表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

210/242

光秀の病院

数日後、俺たちはホウジョウシティ(メキシコシティ)に到着する。首都は人で溢れかえっている。建物の建設もどんどん進められている。


「ところで、痘瘡とうそうに罹らない薬があるのだが。あなたたちは、どうする?」

「なんと! 日本には、そのような薬があるのですか……是非頂きたいです」


「予防接種というものだ。一度しておくと痘瘡とうそうには一生涯罹らない。アカプルコに移動する前に接種しておくといい。明智光秀という医師に頼んでおく」


特殊部隊と別れ、俺は総督府の中に入っていく。その後ろを4人が付いて歩く。


「工藤兄弟を呼んでくれ」

「直ぐに呼んでまいります」


程なくして、工藤昌祐と工藤祐長が急いでやってくる。


「大執政官様、ベラクルスの件はお疲れ様でした」


「イスパニアの艦を3隻沈めてきた。こちらの女性は、サラの友人だ。ベラクルスの港で出会ったのだ。不思議な縁もあるものだ。この4人に、光秀の予防接種を受けさせたいのだが、光秀はどこにいる?」


「光秀殿は新たに作った病院にいらっしゃるはずです。それにしてもサラ様の友人ですか! そういう事もあるのですね」


「私がいない間、ホウジョウシティ(メキシコシティ)に何か問題は発生していないか?」


「何もありません。強いて言えば光秀殿の病院が忙し過ぎて、苦労されていることです。アステカ帝国にも医師がいたそうですが。痘瘡とうそうで、多くの者が死んでしまったようです。病院では、医師を目指すアステカの若者が光秀殿に学んでいます。しかしまだまだ時間は掛かりそうです」


「そうか光秀も苦労しているな。光秀のところに激励に行ってくる。ルイーズたちもついて来てくれ」

「ハイ、分かりました」


首都の道路は、人が忙しそうに行き交っている。確かに問題なさそうだ。特殊部隊の護衛とともに病院に近づくと、患者の列が病院の外までできている。早く若い医師を育てないといけないようだな。


病院は2棟ある。1棟は予防接種専用だ。もう1棟で病気や怪我の治療を行っている。予防接種の方の列も長い列になっているが、こちらの方は時間とともに解決していくだろう。


「看護婦に、この4人の予防接種を先にお願いしたいと伝えてくれ」

護衛の1人が看護婦に伝えに行く。


「こちらにどうぞ」と4人は別の部屋に案内される。予防接種を終えた4人が、病院の治療の様子を少しだけでも見せてほしいと希望するので、光秀のところに連れていく。光秀は外科治療を行っていた。俺の顔を見てこちらに来ようとしたが、手で必要ないと合図した。


「忙しそうだから夜に話をしよう。この4人が治療の様子をどうしても見てみたいというので連れてきた。サラの友人なのだ。邪魔にならない場所はどこだろう?」


「少し離れたその辺から見ていてください。見習いの医師たちも、そこから見させるようにしています」


光秀は大きな切り傷になっているところに麻酔注射をし、湾曲した縫合針で手際良く縫合していく。4人にとって、縫合手術の様子を見るのは初体験である。4人は食い入るように見ている。この時代だとヨーロッパでもこんなことはやっていないはずだ。


縫合が終わると看護婦が手際良く包帯をしていく。ルイーズを護衛する2人は、戦場経験もあるので感心しきりである。縫合が終わると、光秀は次の患者のところに移動する。

今度は聴診器と問診を行い、看護婦に必要な薬を指示している。


この時代の人間なら誰もがびっくりするはずだ! なんせ前世の医療技術だからね。


「そろそろ良いですか? 総督府に戻りましょう」


「日本の医学は進んでいますね。許していただけるのであれば、私もここで医学を学びたい。逃げるだけの人生では意味がありません。人のためになることに、自分の人生を使いたいと思うのです。許可いただけないでしょうか?」と真剣な顔のシャルル。


「ルイーズ、どうしますか?」

「シャルルが望むなら、彼が納得するまでここにいようと思います。その間、私も看護婦の仕事を学ばせてください」


「護衛の2人はどうしますか?」

「我らは、特殊部隊に入れてもらえないでしょうか?」とレオンとミシェル。


「特殊部隊の訓練は死ぬほど辛いですよ。彼らはベラクルスまで走って移動して、戦闘をし、走って帰ることができますよ」

「我らには……無理のようですね!」


「工藤昌祐がアステカ兵の訓練を行っています。体が鈍らないように、その訓練に参加するのはいかがですか。病院は特殊部隊が警護しているので、ルイーズもシャルルも安全です」


「是非お願いします」


その後、俺は明智光秀と工藤昌祐に4人のことを頼んで彼らと別れた。4人にずっと構っている訳にはいかないのだ。予定が変わったのだ。ルイーズにルーシーやサラ宛に手紙を書いてもらおう。


夜になり、光秀と話をする。


「この国の医師の育成をどうすればいいかな?」

「まずは医療に適正のある若者を見つける必要があります。アステカ帝国で医師だった者で生き残っている者がいたら、なお良いですけど」


「クアウテモック2世とミスティトルに頼んでおこう。それと器具類で不足しているものはないか?」

「注射器ですね。しかたなく消毒して使い回しをしていますが、さすがに限度がありますから」


俺は、光秀は希望する医療機器をスキルで作っておいた。光秀は、そのうち医聖とか言われるようになるかもしれないな。


「ところで、福はどうしている?」

「彼女は、手先がすごく器用ですし、頭も抜群にいいです。私の弟子の中では1番優秀です。簡単な縫合とかは彼女に任せています」


「福は努力家なので、しっかり指導してやれば名医くらいにはなれると思う。妹を何とぞ、よろしくお願いします」




ここまで、お読みいただきありがとうございます。


励みになりますので

ぜひブックマークや評価などをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ