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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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サント・ドミンゴ1

会議の終わりを告げると、藤林保正、オヤジたち、九鬼定隆、藤堂虎高、豊穣氏親、北条綱成、秋山虎繁、馬場信春、内政官の代表者、正直屋の代表が一斉に頭を下げる。しかし藤堂虎高、豊穣氏親、北条綱成、秋山虎繁、馬場信春は去ろうとはしない。


会議で話された内容に対して、まったく理解が追いついていないのだ。


「保正と定隆は、彼らの質問に付き合ってくれ。場合によっては明日も明後日も頼む」

「承知しました。これだけ多くのことを一度に話され、一回で理解できるのは信長様、幸隆様、勘助様くらいでございます」と保正。


残った連中からの、質疑応答が夜遅くまで続いているようだ。


ここから3ヶ月間は、アルバラド港、スペリオール港、ベルクルス港の整備だ。忙しくなると思う。


しかし、ホウジョウシティ(メキシコシティ)を始めとした、アステカ領全州の整備はもっと大変だろう。州への人員配置、内政官の教育体制、食料増産と備蓄、医療体制、幹線道路の整備、抵抗勢力の排除……氏康殿に全部お任せしているが、さぞかし大変だと思う。健康は大丈夫だろうか? 


国を治めた経験と言っても、日本の中のほんの1地域だからな。アステカ領は日本の約5倍も広さがある。こんな仕事を任されるとは、夢にも思っていなかったのではないだろうか。憲秀、クアウテモック2世、ミスティトルを使って何とかやり遂げてください。


アステカ領は北条家に任せるかな?


天文22年(1553年冬)22歳


俺は保正とオヤジたちともに、蝦夷丸15隻に特殊部隊1700人を乗せ、イスパニョーラ(ドミニカ共和国)のサント・ドミンゴ港を目指している。


「定隆、海の色が違うな。綺麗だな」

「本当にそうですね」


「大執政官様! あの島がイスパニョーラ(ドミニカ共和国)です」

「イスパニョーラ島とは、イスパニアの島という意味だ」


「名前の付け方がすごいですね!」

「先住民にとってはいい気分はしないだろうな。あそこにガレオンガレオン船が4隻いるな。沈めるぞ」


「了解しました。海上強襲隊40人出撃! 各艦に連絡!」

海上強襲隊が蝦夷丸から降ろされていく。海上強襲隊は寒い海での運用は難しいが、赤道近くの温かい海との相性はいい。


海上強襲隊40人が4グループに分かれて、それぞれターゲットのガレオン船に向かう。ガレオン船のデッキでは、船員が右往左往している。やがて船舷から、銃とクロスボウを構えた船員が海上強襲隊に狙いを付け始める。


既にガレオン船から何発か撃っているが、揺れる船の上から、150mも離れた小さい的に当てるのは無理だ。逆に海上強襲隊のターゲットはガレオン船になる。150m離れても巨大な的を外す訳がないのだ。


海上強襲隊がガレオン船から150m離れたところで止まり、グレネードランチャーを構える。40発のグレネード弾が10発ずつ、それぞれのガレオン船に向かって飛んでいく。


ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン!

ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン!


イスパニアのガレオン船は、船体に大きな穴が空き、浸水して沈んでいく。海上強襲隊が蝦夷丸に戻ってくる。


海上強襲隊が敵だったら、どう対処するかな? 難しいな! 機関銃くらいはほしいところだな。さっさと波の大きい遠海に逃げるのが正解だろうな。


「定隆、昨日地図で確認したことを覚えているな。オサマ川の河口の西岸にオサマ要塞がある。街はそこから少し離れている。距離計を使って500mまで近づいたら、15艦から10門の迫撃砲で攻撃せよ」

「了解しました。各艦に連絡せよ!」


迫撃砲から150発の榴弾が大きな要塞に向かって飛んでいく。

トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン!

ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン!


要塞からも砲弾が飛んでくる。しかし蝦夷丸からかなり外れて着弾。蝦夷丸に弾を当てるためには、何度か4台の大砲の角度を調整しなければならないだろう。今のところ弾は全然届いていない。感で角度と火薬量を調整し、短い時間で500m先の船に弾を当てるのは、日頃から相当訓練をしていないと無理だろう。


蝦夷丸側は、標的となる要塞が巨大なこと、簡易だけど距離計もあること、距離に合わせて角度が決まっていること、弾数が多いこと、訓練回数が多いこと、全ての面において優位なのだ。


「定隆、調整して2発目を発射」

「了解しました。各艦に連絡せよ!」


迫撃砲から、角度を微調整された150発の榴弾が大きな要塞に向かって飛んでいく。

トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン!

ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン!


今度は、大きな要塞中央部に榴弾が飛び込んでいく。要塞からの砲弾は、もはや飛んでこない。


「定隆、要塞に距離200mまで近づけたら、大型ライフルとグレネード弾で攻撃せよ」

「了解しました。各艦に連絡せよ!」


蝦夷丸が要塞に近づく。

ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン!


要塞から兵たちが逃げ出しているのが見える。兵が逃げ出す様子を見て、街の住民たちもイスパニョーラ島中央部にあるラ・ベガという街の方向に向かって逃げ出し始める。


「定隆、街の大きな建物と大聖堂に、大型ライフルの弾を撃ち込め。建物の屋根を壊せばいい。住民の移動が早まるはずだ」

「了解しました」


大きな建物と大聖堂の屋根が吹き飛ぶ。それを見た住民たちは、馬車に飛び乗り急いで移動していく。馬車がないものは走っている。




ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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