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戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


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ヨーロッパの強国4

「ポルトガルは、インドおよび東南アジア交易による莫大な利益を独占する。いくつもの港を支配することで、交易を独占するポルトガルは、海上帝国と呼ばれるようになる」


「インドからさらに東に向かい、今から37年前には、ここにあったマラッカ王国を滅ぼし、マラッカの港も占領してしまう。この地球儀のここに海峡があるだろ。ここは、インドから我々のいる東南アジア、東アジアに船で交易に向かう際の玄関口になる重要な場所だ」


「さらに2年後には、明までやって来る。この澳門おうもんという港で交易を始める。奴らは澳門おうもんのことをマカオと呼んでいる。明は海禁政策をしている。勝手に澳門おうもんに住み着いていたポルトガル人を嫌がっている。しかしこのままだと、いずれマカオはポルトガルが占領してしまうだろう」


「ポルトガルの船には、アフリカを荒らし回った札付きの海賊たちも混じっている。奴らは儲けるため、明沿岸部の海賊たちと組んで、密交易を繰り返している。そのポルトガル船は我が国の直ぐ近くをウロウロし始めているのだ」


9年後には、ポルトガルが明の海賊討伐を支援したことでポルトガル人の居住権が認められるし、19世紀にはポルトガルにマカオが割譲されてしまうけどね。


「今から56年前、もう一つの海軍強国のイスパニアも、自国からイスラム国勢力を追い出すのに成功する。当然イスパニアも儲けたいから、インドを目指すことになる。しかしポルトガルが、既にアフリカ最南端を通る海路を発見していることから、イスパニアはアフリカ経由ではない別の海路を見つけようと考える」


「そこで、この地球儀だとこんな具合に、イベリア半島から西に、西にと、ひたすら国王に任命された指揮官が、艦隊を率いて調査に向かうのだ。そして、この島を見つける。その後の悲惨な出来事を考えると『見つけられてしまった』になるだろう! ここらあたりだ。続いてこの島からこの辺りの調査を進め、この大きな大陸を見つける。見つけた大陸をアメリカ大陸と名付ける」



「王から派遣された艦隊といっても、碌でもない奴らだ。この島や大陸から金、銀、宝石を先住民から強奪する。そのついでに、アメリカ大陸で育った、ジャガイモという寒さに強い芋や、トウモロコシという穀物、トマトという野菜、タバコという嗜好品を持ち帰る。ここを占領して、自分の農場を作ればこんなのが作れますという訳だ」


「ポルトガルが港と交易を支配し、海上帝国と呼ばれたのとは異なり、イスパニアは自国の民をアメリカ大陸に入植させ、アメリカ大陸の土地そのものを支配していこうと考えたのだ。もちろん現地に住む民を奴隷にしてな」


「アメリカ大陸が見つけられてしまうことで、先住民にとって地獄が始まるのだが。それだけではない、イスパニア兵はアメリカ大陸にはなかった病気を持ち込む。痘瘡とうそうだ! 痘瘡とうそうに罹ったアメリカ大陸の先住民は次々死んでいく」


「銃と大砲を持ち込み、痘瘡とうそうで勢いの弱っている先住民を次々殺していく。金銀財宝を奪っていく。ここら辺りにあったアステカ帝国は、27年前に滅亡させられ、新イスパニア領というイスパニアの属領となっている。さらに、この辺りにあったインカ帝国も、ペルー副王領という属領となっている」


「征服された属領には、イスパニアの民が移り住んでいる。移植したイスパニアの民たちは、自分たちの大農場で先住民たちを奴隷として働かせる。手に入れた鉱山でも奴隷を働かせる。反発する先住民たちに対しては、残虐な見せしめも行う。恐怖で属領を支配していこうとする」


「それと並行して行われたのは、先住民のキリスト教への改宗だ。キリスト教に改宗させておけば、先住民の反乱を起こし難くくさせる効果があるだろう」


「世界3大銀山と云われる銀山に、グアナファト銀山、サカテカス銀山、ポトシ銀山がある。新イスパニア領にはグアナファト銀山、サカテカス銀山がある。ペルー副王領のポトシ銀山も3年前にイスパニアが手に入れる。これによりイスパニアはどんどん国力を上げるはずだ!」


「イスパニアのように、自分たちの欲望にまかせ、他国を侵略していいと思うか?」

「国を侵略したり、滅ぼしたりするには、何らかの大義名分がなければならないと思います」と信長。


「イスパニアが考えついた大義名分は『キリストのもとに、アメリカ大陸はイスパニア国王に与えられたものである。これに反抗する者には、いかなる手段を用いて従わせて良い』というものだ」


「つまりキリスト教徒でない者は、どう扱っても良いとも解釈できる。実に都合良く宗教が利用されている。また神の許可が出ているのだから、大農場主や鉱山主も、勝手に人の物を取り上げたことや、先住民を奴隷にしたことも罪悪感など感じないだろう」


「恐ろしい考え方ですね。キリスト教徒ではない我が国はどうなるのでしょう?」と信長。


「だからこそ、自国を守る力を持たねばならない。自国を守るための布石を打たなくてはならない。同盟して戦う国も作らないといけないのだ」


「イスパニアもポルトガルも、これからどんどん国力を上げていくだろうし、ヨーロッパの他の国々も、遅ればせながら、アメリカ大陸に進出して国力を増すだろうな」


ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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