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貧乏脱出2

天文6年(1537年初夏)6歳


『伊賀の神童』とか『豊穣神様の加護を持つ子供』とか、勝手な噂が独り歩きしている。

秘密にしておいてもらったはずなのに、親馬鹿オヤジが我慢しきれずに、宴会の時に自慢しまくっているみたいだ。


そういう事をすると俺が目立つでしょ。

現代なら良いのだけどね。


ここは戦国時代だよ。法律なんかないからね。無法がまかり通るのだよ!

変に目立って「面白い小僧がいるじゃないか!」と、目を付けられると怖いことになる。


目を付けた大名から「お前の子供ちょっと寄越せや。いいと言うまでこっちで働いてもらうからな。飯は食わせるから心配するな。死ぬまで生きているから大丈夫だ!」と、言われる可能性が大なのだ。


戦国時代に人権なんかないよ。強い人が正義だし。強い人は何でも無理を通せる。

戦国時代は恐ろしいよ!


オヤジは銭儲けで舞い上がって、自分が何でもできると勘違いしてきているようだ。

俺が良いというまで大人しくしてくれ。


悪い時期を脱して少し状況が好転して気が抜けた時は要注意!

そういう時が一番危ういのだよ。


確か、緊褌一番きんこんいちばんだったよな。

ふんどしの締め直しだぞ。


ところで、オヤジが集めてくれた鍛冶職人たちが、伊賀にやって来てくれた。

この鍛治職人たちは俺が、豊穣神様の加護をもらった神童だという噂話を信じ込んでいる。


「神様はどこですか?」とか言っているそうだ。

しかし一族郎党引き連れてやって来てくれた。総員30人。

うれしいような怖いような。でも神様になる気はないよ。


さっそく鍛冶場と住居を作らせた。

彼らは俺のお抱え鍛冶屋として、火縄銃のコピー品の製作で、鍛冶の腕を上げて行くように命じてある。


作るのが難しい部品は、至高の匠スキルで俺が創造して渡す形にすれば、火縄銃レベルならそんなに時間をかけずに作れるようになると思う。


火縄銃を量産できるようになったとしても、他所に売るのは100発撃ったら、だんだんポンコツになっていく鉄砲にする予定だよ。


購入した大名からクレームがきても、手入れが悪いからだと言っておけば良い。わざわざ敵になるかもしれない奴を強くする必要はないからね。


この時代、いくさで使う武器の今の主流は、なんといっても槍と刀。どちらかといえば槍だよ。


槍と刀が作れる腕の良い職人さんを知らないかと聞いてみたら、伊勢に凄く腕の良い鍛冶屋の一族がいるらしく、声をかけてくれるそうだ。

村正一族というらしい。


やった村正! 

気分を良くした俺は、家も用意するし給金も弾むと、村正一族に伝えてくれと頼んでおいた。


「それだと、一族総出で来るかもしれないですよ。大丈夫ですか?」と、言うので「全部伊賀で面倒みる」と、言っておいた。

槍と刀は品質が大事。村正ブランドなら文句なしだ。


「明日にでも話をしに向かいます」

「期待しているぞ」と答えておいた。


村正一族つながりで、忠勝君の愛槍『蜻蛉切』とか作れないかな。

俺も蜻蛉切が欲しい!




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