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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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メキシコシティ攻略1

「メキシコシティの正規兵を全滅させることができたのは日本の方のお陰です。豊穣神様のお陰です。我らアステカ人は大変感謝してします」とクアウテモック2世。


「これからどうやってアステカ帝国を再建しようと考えている? 王族もほとんど殺されているはずだ。再建を始めれば、アステカの民が集まってくると思う。味方ばかりではない。イスパニアに協力した裏切り者も擦り寄ってくるかもしれないのだ」


「裏切り者は許しません。アステカ帝国から排除します」


「信用できない奴を近づけると、下手をすると殺されてしまうかもしれない。身の回りは信用のおける者だけで固めた方がいいだろう」


「分かりました。アステカ帝国の再建と言われましたが、アステカは今まで続いてきた文化や生活習慣を始め、ありとあらゆるものが破壊されてしまいました。私はそれを元通りに再建していくのではなく、これまでとは違う新たな国を作ろうと考えています」


「藤林保正様やルーシー様とお食事をともにしながら、日本の民の生活についてお聞きしました。幸せに暮らす国民を羨ましく思いました。いろいろな技術がアステカ帝国と比較にならないくらい進んでいました」


「そしてそれを成し遂げてこられたのが、神童と言われた大執政官様だということをお聞きしました。ミスティトルとも話しました。私は日本のような国を目指したいのです! そしてこの国の民は、日本の民が信じている豊穣神様を信仰することにします」


何だって〜! 

豊穣神様は喜んじゃうかもしれないけど……それでいいのか? 世界が変な方向に進んでしまわないのか?


「大執政官様に、このアステカの王となっていただけないでしょうか? この国を豊かに、民を幸せに導いて頂けないでしょうか?」


「待て、私は日本という国を治めなければならない。この国の王となることはできないぞ」

「ですから、アステカという名前を日本に変えます。それでいかがでしょうか?」


「そんなことをしたら、アステカの民が怒るのではないか? 暴動が起きるぞ!」


「怒るも何も、アステカ帝国という国の名前など既に存在しません。この国はイスパニアにより、過去から続く何もかもが壊されてしまっているのです。この国が日本になることを、アステカの民も望んでいることでしょう」


周りを見ると、皆が頷いている。

「ちょっと待て……そんなことを簡単には決められない。時間をくれ」


豊穣神様の声がしてくる。

「何を迷っておる! アステカの民を早く救うのじゃ」


神様! ずっと見ているの……


「そう言われても、ルーシーを通じてアステカの民とイスパニア語で、やっと対話をしているような状況なのですよ。こちらの真意が正しく伝わっているのかも分からりません。そんな状態で、この国を治めるは無理なのです」


「言葉が通じないで困るなら、そなたにも私と同じように念話ができるようにしてやろうか?」


「豊穣神様! いろいろなスキルを与えていただいて大変感謝しております。しかし念話まで使えるとなると、私は周りから人として見られなくなってしまいます」


「人として見られなくなっても良いではないか!」

「私は、人として生きていきたいのです」


「そなたに与えたスキルは、既に人を十分に超えておると思うぞ……今更何を言っておるのじゃ! 念話でなければどうするのだ? 言葉が通じないと無理なのであろう?」


「転生前の世界にあったような通訳装置みたいな物があればいいのですが」


「このペンダントでどうだ。このペンダントは、そなたが話す言葉を、相手が分かる言葉に自動的に変換してくれる機能を持つ。逆に相手が話す言葉を、そなたが分かる言葉に変換してくれる。それがあればできるな! できるであろう? できるな!」


「分かりました。できます! では、30個頂けないでしょうか? 数個は東南アジアで頑張っている者たちにも渡したいのです。あちらでも困っていると思います」


「では、受け取るがいい」

気がつくと、俺の膝の上に30個のペンダントが、どっさりと置かれている。


「大執政官様、いかがされました。しばらく上の空の様でしたが」

「豊穣神様から渡されたものがある。このペンダントだ!」


俺はペンダンを1つ取り、首から下げる。


「アカプルコは暑いな」

「クアウテモック2世! 私の言葉は、そなたたちのナワトル語で聞こえてきたであろう」


「神にいただいたのですか! 何と……素晴らしいです。アステカの神からそのような神器を頂いたなどという話は聞いたことがありません。豊穣神様は本当に素晴らしいです! 最高です!」


クアウテモック2世だけでない。会議の参加者全員が感激している。まあそうなるよな! でも、これで良かったのかな? ペンダントを渡したのは俺じゃないからな! 


「日本がこの国を治めることは分かった。しかし私は、この地にずっと留まる訳にはいかないのだ。日本の大執政官の下で、クアウテモック2世が総督として治めるということでどうだ?」


「ありがとうございます。豊穣神様のお導きのままに!」

何か違うのだけどな。




ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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