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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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明智光秀3

「どうされました? 大執政官様」


「光秀、暫し神様と話をしていたのだ。神様とは付き合いが長くてな。これから話すことは秘密だぞ! 光秀の話を聞かせてもらったので、私のことも話しておこうと思う。私も光秀と同じだ。人助けで死んだのに、転生した時に何ら特典もなしだった」


「しかも転生した先は光秀のような大名家でもない。『このままではすぐに死ぬ!』と思った。それで必死になって神様と交渉したのだ。粘りに粘って『治癒スキル』と『至高の匠スキル』を頂けることになったのだ」


「2つもスキルを与えるのは特別だと言われ、その代わりに『この国からいくさをなくし民を幸せにする』という約束を、神様とさせられたのだ。だから私は『治癒スキル』を使い、病気や怪我を治すことができる。『至高の匠スキル』により、いろいろな物を作り出すこともできる」


「その2つのスキルを使いながら、神様との約束を守るべく行動してきた。その結果、大執政官という現在の立場になっている。しかし今度は、外国の民も救えと言われていて、海外遠征するための準備をしているところなのだ」


「私にも前世の記憶が残っています。この時代の世界の状況や、今後の歴史の流れも覚えています。やはり日本に閉じこもっているのは良くないと思います」


その後、お互いが記憶している世界の状況と歴史の流れを確認しながら、信長、勘助、幸隆と話したような話をしていく。光秀も概ね俺と同じ考えだった。やはりそうだよな。何か安心する。もしも俺が死ぬようなことがあれば、光秀に俺の代わりをやってもらうのもありかもしれないな。


そういうことになる可能性があるなら、光秀の嫁は適当な人ではダメだ。俺の2番目の妹の福を嫁にするか! 母上に頼んでおこう。


「……まあそんなところだ。ちなみに我ら2人以外の転生者は生きていないそうだ。その神様が光秀に『薬生成スキル』を与えて下さった。そのスキルで痘ワクチンも作り出すことができるらしいのだ」


「『薬生成スキル』というのは、伝染病の予防薬や治療薬等も生成できるスキルということですね。この世界にすごく大きなインパクトを与えることができるスキルですね! そんなスキルを私が持っていていいのでしょうか?」


俺が神様にお願いしたからね……もう仲間だからね……光秀とは仲間! 何か気が楽になったような気がする。


「そのスキルを持っていてもらわないと困るのだ。海外に出ていくということは、危険な伝染病や風土病とかに遭遇する可能性が高くなる。何も対策をしていなければ何十万人という民が死んでしまう」


「確かにそうですね。前世では患者を救うことを使命と考え頑張ってきました。そういうスキルをいただくことができるなんて! すごくやる気が出てきました。この時代のたくさんの民を病気から救いたいです!」


「スキルの使い方だが。例えば『創造 痘瘡とうそうワクチン 何とか』と念じればいいだけだ。この例でいえば、『何とか』というところに、作る個数や数量を指定すればいいはずだ。簡単だろ」


「それを見てもらうのが良いと思う。ワクチンの培養設備や医療器具を作ろう。ただし私には、どのような培養設備や器具を作ればいいか分からない。だから、私が想像できるように詳細な説明をしてもらえばいい。それだけで作り出すことができると思う。だたし、パソコンとかCTスキャンとかレントゲンは無理だ」


紙に鉛筆で描いてもらった絵を見ながら、培養設備や器具をどんどん作っていった。冷蔵庫もいるかも知れないが、今はどう作ればいいか分からないから後回しだ。簡単なガラスの器具は、ガラス職人もいるから、見本があれば彼らでもある程度作れるはずだ。


「もう一度言うが、スキルのことは人に知られないようにしてほしい。身内にもな。攫われたり、殺されたりする可能性があるからな!」

「十分に気をつけます」


「それから一緒に考えてほしいことがある。我らが死んでしまえば、日本から我ら2人のスキルがなくなってしまうのだ。そうなってもこの国が困らないよう、科学力、生産力を高めておかないといけないのだ。高度な人材育成や教育システムについては、是非相談に乗ってほしい」


「もちろん協力します。自分でもどうすれば良いか考えてみます。説明いただいた私のスキルですが、後でこっそり試してみます」


「これからこの国は、ヨーロッパの国々に喧嘩を売っていくことになる。そうなれば、もう後戻りはできない。もしも私が、運悪く死んでしまった場合、ヨーロッパの国々から我が国が総叩きに合わないよう、信長、幸隆、勘助と力を合わせて頑張ってくれるとありがたい」


「もちろん協力します。ただし、私は大執政官様のようには上手くできないと思います。いくさの指揮はできませんから! 日本が占領され、民が奴隷にされそうになったなら! 疫病の薬を差し出すか、あるいは我が身を差し出すかしてでも、我が国の民を守ります!」


「ありがとう。そういう最悪な状況に備える訳ではないが、私の妹の福を嫁にしてもらえないだろうか」


「分かりました。ところで、福さんはどんな女性なのですか?」

「伝説の上忍である百道三太夫の血を、最も強く受け継いでいる。だから強い。光秀を守ってくれると思う。頭も良いし、顔も良い」


「末永く、福さんを大事にさせていただきます」

「よろしく頼む!」


その後も、いろいろ話をした。

診察や医療に必要な器具はたくさんあるのだ。光秀に聞きながら、至高の匠スキルで次々器具を作っていく。器具で部屋がいっぱいになるまで作ったら少々疲れた。


ひょっとすると、CTスキャンとかパソコンまで作れる『至高の匠スキル拡張版』みたいなものもあるのかもしれない。しかし豊穣神様から引き換え条件に、何を頼まれるか分からない。聞くのは止めておこう。


とにかく、薬と医学分野は光秀に丸投げだな。でないと俺のキャパがパンクだ。でも仲間が増えたことは良かった。光秀は誠実な男のようだし。心が軽くなった。


まもなく海外遠征する予定の者全てに痘瘡とうそうワクチンを注射してほしいと、光秀にお願いしておいた。国民全員に対しては、少しずつ順番にやっていくつもりだ。


後日、光秀が豊穣神様の加護を受けていることを父上と母上に報告し、福と光秀の結婚を許してもらった。さっそく光秀の病院に福を行かせたのだが、医師になりたいと言い出した。祝言を上げる前から、医師見習いとして病院を手伝い始めたのだ。福は思い込んだら一直線だからな! 福が女性名医になるのが楽しみだ。


ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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