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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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サント・ドミンゴ3

「信仰するのは構わない。豊穣神様は誰でも受け入れてくれるはずだ」

「おお! ありがたい」


「まず死体を海岸に運んで火葬してくれ。それが終わったら街に残っている食料と財産の回収だ。イスパニアの奴らが体制を整えて攻めて来る前に終わらせておきたい。頼むぞ」


奴隷にされていた2000人が動くと、死体の運び出しや、海岸での火葬はすぐに終わる。火葬が始まると、海岸に数名残して他の者たちは、食料と財産の回収に向かっていく。


俺は至高の匠スキルで要塞を修復していく。要塞は、横200m縦200m、防壁の高さは5m、中央部の塔は高さが20mくらいはある。自分たちが壊したところだけを補修すれば十分だ。中央部の塔に大型ライフルや、迫撃砲を持ち込めば難攻不落の要塞が完成だ。


奴隷にされていたタイノ族たちが、食料とイスパニア商人たちの財産を持ってきた。残っていた財産は微々たるものだった。彼らが回収した金銀は元々タイノ族の物なのだ。有効に使ってもらうように伝え金銀を渡す。


食料は要塞の中の倉庫に納めてもらう。

イスパニアが今夜にでも逆襲してくる可能性があるので、少し狭くなるがタイノ族やアフリカ人から連れてこられた奴隷たち2000人は、要塞の中で休んでもらうことにする。


タイノ族やアフリカ人は要塞が修復されていることなど気にもしない。この先、自分たちがどうなるかの方が心配なのだ。さっさと眠りについている。


翌日、俺はオヤジたちに、山間部のプエルト・プラタと、サンティアゴ・デ・ロス・カバリェロスの街まで偵察に行ってもらった。両方ともこの年代だと人口1000人くらいの街のはずだ。


また、奴隷にされていた者たちの中から志願兵を募る。志願した500人で散弾銃部隊を作る。指導役は藤林保正に頼んだ。保正に通訳ネックレスを貸し出し、中庭で訓練をさせている。


そんな中「イスパニアのガレオン船3隻が港に向かって来る」という知らせを受ける。港を俺たちに占拠されたことを知らないため、無防備にどんどん港に近付いてくる。俺は「船員を数名生け捕りにしろ」と蝦夷丸に手旗信号を送らせる。


蝦夷丸が動き出す。船舷をガレオン船に向けると、大型ライフルの狙いを舵に集中させる。舵が壊れれば船は動けない。敵船の大砲の射線を外しながら近づいていき、ライフルでデッキにいる船員を倒していく。


イスパニアの船から白旗が上がったので、蝦夷丸から敵船に乗り込んだ海兵たちが敵を縛っている。鹵獲した敵船を港まで曳航する。


手旗信号で、全ての捕虜を港に連れて来るよう命じる。しばらくして、短艇たんていに乗せられた艦長と船員たちが連れて来られる。


「定隆、船内には何があった?」

「金と銀、他には奴隷ですね」


「奴隷もこちらに連れてきてくれ」


「あなたがイスパニア船の艦長か?」

「おまえは誰だ? 海賊なのか? こんなことをしてイスパニア本国が黙っていないぞ。おまえら全員殺されるぞ」


「余計なことは言うな。私の質問に答えろ。嫌なら死んでもらう。質問は別の者にすればいいからな」


艦長の表情が変わる。やっと状況が理解できたみたいだな。


「どこの港から来た? 積み荷はどこからのものだ?」

「ポルトベロ港からだ。積み荷はペルー副王領のものだ。パナマを経由してここまで運んできた」


「ガレオン船は、ポルトベロ港に何隻残っている?」

「1隻もいない。この3隻のガレオン船で、ポルトベロ港とサント・ドミンゴ港を往復しているからな」


「ポルトベロ港の規模は?」

「奴隷を含めて500人くらいの街だ」


「ガレオン船はどこで作った?」

「イスパニア本国だ」


「こちらには造船所はないのか? 船の修理はどうしている」

「造船所はない。傷んできたら本国に戻して修理する」


「フランス国の状況を知りたい」

「しばらく本国に戻っていないので、それは知らない」


「サント・ドミンゴ港に集めた物は、いつ本国に運ぶのだ」

「年に2回、輸送用のガレオン船と護衛の戦闘艦がやって来る。来月辺りにはやって来るぞ」


「戦闘艦は何隻だ?」

「20隻だ。おまえらは、その戦闘艦に沈められてしまうぞ。奴らは強い! 海戦に慣れているからな」


「その戦闘艦はこの港に来るのか?」

「そうだ。北にも港はあるが予備程度にしか使っていない。この港に来るぞ。さあどうする。我らを解放すれば、殺されないように計らってやるぞ!」


「この後、おまえ達をどうするかだが。おまえ達が連れてきた奴隷に任せようと思う。奴隷たちが逃がしてやってくれと言えば、逃がしてやる」

艦長の顔色が変わる。


「奴隷たちを呼んできてくれ」

船に乗せられていた300人の奴隷が集まってくる。どの奴隷も、艦長と船員を睨みつけている。


「こいつらをどうするかだが! おまえ達に任せる。おまえ達がこいつらを逃がしてやれというなら逃がす。どうするか決めてくれ」


奴隷を代表しているらしい男が、俺の前で跪く。

「我らに任せていただけるのですか?」

「そうだ。自由にしていいぞ」


「こいつらがインカ帝国で行ったこと、我らの村でやったことは、許せるようなことではありません」


「任せる。ただし死体は必ず火葬しておいてくれ。疫病が発生するからな」

「分かりました。約束いたします」


「槍を貸そうか?」

「いえ、この海岸の石で十分です」


「終わったら、あの要塞に来てくれ。この街で奴隷にされていた者もいるぞ。知り合いがいるかも知れない。要塞で、おまえ達はどうしたいのか聞かせてほしい」




ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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