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富国強兵への道3

天文7年(1538年秋) 7歳


牧場はまだまだこれからだけど、麦や蕎麦はたくさん収穫できてきた。

買い取った麦や蕎麦は、新築した大きな蔵に収納している。

結構あるな……


蕎麦や麦は村人達にとって、食べるものがないときに仕方なく食べる不味い非常食としか思われてないみたいだ。

収穫してもあまり喜ぶ様子がない。

まったくもって残念だ……


確か彼らは、蕎麦粉に熱湯を加えて餅のように捏ねて食べていると思う。

調味料とか、どうしていたのだろう。

塩は高価だったはずだよね。『敵に塩を送る』なんて話しが美談として残っているぐらいだからね。たしか謙信さんと信玄さんの話だったような……


多分そのまま食べているのかな。それじゃ美味しくないだろうね。


「飢饉の時にも食べるものができたぞ。やった……」と、喜ぶ民の顔が見たかった俺としては、それでは全く不本意なのだ。


調味料が用意できるかどうかは別にして、小麦とか蕎麦は料理の美味しい材料だということは知っておいてもらいたい。


前世では、小麦はパンやうどん、蕎麦もざる蕎麦、かけ蕎麦で美味しく食べられているのだよ。美味しい専門店がたくさんあった。


よっしゃ、お料理教室でもするか。


うどんや蕎麦を作るには醤油と出汁がいるな。

2つともない……

あれ、いきなりダメだな。


でも醤油は味噌たまりといって、味噌樽の中に溜まった汁、味噌たまりでも代用できるはずだ。醤油の原型だからね。

少しぐらいなら屋敷の味噌樽から掬ってこれるはずだ。


そうだ腕の良い味噌職人をスカウトして醤油作りを開始させよう。

これも良い産品になるはずだ。


京からの流民がたくさんいるから中に味噌職人もいるはずだ。いなければどこからかスカウトだな。


小さい醤油蔵を建ててあげて、そこで研究してもらおう。

そのうち出来るかなくらいで良い。

たくさん種まくことが大事だ。


醤油ができれば料理の幅が広がるし、煎餅も作れるな。煎餅は俺が好きなのだよな。

煎餅は立派な産品になると思う。


出汁はなくても鶏肉と味噌たまりで美味しいつけ汁を作れるはずだ。

少々失敗してもこの時代の料理になら負ける気はしない。


まずうどんを作るとするか。

といっても7歳児ではうどんを捏ねるのは難しい。

道順に手伝ってもらっている。嫌がるかと思ったけど意外と面白がっているな。


うどんは、前世のネットの記事見ながら作ったことがあるから多分大丈夫だ。

小麦粉に対する水の量と塩加減は分かっている。


小麦粉をコネコネする力仕事を、道順が楽しそうにやっている。

腰の使い方が上手い気がするな。道順は武術で体幹が鍛えられているのだろうな。


道具類だが、これはこっそりと至高の匠スキルで創造しておいた。

うどんを捏ねる大きな平板や、捏ねた奴を麺の太さに伸ばすための丸い棒、その他にふるいや麺きり包丁等の道具も揃えておいた。


至高の匠スキルの存在はまだ秘密にしておきたいので、堺の商人から購入したことにしていが、信じるかどうかは判らない。


至高の匠スキルは便利なのだが、『どのぐらいの大きさまで創造できるのか』とか、『どのぐらい精密な物まで創造できるのか』とか、まだ把握出来ていないのだ。


あの神様に貰ったスキルだし、一抹の不安もあるな……

まあ気にしてもしかたないか。





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