからいいか。
工藤兄弟と藤堂虎高と島清国は支度金100貫に感激! こちらも一族郎党でやって来る。さらに村井貞勝と木下弥右衛門もリクルート成功!
秀吉君をゲットしたぞ!
信長君ごめんね。秀吉君と可成君をもらいました。
ところで信長君、俺の2歳下だから、まだ赤ん坊だよね。
信長君を敵にするのが良いか? 味方にするのが良いか? 要検討だな。
でもまだ赤ん坊だから考える時間はたっぷりある。
軍師枠の山本勘助もゲットできた!
就職活動がうまく行っていなかってみたいで『今川がダメなら武田に行くしかないか!』と思っていたらしい。
勘助も支度金もらって喜び勇んで、正直屋の船で伊賀にやってきた。
俺は目が回るほど忙しかったので、挨拶も早々に上野城の建設を勘助に丸投げした。怒るかと思ったら本人は大感激!
上野まですっ飛んで行っちゃいました。
俺は前世でも日本の城には何か興味がなくて全然調べてもなかった。
だから、日本の城をどう作れば良いのやらサッパリ分からない。
西洋の城の方が何かグッとくるのね! 西洋の城なら詳しいのだけどね。
とにかく1つ仕事が減った。
目出度い!
村井貞勝と木下弥右衛門には内政を見てもらっている。
弥右衛門さんはあまり期待してないけど、今のところ悪い評判はない。仕事が人を育てるのだな。
仕事が人を育てるは、前世の勤務先で良く聞いたセリフだ。まあ秀吉君のお父さんだから、そこそこにはやってくれると期待したい、もしもダメなら鶏の世話でもしてもらえばいい。
森可行と藤堂虎高と島清国には軍事を丸投げした。
伊賀に来る流民に「常備兵になってくれるもの優先的に受け入れる。飯食わせて給金払うから常備兵にならないか」と、言ったら次々希望者が増えた。
今は、約5000人ぐらいになっている。
森可行と藤堂虎高と島清国には「5000人を兵として使えるように、急いで訓練してほしい!」と命令しておいた。
兵士の装備が5貫/人かかるとして5000人で2.5万貫だ。
1人が年に一石を消費するとして、米代を5000石消費か……まあ銭なら一杯あるし何とかなる。
伊賀は金持ちになったな……
武将3人組はいきなり1000人を超える兵を指揮できることに舞い上がっているみたいだ。この人達、こんなので舞い上がって大丈夫か?
勘助の方も5000人の軍師をやれんのかな? 任せて人は育つと信じよう……
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