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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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アカプルコ上陸2

「まず特殊部隊が上陸せよ。次が陸兵だ。特殊部隊は港にいるイスパニア兵はすべて始末しろ」


「陸兵が上陸したら、工藤昌祐と工藤祐長、藤林保正とルーシーも上陸せよ。ルーシーの護衛は厳重にせよ」


「ルーシーと保正は、奴隷にされたアステカの民の代表者を探せ! 奴隷にされたアステカの民の中には、イスパニアの言葉がわかる者がいるはずだ。代表者らしき者たちが見つかったら船に連れてこい。話がしたい」


蝦夷丸から、どんどん特殊部隊や陸兵たちが上陸して行く。あれ! オヤジたちも上陸しているじゃないか! 勝手に部下を連れて走り出して行ったけど、地理も言葉も分からないのにどうするつもりだ!


特殊部隊の数名は、ルーシーからイスパニアの言葉を習ってはいるけど、そんなので大丈夫なのか。忍者なら何とかなるのかな。


港で隊列を組んでいる陸兵に、アステカの民の代表者らしき者たちが、数名歩み寄って来る。ルーシーが飛び出て話を始めて……おい! 保正! 何やっている! 止めろ! 危ない!


兵と保正が、慌てて間に入る。ルーシーが死んだりしたら、妻たちに合わせる顔がないからな。ルーシーは話を続けている。何とか意思疎通できたみたいだ。

アステカの民の代表者たちが、船に乗ってこちらに向かって来ている。


保正とルーシーが、アステカの民の代表者たちを連れて戻って来た。


「ルーシー! 無茶をするな。保正、危ない真似をさせるな!」

「申し訳ありません。気が逸ってしまって」と2人が頭を下げる。


「デッキに机と椅子を用意してくれ。彼らも船の中に入るのは心配だろうからな。それと、お茶とお菓子も用意してくれ」


テーブルが用意され、アステカの民の代表者たち数名が椅子に座る。お腹が空いているのか、お菓子を急いで食べている。まともな食事をさせてもらってないのだろう。暫く落ち着くのを待とう……


やっと落ち着いたようだな。


「私たちは、日本という国から来た。目的は、この国からイスパニアを追い出すことだ。アステカの民を奴隷から解放するのも手伝うつもりだ。ルーシー、通訳を頼む」


俺の言葉をルーシーが通訳していく。それを聞いたアステカの民の代表者たちは、俺の方を向いて、イスパニア語の感謝の言葉を繰り返しながら涙を流している。


「ただし! この国はアステカ人の国だということを忘れないでほしい。国を取り返す戦いは、あなた達がやるべきことなのだ。だが今、あなた達にその力はないことは分かっている。イスパニア軍を撃破し、勢いがつくまでは我らが頑張る。その後は、武器を援助するのであなた達が戦ってほしい」


「ミスティトルと申します。お話はごもっともです。イスパニアを追い出し、アステカの民を解放するための戦いです。アステカ人が命を懸けるのは当たり前です。我らは、日本の方々に協力していただけるだけることを感謝致します」


「ところで、皇帝クアウテモックの血を引く子孫は生きていないだろうか?」


「イスパニア人が躍起になって探していましたが、見つけることができませんでした。我らが知っているぐらいであれば、とっくに捕まっていると思います」


「では、誰かアステカの民をまとめられる者はいないか? そういう者がいないと、イスパニアとの戦いの最中、イスパニアを追い出した後、アステカの民を1つの方向に結束させることができないぞ。最悪、イアスパニアを追い出した後で内乱が起きてしまうぞ」


「その通りだと思います。アステカ人はケツァルコアトルという神を信じています。その神は、知恵と文化をもたらす慈悲深い神とされています。我らは港でイスパニアのガレオン船が沈められるところを見ておりました。日本の方々が、まさにケツァルコアトルの神に見えたのです」


「いや、待て。我らは普通の人間だ。日本という国から来た人間だ!」

「そんな事はありません。どうか我らアステカの民を導いてください」


冗談じゃないぞ……そこまでどっぷりとこの国に留まる気はない! そんなことをしていたら、2年間で日本に帰れなくなるぞ。


「話は分かったが、それは簡単に返事をできるような話ではない。それよりも、この港のガレオン船もイスパニア兵も始末したのだ。近い内にイスパニア軍が攻めて来るはずだ。まずはここの守りを固めることが先ではないか!」


「守るべき街の内部に敵がいては危険だ。特殊部隊という強い兵200人を協力させる。特殊部隊と一緒になって、この街と街の周辺の農園、施設などにイスパニア人がいないか調べてほしい。いれば全て始末する必要がある。それと彼らが残していった食料を、どこか1ヶ所に集めてほしい。数量も確認してくれ」


「分かりました」


「誰か、黒鍬建設の代表を呼んでくれ」

「ハイ、すぐに呼んできます」


船室に黒鍬建設の代表がやって来る。

「大執政官様、何でしょうか?」


「この港に、蝦夷丸が横付けできる桟橋を作ってほしい。木材はミスティトルに聞いてくれ。やり取りが必要なら、ルーシーに通訳してもらえ」


「ハイ、分かりました」


「では、ミスティトルは街に戻れ。保正、特殊部隊の手配を頼む。」

「ハイ」


「私は部屋に戻って、これからの作戦を考える」


部屋に戻って天井を見ながら考える。これからどうしたものか!



ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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