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富国強兵への道4

天文7年(1538年秋) 7歳


うどんを捏ね終わったら、平板の上において丸い棒で伸ばして行く。

打ち粉がないから代用として米粉を使った。

それにしても使う小麦の粉は中力粉で良いのかな。面倒だから良いことにしよう。


伸ばして折りたたんだら麺きり包丁で切って行く。うどんの麺ができた。

つけうどんにするので、鍋で鶏肉と味噌たまりと野菜を煮ておく。

麺を茹でてザルで水を切り・・という感じでザルうどんが完成する。


いつの間にか、オヤジも母上達も集まってきている。試食会の開始だ。

ものすごく好評だった。


この時代は、美味しく食べるのは正月で、普段の食事などは食えれば良いという感覚だ。きっとすごく美味かったと思う。


確か長細いうどんが広まったのは江戸時代からだったかな。


好評なら正直屋の近くに料理屋を作らせてみるかな。

非常食である小麦や蕎麦を美味しく食べるだけではもったいない。ビジネスにしないとね。

正直屋は商社だから参加に外食店があっても良いよね。


外食は忍者でなくてもいいから、流民のなかで料理の得意そうな夫婦にやってもらえば良いな。

正直屋の近所にしとけば、変な破落戸も近づけないはずだしね。


うどんをコネコネしている間に俺は、蕎麦茶を作らせておいた。

蕎麦の実を乾煎りするだけなので簡単だ。

うどんと一緒に蕎麦茶も飲んでもらった。これも好評だった。


蕎麦茶も産品にできそうだな。産品はどんどん増やすぞ。


そういえば旨味成分といえば椎茸だよね。前世にあった椎茸栽培を誰かに研究させよう。

怪我をして忍び仕事ができなくなった人の仕事にすれば良いよね。

気長に研究してもらえば良いと思う。これも産品候補だ。


俺はレシピを書いて「麦も蕎麦も美味しい食べ方があるということを伊賀に広めて下さい」と、言って母上に渡しておく。母上は「任せておきなさい」と張り切っている。


そのうちパンも作りたいので、南蛮人からパン用の小麦も輸入したい。パン屋もビジネスになるな。堺の奴らが、ぼ〜としている間にどんどんビジネスを広げていけば良いな。


楓は次々料理を楽しそうに作ってみせる我が子の笑顔にほっとしていた。いつも伊賀を1人で背負っているかのように難しそうな顔をしている我が子を楓は心配していたのだ。


酒盛りをしているおっさんたちも同じことを考えていたようだ。「三蔵の年相応な笑い顔を見られて安心したわい」と、言いながら楽しい酒となっている。

みんな俺のことを心配してくれていたみたいだ。家族は良いね!


ところで麦と蕎麦からは焼酎ができる。試行錯誤がいるけどね。

呑兵衛オジサン達に、新しい酒を作るからと酒造りのできる職人を探してもらったら、職人を直ぐに見つけてきた。


素早いな。さすが呑兵衛パワーだ……


焼酎を作るには蒸留装置が必要だけど、そんなものは至高の匠スキルで簡単に創造できるからね。とにかく作ってみれば良いのだよ。

美味しくなければ、さらに蒸留を繰り返せは消毒用のアルコールができるから、それでも良いしね。医療用に売れると思う。


この調子で富国は進んでいくが、遅れないで強兵も進めないと、周辺のヤクザ大名の餌食になるからな。強兵の方はこの時代は得意な人が、いっぱいいるはずだから心配していない。

キーマンは必要だけどね。キーマンのスカウトは急ごう。


とにかく俺しか陣頭指揮できないのは富国の方だからな。

まだまだ俺が頑張らないといけない。


疲れるな〜。早くのんびりしたい。ストレス解消に俺も焼酎飲みたいけどダメだな……

残念だ。





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