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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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メキシコシティ攻略3

光秀たちは街の中に簡単な病院を作り、俺たちがイスパニアと戦っている時も、アカプルコの病人たちの治療をしていた。


……明智光秀……


大執政官様に渡された、通訳ペンダントは本当に便利だ。これがないと問診もできないからな。そうなると病気や怪我の治療は難しい。イスパニアの支配下では、治療行為など受けたことがなかったといっていたな。


そのせいか、アステカの民から大いに感謝されている。医者をやっていて本当に良かったと思うのだ。


大執政官様と出会わなければ、転生した日本で無意味に死んでいたかもしれない。今はやり甲斐もあり、毎日が充実している。前世で身につけた医学知識を存分に治療に役立てることができている。病気や怪我で困っている人たちを助けることは最高なのだ。


この国でも、医師や看護婦を育てないといけないな。人手が足らない! メキシコシティが片付いたら、大執政官様と相談しよう。


……明智福……


兄上から光秀殿の妻となるように勧められた。だがその時は、父上から教わる伊賀流体術が面白くて、他のことなどに全く興味がなかった。その後も父上、母上、兄上の3人から入れ代わり立ち代わりお願いされた。仕方ないので、一度だけ光秀殿の診療所を見学に行くことになったのよ。


診療所に行ってみたら、とにかくびっくりしたわ! 思っていた診療所とは全く違っていた。光秀殿は病院と呼んでいた。その日は光秀殿が手術を行うというので、是非にと見学させてもらうことにしたのよ。


やたらと明るい部屋の中に、患者が裸で寝かされている。光秀殿が、患者のお腹を迷いなく小さい刀で腹を切っていく。腹を切れば死んでしまうでしょ! しかし、腹を切られている男は痛くないのかまったく動かない。腕には管のような物が繋がっている。


暫く光秀殿の手技を見ていた。動きに迷いも無駄もない。何をやっているのかは全く分からないが、手の動きに見惚れていたのよ。最後に腹を縫って終了のようだ。無駄のない手の動きに感動した。


この技をどうしても身につけたいと思った。さっそく光秀殿に、自分にも手術ができるようになるのか聞いてみた。努力すれば可能だという。その日のうちに弟子入りを希望したわ。


翌日から、毎日病院に通い光秀殿の後を付いて回った。手術の手技もすごいが、医者としての知識量の多さにびっくりした。これは一生を懸けて学ばないといけないと決心し、光秀殿の妻になることにしたのよ。


その判断は間違っていなかったわ! 患者を治療し感謝されることは本当にうれしい。このアカプルコでも多くの患者から感謝されている。何でも治療できる旦那様は、アステカ人からは神のように崇められている。本当に自慢の旦那様だわ。


……藤林保正……


大執政官様から、米作りの場所を選定するように頼まれた。アステカの女性たちと会話ができないと話が進まないため、通訳ペンダントを借りてきている。これは本当に便利だ。米作りにどういう場所が良いのか、連れてきた農民たちに聞きながらアステカの女性たちに説明する。


そんなやり取りをしながら、連れてきた農民たち100人分の田んぼの配置を決めていく。アステカの女性たちは、日本からやって来た人間は特別な人間だと思っているので、農民たちとどんどん仲良くなっていく。子作りも、米作りも、頑張ってほしいが、今は米作りに力をいれてほしい。


俺は、特殊部隊1500人と共にメキシコシティに到着した。

首都防衛の要となる湖の道には、1人の兵も配置されていない。メキシコシティは混乱しているようだ。何の抵抗もなく街に入ることができたのだ。


アカプルコの攻撃に向かった総督が死んでしまったことが街中に知れ渡り、統制も取れない程の大混乱になっている。


俺の周りは、警護のため特殊部隊が取り囲んでいる。

あれが総督府と大聖堂だな。立派な建物に仕上がっている。ここがテノチティトランと呼ばれていた時には、あそこはアステカ帝国の王宮や神殿があった場所なのだろうな。大聖堂や総督府の建設には、破壊された王宮や神殿の石材が使われたということだな。


アステカ帝国の民からすれば、さぞかしがっかりしただろうな。さしずめ日本でいえば、京の御所が破壊された場所に、近くの城や寺を壊して集めた石材で、大聖堂や総督府が建てられているようなものだからな。


アステカ人の心を挫くためにやったのだろうな。


それにしてもこの街は、大聖堂や総督府を中心として道路が整然と整備されているな。テノチティトランと呼ばれていた時には、さぞかし整然とした美しい街並みだっただろうと思う。街の大きさは縦横3.5kmくらいというところか。


アステカの土木技術のレベルはかなり高かったのだな。


やはり痘瘡とうそうが蔓延していなければ、アステカは負けなかったのではないだろうか! アステカ帝国が攻め落とされる時に、テノチティトランが10万の兵で囲まれたというが、なぜ攻め込んだ10万の先住民兵は、痘瘡とうそうに罹っていなかったのだろう? 疑問が残るよな。


テスココ湖の島を拡張して作られたこの水上都市は、湖に作られた運河を道にして陸と繋がっている。北、西、南の計3本の道だ。道の途中には、湖の水の流れを堰き止めないように水路が設けられている。その水路ごとに橋が架かっている。


こういう街を建設できる土木技術者は生き残っていないのかな。黒鍬建設に学ばせたい。島の西側を見ると、埋め立てが始まっているようだ。イスパニアは街を西に広げようとしていたみたいだ。


街の中のいろんな場所で、馬車に食料や家財を積み込もうと慌てている。アステカの民から奪った金銀を、せっせと馬車に積み込んでいるのだろう。しかし、もう手遅れだ!


服部保長が部下たちに命じる。

「食料も家財も持ち出させるな。抵抗する者はクロスボウで始末しろ」


服部隊500人が、一斉に走っていく。馬車へ積み込みを行っている者たちを威嚇し、反撃するものはクロスボウやリボルバーで倒していく。やがて、命さえあれば十分だと諦め、手ぶらで街の外に走って逃げ出し始める。街の中のから人の気配が消えていく。


「百道隊は、総督府とその横の大聖堂に行くぞ。立て籠もっている者がいれば始末しろ」


総督府と大聖堂に百道隊が突入する。中に飛び込んだ隊員からは『誰も残っていません』という報告だ。


「10名は総督府の上の方に登り、周囲の様子を確認しろ」


上に登った隊員が、何かを見つけたみたいだ。慌てた様子で手旗信号を送ってくる。

「こちらに西側から軍勢が来ます。その数は、おおよそ2000人!」

「藤林隊500人、付いてこい!」と藤林正保が指示する。



ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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