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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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公家勢力を弱体化1

天文18年(1549年春)18歳


畿内と四国がやっと片付いた。蝦夷王国にいる妻たちには、住み慣れた伊勢の松坂城に一旦戻ってもらうことにした。畿内の大名が臣従したのだ。さすがに松坂城であれば安心だと思う。それに、何か起こっても船で逃げられる。


俺も家臣たちも、ずっと単身赴任だったからな。戦国時代にそういう感覚はないかもしれないけど、とにかく俺が嫌なのだよ。


オヤジたち、真田家、工藤家、森家、藤堂家……の奥方や子供たちも、昔住んでいた松坂城に戻ることになる。これからは、俺も家臣たちも時々は家族に会いに来られる。とにかく良かったよね……特に俺はそう思っている!


蝦夷王国の内政と統治は、平井親子にお任せだ。蝦夷宮殿はスカスカになって、寂しくなってしまったけど、蝦夷には優秀な技術者を集めて、我が国の技術開発拠点にしようと思っている。平井親子がしっかりやってくれると思う。


宮殿のコア部分以外は、技術開発のための教育施設に使っていいと伝えている。建物は使わないと、どんどんダメになるからね。俺には、宮殿だから……とかいうようなこだわりはない。


技術開発、農業、漁業、石炭の供給体制の構築とかいろいろあるけど、平井親子なら大丈夫だろう。


蝦夷王国の内政が一段落したら、樺太も蝦夷王国の領地に加えるようお願いしている。将来のための石油資源の確保だ。でも寒い場所だから、住むのはアイヌしか無理かもしれないな。


樺太の街作りとか、港作りもあるな。寂しいどころか忙し過ぎて、平井親子に怒られそうだ。


ところで、俺もやっと妻たちと会うことができた。妻たちが次々俺に抱きついてくる。抱きつきながら、これまでの出来事を話してくれる。妻たちの身の安全を確保するためとはいえ、単身赴任が長かったからな。本当に長かった〜。


ここは、いったん落ち着いてティータイムだ。

俺からもいろいろ話したいことがある。話せば、俺も心が落ち着いてくるのだ。いくさとはいえ、いっぱい人を殺してきたからな。俺だって人間だからね……家族に癒やされたいのだよ。


「あと少しで、戦国の世を終わらせることができる。戦国の世を終わらせるためとはいえ、これまで随分多くの人を殺してきた。これからも同じだ」


「戦国の世を終わらせることは、この国の全て民が望んでいることです。綺麗事では戦国の世を終わらせることなどできません。誰かがやらないといけなかったのです。しかし、誰もできなかったのです。それを玄武王様が成し遂げられようとしておられるのです」と普光。


「私たちは、玄武王様がされていることを誇りに思っています。多くの人を殺してきたことを、玄武王様が悩んでおられるのであれば。それを罪と感じるのであれば。我らもその罪を引き受けます。1人ではありません」


全員が迷いなく頷いてくれている。ありがたいな……心が軽くなってくる。俺だってね……心が辛いのよ。こういうのがないと、言葉で励ましてもらわないと、心がポッキリ折れそうなのだ。


「使命を持って生まれた者は、その使命を果たさなければなりません。使命を持って生まれた殿方を、全力で支えるのが妻の使命。我らの命は玄武王様にお預けします」


普光、良いこと言ってくれるな! そうだよ。その通り。俺は単純過ぎるか!

いや! いろんなスイッチを切って、単純になればいい! 余計なことは考えるのを止めておこう!


「ありがとう。やはり家族は良いな。いろいろ片付いたら、蝦夷丸に乗って皆で船旅をしよう。温暖で景色の良い場所に行こう」


「行きましょう。行きましょう。楽しみですわ」

皆が喜んでくれている。


久々の楽しい時間を持つことができたな。

俺からもお礼に、久しぶりの俺の新作料理を振る舞った。家族も大いに楽しんでもらったと思う。


とはいえ、ずっと松坂城に留まる訳にもいかないか……まだ14日しか経っていないけどな。短いよな。こうなったら、さっさと西国を片付けよう!


安土城に戻ってきた。仕事やるか……まずはいつもの4人で作戦会議だ。


「畿内の大名がこぞって臣従したのは、大名たちが冷静な状況判断ができたというのもあるが、浅井家、朝倉家、六角家がどうなったかを知っていることが大きい。四国では三好家の臣従かな。飯盛山いいもりやまじょう城が、1日で瓦礫になったのを知ったことも大きいだろう」


「つまり中国と九州でも、何か一工夫が必要というわけですね。『あんな大軍で攻めたのに大敗した』というのが西国に知れ渡るのが良さそうですね。大軍で攻めてもらうには、西国大名が神輿として担ぎたくなる人物が必要ですな」と勘助。


「その通り、西国大名が神輿として担ぎたくなる人物さえいてくれれば、中国勢と九州勢が山陽道や山陰道を、大軍を伴って京に攻め上がって来ることでしょう」と信長。


「二条晴良と足利親子では役者不足かな?」

「やはり、西国大名が命を賭けて担ぎたくなる神輿が必要ですね。西国大名が熱狂する何かが」と幸隆。


「ですが……いずれにしても西国に派遣できる内政官が増えなければ、西国には手を付けられません」と勘助。


「どれくらい待つようになるだろうか?」

「最低2年は掛かると思います」と信長。


「その待ち時間に、何かできることはないか? 公家の権威を削ぐようなことができるといいな」

3人からは、良い案が出てこない……


「ところで、朝廷の権威といえば何だろう?」

「それは三種の神器ですね」と勘助。


「壇ノ浦で、三種の神器が見つかったとなればどうなる?」

「三種の神器の信憑性にもよりますが、二条晴良に付いて行った公家衆と、京の公家衆との間で大揉めが始めるでしょう」と信長。


「さらに、二条晴良が担げるような人物まで見つかったらどうなる! 例えば安徳天皇は壇ノ浦で死んではいなかった。その子孫が生きていたらどうなる?」


「これは……久々に面白くなりそうですね。南北朝ならぬ、東西朝に持っていきますか! そして偽物の西朝が優勢になり、本物の東朝の勢力が弱まれば、都合の良い展開となりそうですね。フフフ……」と勘助。


「できれば、後奈良天皇が蝦夷王国に逃げてきてくれて、蝦夷王国が後奈良天皇を守り、逆賊である西朝を滅ぼす展開は理想的だな!」


ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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