新パナマ運河3
スペリオール湖岸に上陸後、護衛の特殊部隊に周辺の調査を命じる。暫くして特殊部隊が戻って来る。『先住民らしき人の気配なし』という報告だ。特殊部隊にこの場所で待機を命じ、目的とする場所を目指して3人で走る。距離にして8kmぐらいだ。
山の高さや、平地の広さを確認しながら走り回る。
「定隆、疲れていないか?」
「全く疲れていません。船乗りは足腰が丈夫でなければやれませんから」
俺は、定隆、保正と、地形を確認しながら、防御壁を作るのに良さそうな場所に、至高の匠スキルで防御壁を作っていく。防御壁が完成したので、後は港の構築だ。
「定隆、港の突堤はこのあたりがいいだろうか?」
「ハイ、このあたりに沖に向かって2本あれば、大助かりです」
「では、突堤を2本作る。突堤に船を横付けしてもいいし、浮き桟橋を作っておけば横付けできる船の台数を増やせるはずだ」
「それと街を建設するのはこのあたりでいいかな?」
「突堤から積荷を運び入れるには、そのあたりでいいと思います」
「では、街を囲むように高さ5mの土手を作っておこう」
高さ5mで1辺が500mの正方形の土手ができあがる。続けて土手の四隅に、高さ7mの大きな塔を作る。この塔から大型ライフルと迫撃砲で沖合の船を攻撃できるし、ライフルで上陸した敵兵を攻撃できるはずだ。
「いつ見ても、豊穣神様の加護の力は素晴らしいですな」と定隆。
「口外無用だぞ! 伊賀の三蔵の時ならまだしも、大執政官になってしまったからな。民が私のことをどう思うかも含め、いろいろなことを考えないといけないのだ。あくまでも『豊穣神様がいつの間にか作って下さった』にしておくのがいいのだ。これでスペリオール湖は終わりだな、旗艦に戻ろう。そして24隻を引き連れて、アルバラド湖に向かう。5隻はスペリオール湖の警護に残してくれ」
約300kmの海路をゆっくりと進むと、アルバラド湖が見えてくる。24隻を水路で待機させ。旗艦のみで、アルバラド湖に入っていく。アルバラド湖岸の西側にオヤジたちと、特殊部隊が立っているのが見える。
アルバラド湖岸の西側に近づき、手旗信号で特殊部隊の半数は西側地域30kmの範囲の調査と地図作成を命じる。残りの半数を、アルバラド湖の東側に運ぶので、東側地域30km程度の範囲の調査と地図作成を命じる。
旗艦に乗り込んできたオヤジたちに聞くと、こちらでも天変地異による地震や大波はなかったそうだ。
俺、定隆、保正は、短艇でアルバラド湖出口の東側に降ろしてもらう。旗艦は特殊部隊をアルバラド湖の東側に運び終わったら、そのままアルバラド湖で待機してもらう。
アルバラド湖の出口の東側に立っているのは、俺、定隆、保正の3人だ。
「定隆、港の突堤はこのあたりがいいだろうか?」
「ハイ、このあたりに沖に向かって2本あれば良いと思います」
「では、突堤を2本作るぞ」
突堤は至高の匠スキルで出来上がっていく。
「それと街を建設するのはこのあたりでいいかな?」
「突堤から積荷を運び入れるには、そのあたりでいいと思います」
「では、街を作る予定地を囲むように高さ5mの土手を作ろう」
高さ5mで1辺が500mの正方形の土手ができあがる。続けて土手の四隅に、高さ7mの大きな塔を作った。スペリオール湖と同じものだ。
「街の建設は、黒鍬建設にさせよう」
建設が一通り終わったので、旗艦に待機させていた24隻を呼びに行かせる。日が暮れる前に特殊部隊も戻って来る。
特殊部隊や海兵たちは、アルバラド湖の出口に建設された港や土手を見ても、特に気にしている様子はない。きっと神様が作ってくれたのだろうと思っているようだ。
調査から戻ってきた特殊部隊によると、このあたりは大きな川や小さな川が入り組んだ湿地帯らしい。そこに天変地異でできた水路が、違和感なく自然な状態で出来ているそうだ。
湿地帯には小規模な部族が、小さな船で暮らしているが、我々に対して特段の敵意はないとのことだった。作成してくれた地図をありがたく頂いた。地図がなければ作戦は立てられないからね。
この辺りが湿地帯なら、ホウジョウシティに攻め込むためには、やはりベルクルス港に上陸するしかないな。ベルクルス港も同じように要塞化しておくか。
翌日、海兵にアルバラド湖の水深を調査させた。どうも湖岸付近になると、いきなり水深が浅いところがあることが分かった。推進が浅くなる場所には浮標を浮かべさせるよう指示しておいた。蝦夷丸が座礁すると救助が大変だからな。
ルーシーに預けている手紙像で、北条氏康殿に手紙を送る。手紙には、ホウジョウシティから、ベラクルス港に向けて食料を定期的に運ぶことや、アカプルコに運んでいる石炭をベラクルス港に運ぶよう変更することを書いておいた。
氏康殿なら俺がやろうとすることを理解し、ベストな計画を立案し実行してくれるはずだ。
さて、ベルクルス港もここと同じ規模で要塞化するとして、取り敢えず特殊部隊300人を配置しよう。スペリオール港も300人だな。残りの特殊部隊900人はアルバラド港に配置しよう。そのうち豊穣氏親たちがこちらに来れば、連れて来る兵と、特殊部隊を入れ替えよう。
突堤に係留している25隻の蝦夷丸の1隻を、当面の間資材運搬用に使うか。この1隻で、ベルクルス港とアルバラド港、スペリオール港の間の食料や人員の輸送をしてもらえばいいな。定期連絡も必要だ。
そうだ、サビナス盆地からベルクルス港への石炭の運搬はどうするかな。馬車による運搬も、蝦夷丸による運搬も両方できるように、ベルクルス港から北西に約700kmにあるマドレ湖にも港を作るかな。
それにマドレ湖まで来ると、すぐ北が前世のアメリカ合衆国テキサス州なのだよ。今後のことを考えると、マドレ湖は石炭の積み出し基地としても、アメリカ合衆国進出の拠点としても重要になるな。そのような計画も氏康殿に、手紙で知らせておこう。
翌日俺は、蝦夷丸旗艦に乗ってベルクルス港に向かう。アルバラド港と同様の突堤と、街を囲う外壁、石炭の貯蔵倉庫を至高の匠スキルで作った。そして後日、特殊部隊300人をベルクルス港とスペリオール港に配置し、残りをアルバラド港に配置することにした。
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