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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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第3次遠征に向けて

「総督の件は、そうするしかないと思います。バカ息子が総督職を継げば、領地に攻め込まれたり、巧妙な外交戦略によって領地を取り戻されたりしてしまいます。そう考えると男系嫡子方式ではなく、女系婿取り方式にして、選びに選んだ婿を跡継ぎにする方が理にかなっているような気もしますな」と勘助。


「それも良いかもしれないな。そもそも私の子供がバカ息子と呼ばれないようにしないといけないな。そんなことになったら示しがつかないな。子供はもう4歳になった。そろそろ子供の教育係が必要だと思っている」


「幸隆の子供たちは全員が優秀らしいではないか? どんな教育をしているのか教えてほしい」

「武芸・軍略・知略・精神を万遍なく鍛錬しているだけです。普通ですよ」


「誰が教育を担当しているのだ?」

「同じ信濃出身の春日虎綱かすが とらつなという男に頼んでいます」


幸隆の奴! さりげなく優秀なのをゲットしているではないか! 俺にも貸し出してくれないかな。


「月に3回くらいでいいので、息子たちの教育をお願いできないだろうか。いずれは勘助にお願いしたいと思っているが、勘助の後継者が育つまでは、勘助に頑張ってもらうしかないからな」


「話を戻すと、明、台湾島、フィリピン群島には、それぞれ総督に任命した家が浸透を図っていく。そのためにそれぞれの家では、旧家臣集めと、婚姻に適した人選もしてもらっている。権力者との婚姻戦略は重要だからな。日本からの民も移民させ、先住民とどんどん夫婦になって欲しい」


「獲得していく領地は、当然不安定です。旧大名家の結束力を利用するという、大執政官様のご判断は間違っていないと思います。とにかく今は海外の体制づくりを急ぐ時だと思います」と信長。


「とりあえずマラッカの港を押さえておけば、ポルトガル艦隊はこっちに来られないはずだ。信長にはマラッカの港までの攻略を任せたい! マラッカの港を占領し、アユタヤ王国、マジャパヒト王国、ブルネイ王国に外交官を派遣し、国交を結ぶとともに、反ポルトガル同盟の締結、イスラム商人を通じでオスマン帝国への伝手も作ってほしい」


「大変なことは分かっている。だがやってもらわないと日本が困ることになる。楽に2年間は掛かるかもしれないな。どうだ、やってくれるか?」


「もちろんです。ヨーロッパの国々から日本を守るためです。将来の民の生活を豊かにするためです。頑張ります」と信長。


「参謀として幸隆も行ってくれ。信長1人に大任を背負わせるのは酷だからな。私は東側の攻略に向かうつもりだ。アメリカ大陸の新イスパニア領に向かい、イスパニア海軍の拠点港や大型船、造船施設などを破壊し、奴らが東側から来られないようにしてくる。私も暫くは戻れないだろう。何せ日本から遠いところだからな」


「私たちが不在の間は、勘助と森可成で、日本、台湾島、フィリピン群島、澳門マカオ衢山くさんを守ってほしい。明の忍びが育ったら、明に投入してくれ。それと見習い軍師が一刻も早く一人前になれるよう、目一杯鍛えてほしい」


「しばらく、この4人は会えませんな」と、寂しそうに勘助が言う。

「寂しいですな。この4人は自分の家族より長い時間を共有していますからね」と幸隆。


「うれしい事を言ってくれる。私も2年間ぐらいで何とかしてくる。信長も2年間で何とかしてくれ。2年後、無事にここで会おうじゃないか。そうなると、マラッカの後任は誰にするか決めておかないといけないな。柴田勝家、丹羽長秀、前田利益といった旧織田家家臣たちはどうだろう。マラッカは防衛最前線で風当たりが強くなるだろうからな。強靭な心の持ち主がいいな」


「私の方は、特殊部隊と工藤兄弟を連れて行く。蝦夷丸だが、信長が30隻、私も30隻を連れて行こう。お互いしばらく家族に会えない、暫くは子供や妻との時間を大事にしよう。作戦開始は1ヶ月後だ」


「それと、海軍には説明していることだが、この地図を皆に渡しておく。この地図書き込んでいるように、この緯度辺りには、常に東から西に吹く貿易風と呼ばれる風がある。それとこの緯度あたりには常に西から東に吹く偏西風と呼ばれる風がある。海流もあるぞ」


「蝦夷丸の石炭を減らさないためには、この風や海流を利用して航行した方がいい。石炭がなくなれば蝦夷丸の優位性がなくなるからな。上手く利用してほしい」


「それと少し先の話になるが、いずれはヨーロッパの諸国と和平条約を結ぶことになるだろう。場合によっては、サラの血縁が使えるかもしれない。どうなるか分からないが、使えそうな可能性は大事にしておきたい。サラはフランス国の王族の娘なのだ」


「何と……そうでしたか」

3人から思わず声が出る。


「フランスまでは何せ遠い。いったいどういう方法があるのか、現時点ではまったく検討もつかない。お互いに気にしておけば、今回の第3次遠征で何か良い方法が見つかるかもしれない」


「そうですな。第3次遠征では、今よりはかなりヨーロッパに近くなりますからな」と幸隆。


「もう1つの交渉材料としては、痘瘡とうそうの予防薬だ。マラリアの治療薬も使えると思う。他にもいろいろ光秀に研究させている。光秀は豊穣神様の加護を受けているのだ」


「それで、妹様が嫁がれたのですね。なるほど」と勘助。


「日本にしかない治療薬は、外交交渉では大きな切り札になると思います。それと、外交においては相手のことをより多く知っている方が有利です。そのため、西側の遠征ではイスラム商人から、東側の遠征ではアメリカ大陸の先住民たちから、ヨーロッパの国々について、できる限り情勢を聞き出すことにしましょう」と信長。


さすが信長良く分かっているね。


ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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