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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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新パナマ運河4

天文21年(1552年秋)21歳


日本からアカプルコに、蝦夷丸30隻が到着した。


石炭、水、食料の補給を受け、10日間の休養を取った後、スペリオール港を目指して航行を開始する。大道寺政繁に伝えておいた俺の指示に従い、スペリオール港に兵1000人、ガレオン船が作れる職人100人、独身の農民200人、内政官10人、黒鍬建設100人が下船する。


下船が終われば、蝦夷丸30隻はアルバラド港を目指して航行する。2日でアルバラド港に到着する。アルバラド港に兵3000人、独身の農民200人、正直屋を200人、内政官40人、黒鍬建設100人が下船する。


たくさんの人たちが、日本から来てくれたおかげで、いろいろ出来るようになったな。

街の建設で急ぐのは住宅建設だ。黒鍬建設だけに任せないで、兵も含め全員参加でやらせよう。完成するまでは蝦夷丸に寝泊まりすればいい。


その次は、ガレオン船を作るための造船所の建設だな。だが、そんなに急がなくてもいいか。ガレオン船の修理はできるのだから、イスパニアのガレオン船をせっせと鹵獲してこよう。修理して使えばいいからな。


米作りは、連れてきた農民たちが頑張ってくれるだろう。花嫁はアカプルコから希望者を連れてくればいい。日本人は人気があるのだよ。


そんなことを考えていると、豊穣氏親と藤堂虎高が、俺のところに走ってやってくるのが見える。懐かしいな!


「大執政官様、我ら要請に従いやってきました」とうれしそうな氏親。

「遠いところまでご苦労であった。2人ともさすがに疲れているだろう。まずはゆっくりと体を休めてほしい」


「少々疲れてはいますが、いよいよ決戦が近づいていると聞いては、力が湧いてきます! そう言えば可成殿が、こちらに来られなくて残念がっておりましたぞ」と虎高。


「豊穣神様からいただいた手紙像を使って、まずは家族、そして可成殿にも手紙を書くといい。いずれにしても、まずはこちらの気候に体を慣らしてほしい。果物も美味いぞ! いっぱい食べるといい」


「氏親は背も伸びたし、逞しくなったな。氏康殿はホウジョウシティ(メキシコシティ)で大活躍してくれているぞ。昔から北条家には助けられてばかりだ」


「私の命は、大執政官様に救っていただいたのです。この命、存分にお使いください」

「ありがとう。期待しているぞ」


「虎高もそうだな。ここ一番のいくさでは、いつも助けられているな。今度も頼むぞ」

「もちろんです。異国にまで行けるとは思いませんでしたぞ! 大執政官様に付いていくのは真に楽しいです」


日本からやって来た兵たちには、住宅建設で汗を流してもらおうか! 時差もあるし、早くこちらの環境に体を慣らしてほしいな。



さっそく、関係者を集めて会議を行う。

参加者は、俺、藤林保正、オヤジたち、九鬼定隆、藤堂虎高、豊穣氏親、北条綱成、秋山虎繁、馬場信春、内政官の代表者、正直屋の代表である。


まずは、地図を眼の前に置いて、日本国アステカ領の現状、イスパニアの状況、パナマやインカ帝国の状況の説明を行う。まずは、いろいろな情報を頭に入れてもらわないと会議にならないからだ。


信長から報告をもらっている東南アジアの状況についても簡単に説明しておく。

情報量が多いので、随分と時間が掛かった。日本から到着した連中は、話についていくだけで精一杯のようだ。


「ここまでの説明で不明なところは、保正に補足してもらってくれ。では続けるぞ! アルバラド港には豊穣氏親殿と北条綱成殿が兵2000人で守りを固めてほしい。スペリオール港は藤堂虎高と兵1000人だ。状況により、お互いの兵を融通する関係となるだろう」


「さらに、ここから約50km北西にベルクルス港がある。ここを馬場信春殿と兵500人で守ってほしい。さらにベルクルス港から北に約700kmにあるマドレ湖に作る予定の港を秋山虎繁と兵500人で守ってほしい」


藤堂虎高、豊穣氏親、北条綱成、秋山虎繁、馬場信春、内政官の代表者が頭を下げる。


「天変地異でできたこの水路は、ヨーロッパの国々が大西洋から太平洋に進出するために、何が何でも手に入れたい水路のはずだ。またベルクルス港は首都ホウジョウシティ(メキシコシティ)の喉元になる」


「マドレ湖に作る港は、地図にある広大な北アメリカ大陸(アメリカ合衆国)へ進出するための拠点であるとともに、蝦夷丸の燃料となる石炭の搬出港になる。だがマドレ湖にはまだ港を作ってはいない。それまでは兵1000とともに信春殿と虎繁殿の2人でベルクルス港を守ってほしい」


秋山虎繁がホッとした顔をしているな。右も左も分からない異国に来て、いきなり1人だけそんな遠くに行かされるのか!……という不安そうな顔をしていたからな。


「スペリオール港の方は、パナマにいるイスパニア総督が、どう判断するかによるが、場合によっては陸路を攻めてくるかもしれない。我らがパナマ港の船を沈めているから、船での攻撃の可能性は低いだろう」


「どこの港も安全なところはない。しかし、今すぐどこかの港が攻められる状況ではない。その間に我らは街作り、港の整備、防衛態勢の構築、兵の訓練、周辺に住む先住民との融和などなど、いろいろな案件を大急ぎで進めなければならない」


「大執政官様! ヨーロッパの国々とは、どちらかが倒れるまで戦うおつもりですか?」と氏親。


「ヨーロッパとの大海戦に勝利し、我が国の力を認めさせることができれば、いったん和平条約を結ぶつもりでいる。そのために、敵の敵である強国のオスマン帝国とも手を組もうと思っている。そのあたりは、また後でゆっくり説明しよう」


「ヨーロッパと大海戦を乗り切ったなら、我らは北アメリカ大陸(アメリカ合衆国)を目指す。その広い国に進出することができれば、日本国は世界で一番大きな国となるだろう。北アメリカ大陸(アメリカ合衆国)は日本のざっと25倍もあるのだ」


参加者の顔が高揚している。


「内政官はアルバラド港、スペリオール港、ベルクルス港の運営を頼む。人員配置は任せる。正直屋は、日本から持ってきた産品を使って商売をしてみてほしい。場所はここの北アメリカ大陸(アメリカ合衆国)だ」


「だが、まずは自分たちの店舗や倉庫の整備が先だな。それと、交易に向かう際には通訳ペンダントを貸し出す。豊穣神様から頂いたものだ。これがあれば、どこの国の人とも話ができるぞ」


「使い方は保正に聞いてくれ。商売は抑えめでいい。相手を騙したりしてはダメだ。今の段階では、どんな先住民がどのくらい住んでいるかをじっくり調査すること、彼らとの伝手作りを優先すること、とにかく信頼関係を築くことが主たる目標だ。交易は二の次でいい。焦らずじっくり進めてほしい。もちろん特殊部隊の警護もつける」


「3ヶ月間もあれば、ここで早急にやるべきことの目処がついてくるはずだ。その後、蝦夷丸艦隊と特殊部隊はイスパニョーラ(ドミニカ共和国)を攻略する。ここはイスパニアがアメリカ大陸に進出するための拠点になっている島だ」


「面白そうですね。イスパニョーラ(ドミニカ共和国)を攻略すれば、いよいよイスパニア艦隊との海戦もありそうですね」と九鬼定隆。


「あるだろうな。取り敢えず本日の会議はこれで終わる」


ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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