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富国強兵への道2

天文7年(1538年春) 7歳


問題は、鶏舎と牧場の管理の人達の中で、辛うじて読み書きできる人が1人ということ!

計算できる人が0人という現実だ!


『たとえば鶏舎であれば。鶏が1日でどれくらい餌を食べるから、月にエサ代はこれぐらいかかりそう』だとか、『鶏は卵を月に何個産んでくれて、1個何銭で売れそうだから1月いくらの儲けになりそう』だとかね、分からない訳よ。


そういうことを考えられる人が、最低でも鶏舎と牧場に1人ずついないと、本当の意味で牧場の管理なんかできないのだ。


そうでなければ、ただ動物を飼っているだけとなる。

ビジネスにはならない。ビジネスにならなければ、富国にはならない。

とりあえずなら正直屋の丁稚を連れてくればいいのだが、ずっとというわけにはいかない。


鶏舎の事だけを切り取って考えても、民を教育しないと国が豊かにならない事が理解る。

しかも教育の成果が現れるには時間がかかるだろう。

そうなると早く教育を始めないとどうしようもない。


前世の時には、こんなことを考えたこともなかったな。

伊賀を豊かにするには学校を作らないとダメだ。それもなるべく早くね。

読み書き計算が出来る人をたくさん作っていかないと、富国の達成は無理だ。


学校を作ろう。なるべく早くだ。


伊賀でいきなり前世の義務教育を始めるのは無理だ。

民の意識が付いてこられないだろう。

この時代に合わせたネーミング、『武官と文官の教育』を始めるぞと言っておけば受け入れ易いかな?


伊賀の子供の中でも、みんなが忍者の適性があるわけではない。

文官向きの子供もいるはず。


そういう子供達に加え流民の中で適性がある子供達に、文官教育として読み書き、算術を教えよう。


さらに適性があるものには前世の方式の簿記も教えよう。

算術と簡単な簿記は俺が教科書を作ろう。


成績が良ければ文官として伊賀で雇うという人参もぶらさげよう。

やる気になってくれると良いのだが。


読み書きは坊主を雇えば良いとして、計算とか教えるのは俺になるか? 

また俺かい……


米の転売ビジネスで忙しいのだがな! 

しかたない明日の伊賀のため頑張ろう!

武官教育は、軍師や武将がまだいないので教える人間が揃い次第だな。

後回しだ……


忍者の教育は今まで通り。

やはり忍者は優秀だから絶対必要。どんどん増やしたい。

調査、商売、軍事となんでもやれるからね。


何なら常備兵も全部忍者にしても良いぐらいだ。

しかし忍者養成に時間がかかるのだよ……

短期間に数を揃えられないのが忍者の問題点だな。


これからの忍者さんは、戦闘系だけでなく、米の転売ビジネスでも活躍して欲しいので、修得リストに、読み書き、算術を追加しよう。


まあ言ってみれば『戦国の商社マン』にもなってもらいたい。

伊賀の忍者はどんどん進化していってくれ。

最近では流民の中でやる気があり適性がある子供達にも忍術を教えているようだ。

忍者はいくらでも欲しい。


最初はこのような形で学校を始めるが、軌道に乗れば、領地の子供は全員が読み書き、算術ができるように教育していこう。

民が無知では国の発展はない。


どこまで行けるか分からないけど地道に進めていこう。

教育なくして富国強兵なしだ。



ここまで、お読みいただきありがとうございます。

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