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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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家族との時間1

光秀の病院から、政庁の執務室に戻って来た。


今後の海外遠征を考えると通信機がほしいな。新イスパニア領、日本、マラッカとの間で話ができるようなものがあれば良いのだが……さすがに無理か! 前世は便利な世界だったよな。


そう言えば豊穣神様は、どうやって俺と会話をしているのかな。


「何だ、そんなことで悩んでいるのか。そなたに私の像を10体渡そう。その像には番号が付いていて、特殊な力を持たせている。たとえば1番の像の前に、2番と書いた紙を置く。その紙の裏側に要件を書いておけば、自動的に2番の像の前にその紙が送られる。ただし、手紙を送るには、私へのお祈りが必要にしている。そうでないと不自然だからな」


「無線機とか、携帯電話とかはダメなのですか?」

「バカモノ! この時代に合わせたものに、わざわざ仕上げてやったのだぞ! 苦労したのだぞ!」


「失礼しました。これから活動する範囲が、1万キロを超えますので大助かりです。ありがとうございました」


「そうか。そうか。では、渡したぞ。その代わり分かっておるな。そなたの使命じゃ。忘れるではないぞ!」

「分かりました」


『日本の民を救う』が『世界の民を救う』に変わったし、さっきは『頼むぞ』が『俺の使命』になっていたな! 発注後の追加は、お断りしたいのだがな!


光秀にも頑張ってもらおう。運命共同体として頑張ってもらおう! そうだ! 神様!ヨーロッパ側に誰かを転生させるのは止めてください。聞こえていますよね!


「分かっておるわ」

「よろしくお願いします」


とにかくアメリカ大陸なんて……1回行ったら2年間は帰って来られないだろう。次に子供に会う時は6歳か……長いな……マグロ船より長いぞ!


とにかく、妻や子供と過ごす時間は貴重だな! もう屋敷に戻ろう。本日は業務終了だ!


ああ……小さい子は良いな! 一緒に横になるのは最高だ! 癒やされるな。子供のいい匂いがする。触ってもぷにゅぷにゅして気持ちがいい。


そうだ、サラと話をしないといけなかった! ルーシーにも来てもらう方がいいか。

しばらくして、ルーシーが夫の藤林保正と一緒に屋敷に訪ねてくる。サラ、ルーシー、保正とともに客間に移動する。


他の妻たちは何の話か気になっているようだ。


「今回の遠征で、澳門マカオは100年間の領地割譲となった。衢山くさん島もそうなるだろう。台湾島やルソン王国にも日本の領地ができた。1ヶ月後に出発する第3次遠征では、信長はマラッカに向かう。私はアメリカ大陸にあるイスパニアの拠点港であるアカプルコに向かうつもりだ」


「その遠征が終わると、次はポルトガルやイスパニアと総力を上げての大海戦になるはずだ。その大海戦が終わったところあたりが、和平条約を締結する良い機会なのかと考えている。しかし実際にどうなるか分からない」


「どう和平条約に漕ぎ着けるのか。仲介国をどうするのか。お互いの勢力範囲をどう線引きをするのか。これから検討し、探っていくことになるだろう。その時フランスは日本に対してどういう立場を取るのかまったく分からない」


「サラとルーシーは、遠い故郷となったフランスをどう思っている? 思うところがあれば、聞いておきたいのだ」


「どう思うか……と聞かれれば、生まれた国ですから懐かしいです。遠く離れた故郷に対して、誰しもが抱く気持ちと同じです。しかし、それ以上のものはありません」


「私たちはフランスで殺されそうになり、命からがらで逃げてきたのです。私たちを逃がすため、多くの護衛が命を落としました。そのことを考えれば、帰るべき国とは思いません。帰りたいとも思いません」


「この日本国に愛する人がいて、結婚もして子供もいます。周りの人たちにも恵まれ、とても幸せに暮らしています。この日本が私たちの国なのです。ルーシーも、きっと同じ気持ちだと思います」


ルーシーも頷いている。


「そうか、ありがとう。私もずっと側にいてほしい」


「扉の向こうで聞いている者たち! 入ってきていいぞ」

妻たちがぞろぞろと部屋に入ってくる。子供は屋敷で働いている女性たちに預けてきたようだ。


「済みません。気になってしまいまして……」と普光が謝る。


「丁度良い。我が国を取り巻く世界の現状について、一度じっくりと説明しておこう。皆には、私が何を考えているか知っておいてもらいたいからな。しかし少々時間が掛かるぞ。もちろん、この話は豊穣神様からお聞きしたことだ。他言無用で頼むぞ」


「私たち妻は、旦那様と運命を共にする者です。時間が掛かっても全てお聞かせくださいませ」と普光。

他の妻たちも頷いている。


「サラ、私の言うことに間違いがあれは正して欲しい。では説明する……」


俺は、我が国を取り巻く世界の状況について説明していく。内容は信長、勘助、幸隆に説明したことと同じだ。キリスト教、イスラム教、宗教戦争、大型船建設による海洋進出、アフリカ大陸の悲劇までを話した。


妻たちは熱心に聞いている。


続けて、ポルトガルによるインドや東南アジアの港の占領について、交易を独占し海上帝国と呼ばれていることについても話す。そしてイスパニアによるアメリカ大陸の征服について、先住民を農場奴隷や鉱山奴隷にしていることについて、そして先住民が痘瘡とうそうと過酷な労働で次々死んでしまったことについても話す。


妻たちの表情が暗くなってくる。


さらに、アステカ帝国の征服やインカ帝国の征服の概要について、文化の破壊とキリスト教への改宗による先住民の同化政策についても話す。時間が掛かったが、世界の現状についての話を終えた。


「何ということを!」

サラとルーシーだけでなく、保正も他の妻たちも怒っている。



ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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