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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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ポルトガル奪還4

「エステヴァンよ! 教会の話を聞いていたな。どう思った?」

「教会は我らを支配しようとするばかりです。教会本来の役割は何なのか、忘れてしまっているのではないでしょうか!」


「私もそう思う。崇高な教えにより民を幸せに導くというのが教会の仕事ではないのか! 彼らの考え方は権力者そのものではないか! 人を救う者の考え方ではない」


「しかし教会にしたがう国民は、王よりも教会の言うことに従うだろう! 王とは何と弱い立場なのだ」


「大事な話がまだあります! 豊穣神様の使いである玄武様は、ラ・ペステ・ネグラ(黒死病)ビルエラ(痘瘡)の薬を作ることができるのです。玄武様は、ビルエラ(痘瘡)に罹らない薬を無償でアメリカ大陸の先住民に投与しています。当然ながら、メキシコを始めアメリカ大陸の先住民たちは、自ら進んで豊穣神様の信徒になり始めているのです」


「何と! ラ・ペステ・ネグラ(黒死病)の薬を作れるのか? それを我が国民に伝えれば、国民は喜んで豊穣神様の信徒となるだろう。決断した! ポルトガルは日本の傘下となり、豊穣神様の加護を受けようではないか!」


「ご英断と思います。玄武様に会われますか? お互いに初対面ですので港での会見となるでしょう」


「そうだな。玄武様も警戒しているだろうからな」

「城の防衛に1500人を残し、1500人の兵で王を護衛しながら港に移動することにしましょう」


王と1500人の兵が港に到着する。

エステヴァンが部下に、手旗信号で蝦夷丸に伝言を送る。


……蝦夷丸旗艦……


「大執政官様、『港にて、ジョアン3世王との会見を求む』と手旗信号が来ています。いかがしますか?」


「会おう!」

「危険ではないですか?」


「定隆、特殊部隊が守ってくれるから大丈夫だ。それよりも新手のイスパニア艦隊に注意していてくれ」


「了解しました! 船を桟橋に接岸せよ!」


「特殊部隊50人を船に残し、200人は上陸!」とオヤジたち。

「どう状況が展開するか分かりません! 場合によっては、かなり危険な状況になるかもしれません。警護をよろしくお願いします」


「任せておけ! 何があってもおまえだけは殺させない。安心しろ!」


「マリアは、港から合図があるまで船で待機しておいてくれ」

「大執政官様! 念の為、私を人質として連れて行ってください。たとえ命を落としても後悔はいたしません!」


「分かった。その覚悟を尊重しよう」


特殊部隊250人が次々上陸していく。

俺、マリア、護衛の藤林保正、オヤジたちとで特殊部隊の後に続く。

海岸の特殊部隊も不測の事態に対処できるよう、迫撃砲をセットしたままだ。


桟橋の出口に展開した特殊部隊がライフル銃を構えている。俺たちはその後ろまで移動する。


ジョアン3世王が、解放軍とともにこちらに近づいてくるのが見える。


10mの距離を開けて解放軍が行軍を停止し、ジョアン3世とエステヴァンの2人がこちらに歩いてくる。


特殊部隊がライフル銃の銃口を下げる。

ジョアン3世は緊張した面持ちだ。俺だって緊張している。


……ジョアン3世……


あれが玄武様か! こんな若い男なのか! 海軍強国の我が国とイスパニアを制してここまでやってきたというのか! 豊穣神の加護とはすごいものだ。


マリアは元気そうだな。だが玄武様の前に立って不安そうな顔をしているではないか! 私が何を考えているか心配しているのだろう。もしも何かあれば、我が身を挺してでも夫を助けるつもりなのだな。


心配しおって、私が変なことを考える訳がなかろう。ここは「お父様! ご無事でなによりです」だろ。父親として少し悲しいぞ。


「この度は、ポルトガルをお救いいただきありがとうございました。この国を代表して感謝いたします。マリア! 無事な姿を見ることができてうれしいぞ。心配そうな顔をするな。我が国は日本の傘下に入る」


やっと安心した顔になったな! もっと父親を信用しろよ!

「お父様! ご無事で何よりです」


その言葉を待っていたぞ。

「王太子は、私を逃がすために討ち死にされたのです。申し訳ありません」


「マリア! おまえのせいではない。悪いのはイスパニアだ。親戚だと思っている相手に騙し討ちをする様な卑怯なやつらだ」


「王の許可を得ず、玄武様の妻となりましたこともお詫びいたします」


「何を言う! 最高の夫に嫁いだではないか。玄武様! 改めて申し上げます。我が国は日本の傘下に入ります。マリアのこと、父親としてよろしくお願い致します」


「ジョアン3世殿、これからも末永くよろしく頼みます。ただ1つだけ確認しておかないといけないことがあります。私は豊穣神と『民を幸せにする』という約束をしております。したがって、奴隷制度には反対なのです。ポルトガルは受け入れていただけますか?」


「もちろんです。少なくともこのポルトガル国では奴隷制度は認めません。お約束します」

「ありがとうございます。この国からイスパニアをさっさと追い出しましょう。打ち合わせは後ほどいたしましょう」


「頼もしいですな。マリアは本当に良き夫を見つけたものだ」


その時、護衛の兵士1500人の後方辺りがザワザワし始める。

兵が走って連絡に来る。


「大司祭が、教会の防衛兵300人を率いて現れました。その後ろには街の住民たち数百名がついてきています。教会が動員をかけたのだと思います」


ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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