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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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メキシコシティ防衛戦3

「迫撃砲を一斉に発射せよ! 支援要塞には絶対に当てるなよ!」

20発の榴弾が敵兵目指して飛んでいく。


トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン!

ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン!


12万の兵士の真ん中辺りに落下した榴弾が爆発する。地面が揺れ、兵士たちが吹き飛ぶ。土煙が上がり、何が起こったのかを兵が考えている。暫し戦場に静けさが漂うのだ。


3ヶ所の支援要塞の扉が閉まる音が戦場に響く。

バターン! バターン! バターン!


その音を聞いた12万の兵士たち! 彼らは瞬時に理解する。自分たちが、これからどうされようとしているのかを!


「迫撃砲を一斉に発射せよ」

20発の榴弾が一斉に飛んでいく。


トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン!

ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン!


再び兵士の真ん中辺りに落下した榴弾が爆発する。地面が揺れる。兵士たちが吹き飛ぶ。


兵士たちは恐慌状態だ。自分だけは逃げてやる。生き延びてやる。支援要塞の扉の方に向かって一目散に走る。倒れた兵士など構っていられない。倒れた兵士を踏みつけて全力で走る。


あと少しだ、大勢で押せばあんな扉など壊せるはずだ。来た道を走れば国に帰れる! 扉が開かなければ湖に飛び込めばいいだけだ!


3ヶ所の支援要塞を任された、それぞれの指揮官が叫ぶ。

「迫撃砲を発射せよ!」


3ヶ所の支援要塞から合計60発の榴弾が飛んでいく。


トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン! トゥーン!

ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン! ドガーン!


逃げる兵士の真ん中辺りに落下した榴弾が爆発する。地面が揺れ、兵士たちが吹き飛んでいく。


兵は思考能力を失う。生き延びたいという生存本能だけで走っている。支援要塞に向けて迷わず走り続ける。


さらに、3ヶ所の支援要塞から60発の榴弾が撃ち込まれる。本部要塞からも20発の榴弾が撃ち込まれる。榴弾が撃ち込まれる度に、支援要塞に向けて全力で走る兵の数が減っていく……あと少しだ……あの壁に近づきさえすれば! 


壁まで、後30歩くらいまで近づけたぞ! 助かったぞ! やったぞ!

しかし、壁の上に散弾銃隊300人がずらりと並んでいく。射撃が始まる。散弾は広がる、精密射撃でなくても当たるのだ。金属鎧を装着していない周辺国の兵は、穴だらけになって倒れていく。


ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! 

ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! ダーン! 


周辺国の兵が次々倒れていく。1発で2人、3人と倒れていく。戦場に立っている周辺国の兵は少なくなってきた。さっきまで我らが取り囲んでいた中央の要塞の扉が開く! 槍を持った兵が駆け出して来る。銃を持った兵も出て来る。


我らを殺しに来るのだ! 皆殺しにされる! もうダメだ!


湖上の道を塞ぐ門が開く。中から銃をもった兵が出て来る。もう止めてくれ! 全員死ぬのか……全員殺すつもりなのか! そんなバカな!


攻撃は続く。

イスパニア野郎に味方しやがって! 

アステカ帝国を滅ぼしやがって! 

我らだけを奴隷にしやがって! 


アステカ兵は、今までの恨みを全てぶつけている。血だらけのアステカ兵が呆然と立っている。周辺国の兵で立っているものはいない。戦場に静寂が訪れたのだ。


「終わったな! 親アステカ勢力に『裏切り者12万人を全て始末した』と使者を送ってくれ」


「反アステカ勢力には『首都に攻め込んだ12万の兵は全て始末した。皆殺しにされたくなければ、裏切り者の王族を全て引き連れて首都に出頭せよ』と使者を送ってくれ」


「早急に敵兵の死体を火葬してくれ。死体を湖に投げたりするなよ! 疫病が発生するぞ!」

「わ……分かりました」


やっと返事ができたものの、クアウテモック2世とミスティトルは体の震えが止まらない。眼の前で、12万の兵が全て始末されたのだ。アステカ兵は虚脱状態。血だらけで呆然と立ち尽くしたままなのだ。


……クアウテモック2世……


こんな状況を目にして、震えがこない者などいないだろう。地獄絵だ! 大執政官様は平気なのか! それにしても豊穣神様の加護の力はすごいものだ。


イスパニア軍にテノチティトランが滅ぼされている時も、クアウテモックが拷問にあっている時も、我らが奴隷にされている時も、アステカの神は何もしてくれなかった! 


しかし眼の前では、豊穣神様の加護の力により、12万の敵兵が倒されているのだ。比べものにもならないではないか! そんな神に生きた心臓とか……大事な子供たちを生贄にしてきたのか……いったい我らは何をやってきたのだ!


隣に立っておられる大執政官様は人なのか?


俺としては、ここで一息つきたい。しかし銀山を何とかしないといけないだろう。銀山にはイスパニア兵が残っているはずだ。アステカ人が奴隷として、未だに過酷な労働を強いられているはずだ。


アステカ兵の散弾銃部隊1000人を2つのグループに分けて、それぞれグアナファト銀山、サカテカス銀山の制圧に向かわせることにしよう。


銀山の制圧に向かう散弾銃部隊の2グループだが、アステカ人の隊長に率いてもらおう。そうしないと、いつまで経っても一人前の軍隊に成長しないからだ。もちろん彼らが一人前になるまでは、藤林正保と服部保長にそれぞれ特殊部隊を200人ずつ率いてもらい、影から彼らのお守りをしてもらうけどね。


いろいろ失敗もあるだろうし、散弾銃部隊から怪我人も出るかもしれないが仕方がない。戦場で逞しくなって戻ってきてほしい!


天文21年(1552年初夏)21歳


クアウテモック2世の名前で、旧アステカ帝国支配地に使者を派遣し、以下のような通達をした。内容は俺とクアウテモック2世とで話して決めた事だ。


1.この国は日本国アステカ領となった。首都はホウジョウシティ(メキシコシティ)とする。

2.アステカ領における王制をすべて廃止する。王族だった者は、国を離れホウジョウシティ(メキシコシティ)で暮らすこと。

3.日本国アステカ領の統治は、日本から任命された総督であるクアウテモック2世が行なう。

4.新たに設けた州の統治は、総督が新たに任命した州知事が行なう。

5.州知事は州税を徴収し総督府に納めること。

6.首都に攻め込んだ国の王族は、総督府に別途定めた賠償金を支払うこと。

7. サビナス盆地を治める州知事は、石炭をアカプルコ港 に運ぶこと。

8. 銀山の採掘は休止し、サビナス盆地の石炭の採掘を行うこと。

9. …………

10.…………


各地に使者が向かって1ヶ月が過ぎる。


ホウジョウシティ(メキシコシティ)に、たくさんの使者が集まってくるようになる。12万の兵を撃破した日本軍を皆が恐れているのだ。クアウテモック2世の前に跪く使者は恐れ震えている。謁見している広場には、貢物の山が出来上がっていく。


これから州知事を決めていかないといけないのだが、クアウテモック2世と側近で話し合ってもらったが、任せられる人材が足らないのだ。有能な人間はイスパニア軍が反乱を恐れて粛清しているからだ。


州を実質的に治め運営する内政官がたくさん必要だ! この国にいないのであれば、学校を作って育てるしかない。先が長い。とにかく内政官と農民の補充を勘助にお願いしておこう。


クアウテモック2世に頼んで、サビナス盆地を治める州知事を一番に任命してもらう。とにかく蝦夷丸を動かすための石炭が必要なのだ。石炭がないとどうにもならない! 州知事に任命された者に石炭の見本を渡し、それが何かを説明する。地元に住んでいる先住民に、燃える石で説明すればすぐに分かるだろう。


鉱山から解放させたアステカ人たちには、サビナス盆地で石炭の露天掘りをしてもらおう。とにかく掘って集めた石炭を、大急ぎでアカプルコに運ばせよう。国を守るために何をおいても実施せよと、クアウテモック2世からも厳命させておかないといけないな。


それと、運搬のためには馬車が必要だ。各州からサビナス盆地に馬車を集めるようしてもらおう。


ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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