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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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氏康がやって来る

総督府に戻り、現在の状況をクアウテモック2世に確認する。

12万の兵を1日で葬ったことが各地に伝わっている。誇張された部分もあるだろう。この国の民は、ホウジョウシティ(メキシコシティ)に戦神が降臨したと思い込んでいるらしい。


また、ホウジョウシティ(メキシコシティ)には医神も降臨しており、痘瘡とうそうに罹らなくする薬を無料で施しているという噂が、国中を駆け巡っているらしい。そういえば病院の前で、祈りのポーズをしている人がたくさんいたな。


クアウテモック2世は、ホウジョウシティ(メキシコシティ)に降臨した神様の代弁者として崇められているということだ。クアウテモック2世の言葉は神の言葉とされ、国の運営がスムーズに進んでいるらしい。


また、サビナス盆地を治めることになった州知事が、石炭を大急ぎでアカプルコの港に運んでいるそうだ。2ヶ月くらいすれば、蝦夷丸の行動範囲を広げることができそうだ。


天文21年(1552年夏)21歳


アカプルコの藤林保正から手紙がくる。里見義弘が蝦夷丸5隻でやってきたという。

船には独身の農民が400人、内政官が50名、北条家の陸兵300人に加えて、何と北条氏康、松田憲秀まつだ のりひで大道寺政繁だいどうじ まさしげが乗っているそうだ。


氏康殿は、日本国アステカ領の首都の名前がホウジョウシティ(メキシコシティ)となったことを聞いた途端、居ても立っても居られなくなり蝦夷丸に飛び乗ったらしい。憲秀と政繁は殿が行かれるのであればと、一緒に付いてきたというのだ。


農民400人は、さっそくアカプルコでの米作りに振り分けたそうだ。先住民の女性とどんどんカップルになって、米作りも子作りも頑張ってほしい。


氏康たち3人は、アカプルコから馬車で、陸兵300人、内政官50人とともにホウジョウシティ(メキシコシティ)に向かっていると書いてあった。


やった、氏康殿ならアステカ領を任せられる。しかも内政上手の2人も連れて来てくれている。氏康殿、ありがとうございます。クアウテモック2世は優秀だが、彼1人にアステカ領全てを任せるには、少し荷が重いからね。


北条氏康殿の肩書は、アステカ領執政官にしよう。何か適当だけど、クアウテモック2世と協力してこの国の運営をお願いしよう。


里見義弘たちは疲れているだろうから、20日間はしっかり休養を取ってもらい、ハワイ経由で日本まで戻ってもらおう。



……数日後……


氏康たちがホウジョウシティ(メキシコシティ)に到着した。


「氏康殿、遠路遥々ご苦労様です。憲秀殿と政繁殿も、遠いところまでありがとうございました。こちらは総督のクアウテモック2世、その側近のミスティトルです。この国は、疱瘡ほうそうで多くの民が死んでしまいました。内政官も医者も、とにかく人が足りません」


「それと、イスパニアがこの国に上陸するために使っていたベラクルス港の統治が、手つかずにそのまま残っています。先日、ベラクルスで敵船を3隻沈めてきましたが守備兵の配備など、まだなにもできていない状況です」


その後、アステカ帝国がどう滅びたか、メキシコシティをどう攻略し、どう防衛したかについての説明をしておいた。戦国武将である氏康、憲秀、政繁の3人は興味津々で話を聞いている。


「イスパニアの残党と反アステカ連合軍の12万を撃破したことで、反アステカ勢力の王たちも大人しくホウジョウシティ(メキシコシティ)で暮らしています。しかし内政の整備は、まだまだこれからなのです」


「しかし、氏康様が来てくださり安心しました。この通訳ペンダントをお着けください。豊穣神様から頂いたものです。このペンダントが通訳をやってくれるので誰とでも話ができるようになります」


「豊穣神様の加護は、本当にありがたいものだな」

氏康、憲秀、政繁の3人が手を合わせている。


「アカプルコでは米は作れますが、ここでは米は作れません。米作りに適した気候ではないのです。代わりにセンティリ(とうもろこし)という穀物が採れます。通訳ペンダントはまだありますので、必要な時に憲秀殿と政繁殿もお使いください」


「では、後はクアウテモック2世といろいろ打ち合わせてください。それと内政官の50人ですが、40人はホウジョウシティ(メキシコシティ)の内政を、10人は内政の学校を担当させてください。ここで育った内政官にこの国の内政運営を任せることになるでしょう」


「学校の建設はミスティトルに指示してください。通訳ペンダントは、必要に応じてもっと貸し出します」


「いろいろ大変そうだな。任せてくれ」と氏康。

「氏康殿たちが来てくださり助かります。私はまだまだやることがあるので、万事よろしくお願いします」


「豊穣神様! 聞こえますか?」

「アステカの民を救ってくれて感謝しておるぞ。私の評価がまた上がったのだ。それで要件は何じゃ?」


「ベラクルスの港に行ってきましたが、やはり蝦夷丸を大西洋に入れないと、ベラクルスの港にやって来るイスパニアを防ぐのは難しいです」


「それと今の年代だと、インカ帝国の生き残りはイスパニアから逃れて、ビルカバンバに立て籠もっていると思います。インカ帝国からイスパニアを追い出すには、インカ帝国から取り上げた金や銀を、イスパニア本国に持って帰れなくしてやればいいと思うのです」


「インカ帝国から略奪した物資は、いったんパナマの街に集められ、陸路で大西洋側のポルトベロ港に、そこからイスパニア本国に船で輸送されています。パナマの街を壊滅して使えなくする方法もありますが、既にパナマの街には総督府もあり、イスパニアの商人たちも住み着いています。従って、街を壊滅することはできません」


「そうなるとポルトベロ港を使えなくするしかないのです。そうすれば、拠点であるパナマの街が機能しなくなります。インカ帝国内のイスパニア軍は補給を受けられなくなり弱体化し、インカ帝国が力を取り戻すと思います」


「それならば、至高の匠スキルを使って、ベラクルス港で蝦夷丸をたくさん作れば良いではないか?」


「蝦夷丸は蝦夷州で作っていることになっていますので、いきなりベラクルス港に蝦夷丸が出現したらおかしいのです」


「ではどうするのじゃ?」


ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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