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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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貧乏脱出3

天文6年(1537年初夏)6歳


流民が伊賀に、少しずつ流れてきているそうだ。

『伊賀の神童』とか『豊穣神様の加護を持つ子供』とか、苦しい現実から僅かな希望に縋り、希望の灯火に吸い寄せられるように人が集まって来ている。


俺は神にされてしまうのはいやだよ。とっても迷惑!

しかし楓母さんは何だか凄く喜んでいるみたいだ。

母上が喜ぶのならそれでも良いか!


そういえば昨年俺に妹ができました。名前は幸といいます。

妹は可愛いぞ……

前世では妹が欲しかったので本当に嬉しい。


守るべき家族が1人増えたのだ、絶対に幸せにしないとな……

人質として、妹を嫁に差し出すとか、絶対にそうならないようにするぞ。

そのためには今のままではダメだ。伊賀はもっと強くなければならない。


流民の件だが、お金も増えてきたので、常備兵になってくれる流民を優先的に受け入れている。


また子連れのお母さんも見捨てるわけには行かないので、牧場とか焼酎造りの手伝いをさせている。


なんだかんだで、伊賀の人口がかなり増えてきた。その分、周りの大名の領地の人口が減っているのかな? 今は周りの奴らを刺激したくないな!


しかしヤクザ大名なんて戸籍も作っていないから、国の人口なんて把握してないと思うけどね。分からないからいいか? 

しかし俺も戸籍を作っていないから、人のこと言えないな。

戸籍を作るかな。これ結構大変なのだよね。


流民を常備兵として多量に雇った。

しかしまだ軍事訓練を任せる武将がいないので、常備兵見習いとして、体力づくりを兼ねて道路整備とか水路整備とか、いわゆる公共事業をやらせている。

工兵部隊も作っておきたいから将来役に立つでしょう。

戦場での陣地構築とかニーズが高いはず!


伊賀はこの2年で明らかに金回りが良くなってきている。貧乏脱出だ。

最近は大名からの、危険なだけでお金にもならない依頼は、次々と丁重にお断りさせていただいている。


伊賀がこなしていた依頼は甲賀にいっているようだ。良い仕事が一つもないと思うよ。ごめんなさい甲賀さん。そのうち甲賀さんも助けるね。

同じ忍び仲間だからね。それまで待っていて下さい。


伊賀は総力を挙げて『商社正直屋』のビジネスに全力投球だ!

全力で金儲けだ!


「金目のもの全部だせや!」と、周りのヤクザ大名から伊賀が攻め込まれる前に、とにかく銭を貯めて、富国強兵を図らないといけないな!

今はほぼ無防備に近いのだ。


そういえば、堺のお店だけどね。名前を『正直屋』にしました。

仕事の内容からすれば『ザ商社正直屋』だよ。

名前の響きが良い。伊賀が経営する店とは思わないでしょ。

忍びの拠点も複数ヶ所必要なので、景気の良さそうな商業地に、とりあえず『正直屋博多店』、『正直屋柏崎店』、『正直屋熱田店』、『正直屋沼津店』を作りました。


その拠点を足がかりにして、九州、中国、四国、近畿、東海、関東まで情報を集めている。いくさとお米の生育情報の収集だ。


おかげでヤクザ大名さんたちの動向も手に取るように解る。

他国の忍びとの提携はまだ出来ていないが、伊賀が国としての体裁を整えれば可能だと思う。


米の買い占めと転売なのだけど、忍者さん達もだいぶ慣れてきたみたいだ。

計算もできるようになり、売り買いの勘所も掴めてきたみたいだ。

簡単ではないけどね。


俺がすべて指示しなくとも正直屋の番頭達といっしょになって売り買いを進めていって欲しい。

少しずつでいいからね。


現在も瀑益継続中だ! 銭がどんどん貯まるぞ。

こういう時は商売敵からも攻撃対象になりやすい。対策を考えないといけないな。

信頼できそうな商人達を傘下にして『ザ商社正直屋コンツェルン』とか作るのも面白そうだ。


商社正直屋の系列店も作っていくかな。商人の世界の天下統一の方が早かったりして。面白そう……


遠い将来、戦国時代が終わり平和な時代が到来した時でも、ザ商社正直屋コンツェルンだけは残るだろうしね。





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