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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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大海戦に向けての作戦会議

天文22年(1553年夏)22歳


特殊部隊の隊員数名が、慌ててアルバラド要塞に駆け込んでくる。


「大執政官様! ベルクルス港にイスパニアからの使者が来ました!」

「ベルクルス港に来たのだな! 報告ご苦労」


「ベルクルス港です。ベルクルス港沖に、見えているだけでイスパニアとポルトガルの連合艦隊が100隻以上停泊しています。その大艦隊から白旗とイスパニア国旗を両方掲げた短艇たんていが港にやってきました。使者は工藤祐長様に書簡を渡すと、急いで去っていきました。これがその書簡となります。祐長様は要塞で戦いの準備をされています」


使者の口上は誰も分からなかっただろうな。

今後は、通訳ペンダントを祐長に渡しておかないといけないな。


「ご苦労! まずは、ゆっくり休んでくれ」

「ハイ、ありがとうございます」


「保正! ルーシーに大急ぎで来てもらってくれ。それとすぐに作戦会議を行うぞ。関係者は大至急集まるように伝えてくれ」


「了解しました」


会議にはルーシーと藤林保正、オヤジたち、九鬼定隆、豊穣氏親、北条綱成が集まる。

「ルーシー! 書簡には何と書いてあるのだ?」


ルーシーが書簡を読み上げる。会議参加者が集中して書簡の内容を聞いている。


「新イスパニア領およびイスパニョーラ(ドミニカ共和国)島など、勝手に占領している領地からすぐに出ていけ。我らに降伏するのであれば白旗を掲げた使者を我が艦隊に寄越せ。2日間の猶予を与えるが、返答がなければ港を砲撃する。その後は我らの兵6000人がメキシコシティに攻め込む。書かれている内容は以上です」


書簡の内容が分かり、全員が臨戦態勢といった表情に切り替わっていく。


「どう戦うかだが! バカ正直に艦隊決戦などしてやるつもりはない。100隻以上の艦隊と砲撃戦を行えば、蝦夷丸にも何かしらの被害が出る。奴らの最大の弱点は、我らの使用する武器を良く知らないことだ。この利点を活かそう」


「敵の槍兵は金属製の兜と鎧を身につけている。槍兵を前衛にして後衛が火縄銃兵という陣構じんがまえで移動してくるだろう。槍兵は少々の攻撃なら跳ね返せると自信を持っているはずだ。しかし、我らが使用するライフル銃の弾丸は鎧を簡単に貫通する。また、奴らの飛び道具は火縄銃だ。射程距離も連射性も我らの敵ではない」


「ということは、敵兵を上陸させてから殲滅すればいいということになる! まず奴らは威嚇の意味を含め、砲撃を始めるはずだ。しかし砲撃に対して、我らが反撃をしなければどうする? 自分たちの武器の方が、我らより優れていると判断するはずだ。兵を上陸させて、我らを一気に畳み込もうとするだろう。敵兵の上陸は大いに結構。敵兵が上陸してしまえば、敵艦隊は砲撃ができなくなるからだ」


「砲撃ができなくなった連合艦隊を、要塞から大型ライフルと迫撃砲で沈めてしまおう。特殊部隊600人はベルクルス港に移動し、要塞の兵と協力して海岸に展開する敵兵を殲滅してほしい。連合艦隊への攻撃についてだが、ポルトガル艦隊は沈めないでくれ。喫水線より上に穴を少し開ければいい。もちろん間違って沈めてしまっても構わない」


「イスパニア艦隊が沈没し、ポルトガル艦隊だけが帰国すればどうなると思う?」


「ベネズエラの港を、ポルトガルの旗を掲げた船が攻撃していることが効いてきます!  イスパニアの王は、ポルトガルがイスパニアを裏切ったと確信するでしょう」と氏親。


「その通りだ! イスパニアとポルトガルとが仲違いして、戦争でも始めてくれれば最高だ! それとベラクルスとアルバラドの要塞には日本の旗を立ててくれ」


「おお……新イスパニア領を占領しているのは日本だと宣言するのですね! ポルトガルの奴らは東南アジアで散々な目にあっていますから、日本の旗を見たら腰が引けるかもしれませんね!」と氏親。


皆の顔が高揚してきている。

戦国大名はこういうのが大好物だからな! 血の気が多いというか! 何というか!


「この会議の後、特殊部隊600人はベルクルス港に向けてすぐに出発してほしい。祐長に会議の内容を伝え、要塞の兵と共に上陸した敵兵の攻撃に参加してほしい。捕虜はいらない! 全て殲滅せよ」


「アルバラド港についてだが『兵6000人によりメキシコシティに攻め込む』と書簡に書いてあるのだ。アルバラド港に攻めてくる可能性は少ないだろう。しかし我らを欺こうとしているのかもしれない。何があろうとも、この要塞は絶対に守り切ってほしい。特殊部隊200人は、要塞の兵と共に上陸した敵兵の攻撃に参加してほしい」


キスケーヤ(ドミニカ共和国)についてだが……仮に奴らが上陸したとしても、特殊部隊とキスケーヤ(ドミニカ共和国)で養成中のゲリラ部隊とでゲリラ戦を仕掛ければ、敵兵は誰も生きて帰れないだろう。だが敵連合艦隊も兵力を分散することにより、大軍の優位を捨てようとはしないはずだ」


「陸については以上だ。次は海についてだ。蝦夷丸艦隊60隻には俺が乗船し指揮する。ベラクルス沖のイスパニアとポルトガルの連合艦隊と海戦をすることになるが、状況を判断しながら臨機応変に攻撃を行う。予め策を決めておいても意味がない。現時点では敵艦隊の総数すら分からない状況だからな。では出陣するぞ!」


「オー」

全員が勢い良く返事をする。

さすが戦国時代の人たち。いくさを怖がっている者は1人もいない。


ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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